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米宗教間連合、イスラエル批判をかばう反ユダヤ主義の定義の制定に反対

地域団体は、この定義は広範過ぎ、米国における言論の自由の権利を侵害することとなり、占領地のパレスチナ人に対する違法行為への批判からイスラエル国家を守ることになってしまうと主張している。(AFP)
地域団体は、この定義は広範過ぎ、米国における言論の自由の権利を侵害することとなり、占領地のパレスチナ人に対する違法行為への批判からイスラエル国家を守ることになってしまうと主張している。(AFP)
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02 Nov 2022 03:11:18 GMT9
02 Nov 2022 03:11:18 GMT9
  • メリーランド州モンゴメリー郡議会は、イスラエル国家とその政策への批判を反ユダヤ主義と同一視する定義の採択を検討している
  • 反対派は、イスラエルは政治的な存在であり、他の国家と同様に、その行動に対する正当な批判に向き合わなければならない、と主張する

アリ・ユネス

ワシントン:米メリーランド州モンゴメリー郡の38のコミュニティおよび宗教間連合メンバーは、反ユダヤ主義の定義をイスラエル国家およびパレスチナ占領地におけるイスラエル国家の政策への批判と同一視する法案の採択を撤回するよう、同郡議会議員に要請した。

各団体の代表者は10月31日月曜日、議会事務所入口で記者会見を開き、この問題を強調し、決議案への反対姿勢について説明し、決議案の否決を議員たちに促した。

この決議は、同郡議会が国際ホロコースト記憶同盟(IHRA)の反ユダヤ主義の定義を採用するよう求めるものである。しかし、この定義は広範過ぎ、米国における言論の自由の権利を侵害し、占領地のパレスチナ人に対する違法行為への批判からイスラエル国家を守ることになると、地域社会団体は主張している。

IHRAの「実用的定義」は法的拘束力を持たないが、同国や同国製品のボイコットを求めるなどのイスラエル批判を反ユダヤ主義的とみなしている。米国国務省はIHRAの定義を採用し、米国の親イスラエル団体も州や地方レベルで同様に採用するよう、多くの米国各州に働きかけている。

IHRAの定義に反対する人々は、イスラエル国家は政治的実体であり、他の国家と同様に正当な批判を受けるべきであると主張する。

7月、モンゴメリー郡議会は、議員たちに送られた数百通の電子メールを含む地域社会からの強い圧力の結果、IHRAの決議案を議題から削除した。

議会は当初、今週の1日火曜日に開かれる会議の議題に修正版の決議を盛り込んだが、再び削除され、期限未定で見送られた。

パレスチナの権利を支援する草の根団体「パレスチナのためのメリーランド」の共同議長で、月曜日の記者会見の主催者の一人であるハンナ・シュライム氏は、次のように述べた。「IHRAの定義は、一見無害に見えるが、イスラエルやシオニズムへの批判を反ユダヤ主義と混同することによって、パレスチナ人やパレスチナ擁護者を黙らせ、非難するための武器として使われています」

この定義は、「政治的な言論の自由を行使しようとする人々を黙らせ、中傷するための道具」である、と同氏は付け加えた。

シュライム氏はモンゴメリー郡議会にIHRAの定義を却下するよう求め、連合メンバーの声を聞き、連合メンバーの意見が検討されるよう、決議案を議論する公開会議を呼びかけた。

「私たちは反ユダヤ主義に対抗するための決議を支持するが、IHRAの反ユダヤ主義の定義は支持しません」と同氏は述べた。

この宗教間連合には、ニューシナゴーグ・プロジェクト、平和を求めるユダヤ人の声、モンゴメリー郡ムスリム評議会などの団体が含まれている。

ワシントンを拠点とし、モンゴメリー郡に多くの会員を持つ「ニューシナゴーグ・プロジェクト」のメンバーでラビであるヨセフ・バーマン氏は、米国では反ユダヤ主義と白人民族主義が次第に増えていると述べた。

「私たちは、共和党の主流の言説の一部となっている反ユダヤ主義や白人キリスト教のナショナリズム、そして私たちのコミュニティの多くを標的とした陰謀論の台頭を目の当たりにし続けています」と同氏は語った。

「ここにいる私たちは皆、反ユダヤ主義に立ち向かう必要があり、反イスラムの頑迷な偏見や白人至上主義、あらゆる人種差別に対抗すると同時に、対抗する必要があると信じています」

また、同郡議会の決議は、シオニズムへの批判を反ユダヤ主義の現れと同一視しており、次のように述べている。「現代の反ユダヤ主義の形態は、ユダヤ人の生存権と自決権を否定する場合に、反シオニズムを通じて現れることがある」

サウスカロライナ大学の数学教授で「平和を求めるユダヤ人の声」のメンバーであるジョシュア・クーパー氏は、郡議会の決議に含まれるような言葉を使うこと自体が反ユダヤ的であると指摘した。

「この言葉は非常に不快です」と同氏は述べ、ユダヤ人として「イスラエル政府とは関わりたくありません。このようなことを言うのは、ユダヤ教とユダヤ人の正義に対する歴史的なコミットメントに対する中傷です」と付け加えた。

「郡は本質的に、シオニズムを支持しないユダヤ人とは、実は悪いユダヤ人なのだと言っているのです。シナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)を銃撃して回り極右を恐ろしい行動に駆り立てる本当に危険なレトリックを作り出す真の反ユダヤ主義者たちを、彼らは助けているのです」

アラブニュースはモンゴメリー郡議会にコメントを求めたが、すぐには回答が得られなかった。

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