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エジプトのシャルム・エル・シェイク、COP27に向け電気バスや太陽光発電導入で「エコ化」

電気バスから太陽光発電設備まで、エジプトのリゾートタウン、シャルム エル シェイクは COP27 サミットに向けて生まれ変わった。(supplied)
電気バスから太陽光発電設備まで、エジプトのリゾートタウン、シャルム エル シェイクは COP27 サミットに向けて生まれ変わった。(supplied)
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08 Nov 2022 03:11:09 GMT9
08 Nov 2022 03:11:09 GMT9
  • 紅海のリゾート地シャルム・エル・シェイクは、スマートで持続可能な未来の姿を示す優れた見本となった
  • ホスピタリティ事業とレジャー事業では、廃水管理、リサイクル、エネルギー効率化を取り入れている

カイロ:国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(通称COP27)を前に、エジプトの紅海沿岸に位置するシャルム・エル・シェイクは、あらゆる意味で環境に配慮した都市となった。

シャルム・エル・シェイクは、参加者を運ぶ電気自動車から、地域経済のあらゆる部門への電力供給用のソーラーパネルまで、持続可能な未来の姿を示す象徴的な存在となっている。

ホテル業界も「エコ化」に取り組み、適切な廃水管理、リサイクル、再生可能エネルギー、エネルギー効率化など、持続可能なレジャーとホスピタリティの最新の手法を取り入れている。

エジプトのヤスミン・フアド環境相は、サミット開催に向け、「環境に優しいシャルムは、過去10年にわたり私たちが思い描いてきたコンセプトです」とアラブニュースに語った。

「シャルム・エル・シェイクでCOP27を開催する機会を得たことで、街全体を変えていこうというモチベーションが高まりました。エジプト政府として、ひとつの大きな環境問題のために集結できたことは、本当に素晴らしい機会でした。国が都市を環境に優しい都市に変えるには、何年もかかります」

代表団を運ぶ電気自動車から、地元経済のあらゆる部門への電力供給用に設計され至る所に設置されたソーラーパネルまで、シャルム・エル・シェイクは持続可能な未来のあり方を示す優れた見本となった。(提供)

国連のSDGsの目標11では、環境に優しい都市を「環境、社会、経済の持続可能性の達成に専念し、エネルギー、水、食糧の投入を最小限に抑え、廃棄物、熱出力、汚染を大幅に削減できる都市」と定義している。

中東・北アフリカで初めて開催されるCOP27に合わせ、シャルム・エル・シェイクを環境に優しい都市に変身させるために、政府は11カ月かけたとフアド氏は語る。

同氏は次のように述べた。

「私たちには4つの主要な構成要素があります。1つは持続可能な交通手段で、環境に配慮した交通手段です。それから、廃棄物管理システム。3つ目は、再生可能エネルギーの拡大。そして最後に、資源効率と呼ばれるものです」

シャルム・エル・シェイクでは、緑の三角地帯に位置する40エーカーに及ぶ中央公園や、さまざまな日陰を作り出す木や異国情緒ある植物を植えるなど気温を下げるための方法として、緑地が整備された。

しかし、特に評価されているのは、環境に優しい新たな大量輸送システムである。

エジプト政府は3月、会議場までの代表団の移動手段として、天然ガスと電気を動力とする約260台のバスを敷設すると発表した。

10月には110台のバスが登場し、さらに多くのバスが会期中に登場する予定だ。

バスにはエアコン、電子地図ディスプレー、障がい者用設備が完備されている。

COP27公式サイトに掲載されている「都市交通ルートマップ」によると、会議期間中は毎日市内をシャトルバスが運行する。

また、従来のディーゼルエンジンではなく、天然ガスを燃料とする環境に優しいタクシーも約800台配備され、乗客が電子マネーで料金の支払いが可能なスマートペイシステムが搭載される予定だ。

ガソリンエンジン車は、世界的に見ても温室効果ガス排出の大きな要因となっている。

バッテリー技術の向上と道路沿いの充電ステーションへの投資により、電気自動車の普及と値ごろ感が高まっている。

しかし、新技術の導入は依然として遅れており、2015年のパリ協定で取り決められた、地球の気温上昇を産業革命前より1.5℃程度に抑えるという目標からは大きく脱線している。

国連の気候変動に関する政府間パネルは、「2020年から2025年の間に世界の温室効果ガス排出量を削減しなければならないが、現実には排出量はまだ増加している」と警告した。

「温暖化を1.5℃に抑えるためには、世界の温室効果ガス排出量を2030年までに半減させ、2050年までに『ネットゼロ』にする必要があります」

エジプト政府がサミットに先駆けシャルム・エル・シェイクにおいて環境改善を目指したのは、公共交通機関だけではない。

リサイクルや廃棄物処理もまた、最重要課題となっている。

エジプト環境省は、UAEのBee’ahグループおよびエジプトの新進の環境サービス企業Green Planet社と、固形廃棄物の収集、輸送、道路清掃、公共事業に関する10年間の契約を締結した。

両社はエジプトの持続可能性の課題を支援するため将来を見据えた廃棄物管理戦略に取り組んでおり、GPS対応車両・無線周波数識別タグ付きゴミ箱・訓練を受けたスタッフからなるネットワークを採用し、世界クラスの廃棄物管理インフラ、効率的なゴミ収集とリサイクルサービスの展開を進めている。

既にシャルム・エル・シェイクでは、電気自動車が道路や広場を清掃・殺菌消毒したり、生ゴミ、リサイクル品、混合廃棄物を専用のゴミ箱に入れたりしているのを見ることができる。

このコンテナにはGPSが搭載されており、コンテナが満杯になると衛生管理作業員に通知される仕組みになっている。

Bee’ahグループのプロジェクト責任者であるカリード エル メロウキ氏は、「シャルム・エル・シェイクにはCOP27の後もさらに将来の計画があります」と、アラブニュースに語った。

「『リサイクルの重要性』や『道路や公共施設、海岸の清掃方法』など、住民の環境意識を高めるためのキャンペーンを実施します」

「また、レストランとホテルの前には、太陽光発電で動く廃食油回収用のゴミ箱を設置し、廃食油回収専用のコンテナも用意します」

COP27サミット期間中は、市内のホテルやリゾートに多数のゲストが宿泊することとなる多くの顧客の流入に備えるため、また政府の環境に優しい目標に対応するため、いくつかのホスピタリティ施設やレジャー施設では、環境に配慮した取り組みを導入している。

「グリーンスターを取得したホテルは160軒中約120軒で、屋上に太陽光発電システムを設置できたダイビングセンターは60軒がグリーン・フィンを取得しました」と環境省のヘバ マアトゥーク報道官はアラブニュースに語った。

「ホテル産業が環境に与える悪影響を軽減し経費を削減すると共に、宿泊客に健康で穏やかな雰囲気を提供するために、ホテルにおけるエネルギーや水の消費を合理化しクリーンな代替エネルギーに移行することは、エコツーリズムにおいて最近の必要条件の一つと考えられています」

グリーンスターホテルは、エジプト観光省の監督のもと、エジプトホテル協会が運営する国家的なグリーン認証および能力開発プログラムだ。

この認証は、ホテルが環境パフォーマンスと社会的基準を高め、運用コストを削減したことを国際的に認知してもらうことを目的としている。

グリーン・フィン認定を受けたダイビングセンターは、環境上の指針に従い、サンゴ礁を保護し、こうした脆弱な生態系を扱う方法を利用者に指導し、持続可能な観光対策を導入しているダイビングセンターである。

一年中太陽の光が降り注ぐこの地で、太陽光発電の普及により、ホテルやダイビングセンター、レストランなどのレジャー施設において多くの施設が環境格付けを獲得している。

10月には、地元のエネルギー販売会社Taqa Arabia社が、シャルム・エル・シェイクで最大の太陽光発電所を稼働させたと発表した。

25万平方メートルの敷地に建設され、年間発電能力は42ギガワット時を超え、6,000室以上のホテルの客室にクリーン電力を供給できる規模になる。

COP27サミットに向けて、約3万人の参加者と120人の首脳がエジプトに到着する予定だ。

これは科学者たちが、人類が気候に与える影響が急速に回復不可能なものになりつつあり、地球が転換点を迎えつつあると警告していることを受けたものだ。

世界のリーダー、産業界のトップ、市民団体が気候変動に関する公約を具体的な行動に移す準備をしている中、シャルム・エル・シェイクは、環境を第一に考えた場合に実現可能な例として、インスピレーションを与えてくれるだろう。

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