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イラン政権は、残忍な手段を使っても若者の力を止められない―国連報告者

先月、22歳のクルド人女性マフサ・アミニさんが警察に拘束され死亡して以来、イラン・イスラム共和国は抗議デモに揺れている。(AP)
先月、22歳のクルド人女性マフサ・アミニさんが警察に拘束され死亡して以来、イラン・イスラム共和国は抗議デモに揺れている。(AP)
先月、22歳のクルド人女性マフサ・アミニさんが警察に拘束され死亡して以来、イラン・イスラム共和国は抗議デモに揺れている。(AP)
先月、22歳のクルド人女性マフサ・アミニさんが警察に拘束され死亡して以来、イラン・イスラム共和国は抗議デモに揺れている。(AP)
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29 Oct 2022 02:10:37 GMT9
29 Oct 2022 02:10:37 GMT9
  • イランの人権に関する国連の特別報告者がアラブニュースに語ったところによると、イブラヒム・ライシ大統領は、同国の厳格な服装規定をめぐり、女性に対する残忍な弾圧を扇動した
  • 国家による人権侵害に対する説明責任がイラン国内で果たされていないことから、ジャバイド・レーマン氏は国際社会に対し、行動を起こすよう促した

エファレム・ コッセイフィ

ニューヨーク市:「イラン政権がいかに抑圧的であろうと、または反対意見に対していかに残忍な対応をとろうと、正義と説明責任を求めて同国全体およびその社会構造に嵐を巻き起こしつつある若者の運動を止めることはできない」

イランの人権状況に関する国連の特別報告者であるジャバイド・レーマン氏は、マフサ・アミニさんが警察に拘束され、死亡した事案に対するイランでの抗議行動が40日目に入ったことを受け、同国の人権状況についてこのように評価した。

同氏によると、これまでに27人の子どもを含む250人以上のデモ参加者が、イランの治安部隊によって殺害されたという。

しかし、これは「最小限の数字」であり、実際の人数はもっと多いだろう、とレーマン氏は付け加えた。

「私が今話した数よりも、はるかに多くの死傷者が出ている」。

同氏は27日、アラブニュースの取材に対しこのように述べた。

同氏は2018年の報告者就任以来、イラン政権に対しアクセスを求めてきたが、同国に立ち入って適切な検証手続きを行うことを許可していない。

現在も続く抗議行動は、1999年以来イランを揺るがしてきた長い混乱の歴史における最新の章に過ぎない。

このような反政府運動に対するイラン政権の反応はすべて同じであり、その残忍な弾圧によって多くの人々が死傷し、何千人もの政治犯が獄中に置かれている。

例えば、1999年7月、学生たちが大規模で暴力を伴う抗議行動に参加。その4年後には再び街頭に戻ってデモを展開し、以前のデモで死傷した人々のための正義を要求した。

2009年にマフムード・アフマディネジャド氏が大統領に選出されると、さらなる混乱が起こった。

混乱は2010年まで続き、翌11年と12年にも抗議デモが再び勃発した。

最近では、2017年から2021年にかけて、一連の政治運動、市民的不服従行為、オンラインでの行動、デモが継続的に行われた。

しかし、9月16日のアミニさんの死をめぐる抗議行動は、テヘラン政権にとって後戻りできない決定的な瞬間を象徴すると多くの識者がみている。

アミニさんは死の3日前、ヘッドスカーフ(ヒジャブ)着用に関する厳しい規則に従わなかったとして逮捕、拘束されていた。

「(政権は)何度残忍なことができるのか?何度、基本的人権や人々の基本的な尊厳を侵害することができるのか」とレーマン氏は強調した。

「現在の抗議の波の中で、現実的な問題が提起されている。イランの女性や少女たちはどうなっているのか。彼女らは立ち上がった。街頭に出ているのは若い人たちです。女性たちは抑圧され、服従させられることを望んでいない。若くて明るく、聡明な女性たちです。世界が変わりつつあるのを感じ、ソーシャルメディアを使って行動している」(レーマン氏)

「イラン当局は野蛮であり、抑圧的であるが、若者を止めることはできない。この運動を止めることはできない」(同)

レーマン氏は、政権の自らの行動に対する責任逃れと、以前の抗議行動で行った犯罪に対する説明責任の欠如を指摘した上で、国際社会がこの問題に対処できなければ、同様の侵害がさらに起きるだけだ、と述べた。

「今、何もせず、沈黙していれば、イランにいる何百万人もの人々はどうなるのか。彼らは服従させられ、残忍な扱いを受け続け、希望を失ってしまう恐れがある」と同氏は警告した。

レーマン氏は、他の特別報告者と同様、国連の職員ではなく、その仕事に対して報酬を得ることもない独立した専門家だ。

同氏は今週、毎年10月に開催され、人権、人道、社会全般に関する問題を扱う国連総会第3委員会で、最新の報告書を提出した。

同氏は報告書に、マフサ・アミニさんが「国家の残虐行為と国家の弾圧」の犠牲者だったと記述。彼女の死後に「女性、生命、自由」の旗印の下、街頭に出た抗議者たちに対する残忍な弾圧を糾弾している。

報告書では、イラン当局に対し、「平和的な集会を取り締まる際の殺傷力の行使を直ちに停止するとともに、アミニ氏の死についての独立した公平かつ迅速な調査を行い、その調査結果を公表し、すべての加害者に責任を取らせる」よう促している。

この報告は、国連や世界各国からの同様の呼びかけに呼応するものだ。

レーマン氏は、イラン政権がこうした呼びかけを無視しただけではなく、国家当局が「明らかに治安部隊に抗議者を弾圧するよう命じた」と述べた。

またレーマン氏は、女性に対する厳格な服装規定「ヒジャブ法」の執行を任務とする「道徳警察の役割について、非常に深刻な制度的問題がある」と強調。

これを主導したのはイブラヒム・ライシ大統領であり、同大統領は何度も「(服装規定)に関わる女性の弾圧を扇動し、(法律を)より強力に執行する許可を道徳警察に与えている」と述べた。

さらにレーマン氏は、「女性の誠実さと尊厳を取り戻したいのであれば、あの法律は廃止されなければならない」と語った。

レーマン氏は、アミニさんの死に関して、国家による不正行為や不法行為がなかったとするイラン政権の調査結果を否定した。

アミニさんの家族もこの結論を否定し、独立した医師で構成される委員会による調査を政権側に要求したが、拒否された。

「したがって、ジナ・マフサ・アミニさんの死に関するいわゆる調査は、公平性と独立性という最低限の要件を満たしていないことは明らかだ」と、レーマン氏は述べた。

同氏は国際社会に対し、「ジナ・マフサ・アミニさんの死に至るまで、そしてそれ以降のイランにおけるすべての人権侵害について調べる独立した調査機構」を速やかに設置するよう呼びかけた。

同氏は、アミニさんが「こうした残酷な結果に直面した最初の女性ではなく、最後の女性でもない」と指摘し、同様の状況で死亡した16歳のニカ・シャカラミさんのケースについても強調した。

「彼女(シャカラミさん)が国家治安部隊によって残酷に殺されたという証拠が、次々と出てきている」。同氏はこう述べた。

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