ワッファ・ワエル

リヤド：シャルム エル シェイクに集まった世界の指導者を前に、エジプトは再生可能エネルギーへの投資を拡大する方針であると同国の大統領が明らかにし、気候変動に取り組むためのさらなる前進を求めた。

国連の気候変動会議の2日目、アブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領は地球温暖化に関して目に見える効果の得られる行動を呼びかけた。

「私はこの演壇から、世界が望む模範となるよう、皆さんに求めます」とエルシーシ大統領は述べた。

エルシーシ氏は、地球上の人類は未来とともに「一つの目標と一つの希望、我々がここで抱いているものと同じ希望」を共有していることを強調した。 

発言の中で、エルシーシ氏は指導者たちに、温暖化ガス排出量削減のためのより踏み込んだ対策とすべての出資者を動機づけるような野心的なプロジェクトの実施を求めた。 

「信頼こそが我々の成功、進歩、目標達成をもっともよく保証するものです」とエルシーシ大統領は述べた。

氏はさらに、エジプトは今や「これら重要な環境関連分野での投資を拡大」することに重点を置く決意をしていると述べた。

エルシーシ大統領は、1.5℃以上の温暖化を防ぐという目標を保持して進むという強い意志の必要性を強調した。

エルシーシ氏は、これら気候変動による災害で現在他の国より多くの被害を受けている貧しい国々に対しては、それらの国が効果的に排出量を削減できるよう、財政支援を行うことが必要だと指摘した。

COP27開催に先立って発表された国連の気候変動問題に関する報告書は、各国の取り組みによって世界の温室効果ガス排出量は減少してはいるものの、今世紀末までの気温上昇を産業革命以前と比較して1.5℃に抑えるためには、一層の努力が必要だとしている。

11月18日まで開かれるCOP27は、気候問題の活動家とともに各国首脳や大臣、交渉担当者が毎年一堂に会する、気候行動に関する最大級の会合である。

COP27議長特別代表であるワエル・アブルマジド氏はロイターに、この会合の焦点は個々の資金面での「損害や損失」を保障し、すでに気候関連災害に苦しんでいる、気候変動の影響を受けやすい国々に対して補償金を支払うことにあると明かした。

昨年5月、エジプトは今年のサミットの開催国として、中立の調停者の役割に徹すると表明した。

他の国々が気候変動に関する公約に基づいて行動するよう求めると同時に、発展途上国世界の利益を促進していく方針だとあるエジプト政府高官はロイターに語っている。

「この特別な年にあって、中立の立場の維持、すべての参加者と等しい距離を置いていると感じられることが、作業を進める上で利益となります」とアブルマジド氏は述べた。