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ハッカーがイランの原子力機関に侵入、抗議運動は続く

テヘランの科学文化大学で集会を開き、「自由」を叫ぶイランの学生たち。(資料ファイル/AFP)
テヘランの科学文化大学で集会を開き、「自由」を叫ぶイランの学生たち。(資料ファイル/AFP)
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24 Oct 2022 09:10:01 GMT9
24 Oct 2022 09:10:01 GMT9
  • 匿名のハッカー集団がこの攻撃について犯行声明を出しており、最近の全国的な抗議運動で逮捕された政治囚の釈放をイラン政府に要求した

ドバイ:イランの原子力機関は23日、正体不明の外国を代表して行動するハッカー集団が子会社のネットワークに侵入し、その電子メールシステムに自由にアクセスした、と主張した。

匿名のハッカー集団が、イランの原子力機関に対するこの攻撃について犯行声明を出し、最近の全国的な抗議運動で逮捕された政治囚の釈放をイラン政府に要求した。同集団は、イランがロシアからの支援を受けたブシェール原子力発電所に関連する電子メール、契約書、建設計画書など50ギガバイトの内部文書をリークしたと発表した。侵入されたシステムに機密資料が含まれていたかどうかは不明だった。

このハッキングは、イランの厳格なイスラム教の服装規定を遵守していないとして警察に拘留された22歳の女性、マフサ・アミニさんが9月16日に亡くなったことに端を発した全国的な混乱が続く中で行われた。23日に、イランの主要な教師協会は、イラン政府が学生デモ隊を弾圧したことに抗議する座り込みにより、全国の複数の学校で授業が中止になったと報告した。

抗議運動は当初、イランが女性のために国家が義務付けたヒジャーブ(ヘッドスカーフ)に焦点を当てていたが、やがてイランを支配する聖職者らにとって最も深刻な課題へと変わった。抗議者たちは警察と衝突し、イスラム共和国自体の崩壊を求めさえした。治安部隊はデモを解散させるために実弾や催涙ガスを発射し、人権団体の推計によると、200人以上が死亡した。

イランの民間原子力部門によると、ハッカー集団は南部の港湾都市ブシェールで同国唯一の原子力発電所を運営する会社が使用している電子メールシステムに侵入した。同機関は、詳細を明らかにすることなく、今回の攻撃に関して「外国」を非難した。イランは以前、同国のインフラを損なったサイバー攻撃において米国とイスラエルを非難してきた。

「これらの違法な取り組みは、国民の注目を集めるため苦し紛れに行われている」と同機関は述べた。

「Black Reward」と名乗る匿名のハッカー集団は、10年以上前にロシアの支援を受けて稼働し始めたブシェール工場の契約書、計画書、設備の画像と思われるものを公開した。

「西洋人とは異なり、私たちは犯罪者であるムッラーと戯れたりはしない」と同集団はテレグラムでハッキングを発表した際に述べた。

一方、抗議運動により声を上げてきたイランの主要な教師協会、教職員組合調整員会の報告によると、主にイランのクルド州にある学校が、過去1ヶ月間の騒乱による生徒らの犠牲と拘留に抗議して、23日に授業をボイコットする呼びかけに応じた。当局は、すぐにはストライキを承認しなかった。

同組合は、クルド人の都市サナンダジュ、マリバン、ケルマーンシャー、サッケズ、また西アゼルバイジャン州や山岳地帯のハマダーン州の学校で教える代わりに「女性、人生、自由」と書かれた抗議の看板を掲げている教師らの写真を共有した。

「学校は兵舎になり、小学生の顔に催涙ガスが放たれた」とある教師は書き、同組合がその手紙を共有した。「この勇敢な世代の名前は歴史に残るだろう」

欧米が支援するシャーの下で1953年に起きた学生抗議運動期間や、元改革派大統領モハマド・ハタミ氏の下で起きた1999年の民主化要求デモ期間を含め、キャンパスはイランにおける騒乱の火種となってきた。

学生協会によると、テヘランの名門シャリフ工科大学では今月初め、学生らがキャンパスのカフェテリアで男性と女性を隔てる壁を取り壊したことでデモが勃発し、治安部隊の数時間にわたる包囲攻撃の末、数十人の学生が逮捕された。

「自由を!自由を!自由を!」と大勢の学生たちが声を限りに叫び、空中に拳を突き上げた。

AP

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