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国連:リビア政治危機終結の失敗で脅威は増大

2011年にNATOが支援する反乱で長年にわたり独裁者の地位にあったムアマル・カダフィを打倒し殺害して以降、リビアは混乱に陥った。(AFP)
2011年にNATOが支援する反乱で長年にわたり独裁者の地位にあったムアマル・カダフィを打倒し殺害して以降、リビアは混乱に陥った。(AFP)
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31 Aug 2022 05:08:35 GMT9
31 Aug 2022 05:08:35 GMT9

国際連合:国連政治局長は30日、リビア当局によれば少なくとも42名が死亡し159名が負傷した数日前の武力衝突を指摘し、リビアの政治危機解決の失敗と遅れている選挙の実施に失敗したことで、同国への脅威は増大したと警告した。

首相の座を争う両勢力を支持する武装集団どうしの衝突で、中量・重量兵器が無差別に使用され、50家族が住居を追われ、5つの医療施設が重大な損害を受け、合計560人が暮らす2つの移民難民収容センターが影響を受けたと、ローズマリー・ディカルロ氏は国連安全保障理事会で述べた。

2011年にNATOが支援する反乱で長年にわたり独裁者の地位にあったムアマル・カダフィを打倒し殺害して以降、リビアは混乱に陥った。豊富な石油資源を持つリビアはここ何年も対立する政権に分断され、両者はならず者の民兵組織や外国政府に支援されている。

12月に予定された選挙の実施に失敗し、暫定政権を指揮するアブドゥルハミード・ドベイバ首相が辞任を拒否した後、現在のこう着状態が生じた。これに応じて、リビア東部に本拠を置く議会が、トリポリに政府を樹立しようと何ヶ月も画策していた政敵のファティ・バシャハを首相に指名した。

8月27日早朝に起きた戦闘は親バシャハ勢力が首都入りを再度狙った画策のようだとディカルロ氏は語った。

「しかし、トリポリの東およそ160キロにあるズレイテンで親ドベイバ勢力に阻まれ、衝突の後で撤退を余儀なくされました」とディカルロ氏は語った。「他の親バシャハ武装集団が西と南西から首都に侵攻する画策は同様に撃退されました。」

トリポリとその郊外での戦闘は8月28日には沈静化したが、状況は今も「緊張し流動的」で、現在の「脆い静けさ」がいつまで続くか不透明だとディカルロ氏は語った。

「両側からの報復攻撃と(トリポリに本拠を置く)リビア暫定政権が戦闘に関与した親バシャハ分子を逮捕しようとしているという発表は、武力衝突の引き金を引くかもしれず、再び民間人の生活に影響するかもしれません」とディカルロ氏は警告した。

政治の手詰まり状態を打開するのは選挙しかないという国連の信念をディカルロ氏は繰り返し、競合する指導者たちが憲法の枠組みとリビア人自ら指導者を選べる選挙の日程に合意するよう訴えた。

明るい話題として、競合する両陣営から5人ずつ代表を出した10人からなる共同軍事委員会が、「外国軍、外国兵士、傭兵をリビアから撤退させる方法を決定しました」とディカルロ氏は述べた。

リビアの国連大使タヘール・エルソンニは、最近の一連の惨事を受けて安全保障理事会が何をするのか、また「家の中で子供たちと妻の目の前で亡くなった」彼の親戚の一人である医師など犠牲者家族に何と言うのか、教えてほしいと求めた。

「また非難と糾弾を繰り返すのですか。それとも安保理は国際平和と安全を維持し民間人を守るため責任を負って行動するのですか」とエルソンニ氏は問いかけた。

リビアで「2011年から今日までに亡くなった犠牲者の命を悼むため」起立して黙祷するよう議場にいた15人の安保理会員と外交官に求め、「彼らは何も悪いことはしていない」し「これは我々が負うべき道義的責任だ」とエルソンニ氏は強調した。

安全保障理事会の議場にいた人々は全員、静かに立っていた。

最近の出来事の責任を負うべき人は「力によって権威を押し付けようとする人」なのを犠牲者と家族は分かっていて、説明責任を果たしてほしいのだと、リビア大使は述べた。

「あなたは事件の調査に協力する意思があり、責任者にきちんと説明させようと思いますか」とエルソンニ氏は問いかけた。

安保理は即時の行動を全く起こさなかった。

AP

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