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人権団体、フーシ派にタイズの道路再開を要求

イランが支援する民兵は2015年にタイズを包囲し、現在も掌握し続けている。(資料写真、AFP)
イランが支援する民兵は2015年にタイズを包囲し、現在も掌握し続けている。(資料写真、AFP)
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31 Aug 2022 12:08:32 GMT9
31 Aug 2022 12:08:32 GMT9
  • イランの支援を受ける民兵組織が、イエメン第三の都市を2015年から包囲しており、市民、食料、医薬品の輸送を制限している
  • ヒューマン・ライツ・ウォッチは「現地の人々は7年間、ほぼ完全に隔離されてきた」としている

アラブニュース

ロンドン:15の人権団体で構成するグループは、イエメン第三の都市タイズ市で起きている人道的災害を軽減するため、同市への主要道路を再開するようフーシ派勢力に要請した。

イランの支援を受けた民兵が現在、2015年に包囲したタイズを掌握している。国際赤十字は、なお政府の支配下にあるこの都市が、戦火にさらされたイエメンにとって「危険なほど酷い」食料、水、基礎物資の不足に苦しんでいると述べている。

国連のイエメン担当人道調整副官であるディエゴ・ゾリラ氏は、AFP通信に対し、「タイズでの状況は特に深刻だ」と述べた。

アムネスティ・インターナショナルやヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)を含めた15団体は、フーシ派は「すべての人道支援要員に自由で安全な移動を保証するとともに、タイズ市民への食料や医療品などの不可欠な物品の提供を手助けすべきだ」と述べた。

HRWの中東・北アフリカ担当副所長であるマイケル・ペイジ氏は、次のように述べた。「フーシ派の制限により、包囲されたタイズ市の住民とそれ以外の地域との唯一の接点となっている、危険で整備されていない山道を市民が利用せざるを得なくなっている」

 「主要道路が開通すれば、7年間ほぼ完全に隔離されてきた住民の苦痛を和らげるのに大いに役立つだろう」

イエメンでは4月、国連の調停により2ヵ月間の停戦が発効した。国連イエメン特使のハンス・グルンドベルグ氏は、「タイズと他の県において、民間人の男性、女性、子どもの移動を容易にするための道路開放について合意する」ために、両者を話し合いに招いたという。停戦は6月に延長され、8月2日にはさらに2ヵ月延長された。

グルンドベルグ事務所は7月、市内の主要道路を段階的に再開する計画を発表したが、これはフーシ派に拒否された。7月26日、タイズ市民はフーシ派の決定に抗議するため街頭でデモを行った。

市民的及び政治的権利に関する国際規約は、世界人権宣言と同様に、移動の自由の権利を保証している。

また、国際法でも、戦争中、民間人には公平な人道支援を行い、包囲された地域にいる人々には退去を認めなければならないと定められている。

しかし、タイズへのルートは現在、アル・アクロド(Al-Aqrodh)と呼ばれる未舗装の道と、急カーブと検問所に悩まされる曲がりくねった長さ60キロの迂回路、そして地元で「死の道」と呼ばれるアデンへの険しい山道ハイガト・アルアブド(Haigat Al-Abd)のみとなっている。

このルートを縦走するには何時間もかかり、多くの犠牲者が出ていると報告されている。

トラックでの物資の輸送やバスでの人の輸送は極めて困難で、緊急物資や市民の移動を妨げている。

一方、道路は酷使されたことにより劣化が加速しており、危険度が増しているほか、雨季には事実上通行不能になる。

また、道の老朽化により、地方の住民がタイズ市内まで医療を受けに行くことが非常に困難になっており、その窮状はタイズの主要な都市部以外にも広がっている。

国連は、フーシ派勢力が検問所において、食料やワクチン、透析治療装置、酸素ボンベなどの重要な医療物資を没収した事例を複数記録している。

「タイズの包囲は、交渉のテーブル上の1枚のカードに過ぎなくなった。市民は、移動の権利を行使し、食料、水、基礎物資などの必需品にアクセスするために高い代償を払っている」。人権機関ムワタナの議長であるラディヤ・アル・ムトワケル氏はこう述べ。次のように続けた。

「(フーシ派は)主要な道路を開放し、すべてのイエメン市民が国内各地を自由に動き回れるようにすることで、移動に対する不当な制限を直ちに終わらせるべきだ」

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