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イスラエルの極右キングメーカー、ベン-グヴィルが人種差別主義者のラビ追悼式展に参列

イスラエルの超国家主義議員イタマール・ベン-グヴィルが、イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領と次期政権に関する協議のため大統領官邸に到着した(2022年11月10日、エルサレム)。(ロイター)
イスラエルの超国家主義議員イタマール・ベン-グヴィルが、イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領と次期政権に関する協議のため大統領官邸に到着した(2022年11月10日、エルサレム)。(ロイター)
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11 Nov 2022 10:11:35 GMT9
11 Nov 2022 10:11:35 GMT9
  • ベン-グヴィルが「全アラブ人の追放を支持するものではない」、「ユダヤ人とアラブ人でビーチを分ける法律を制定することはない」と述べると、聴衆からはブーイングが沸き起こった。

エルサレム:先週の総選挙でベンヤミン・ネタニヤフ元首相の政権復帰を後押しした人気急上昇中のイスラエル極右議員が10日、1990年に暗殺された過激派ラビの追悼式典で熱い賛辞を贈った。

イタマル・ベン-グヴィル議員は、人種差別主義者のラビである故メイル・カハネを長年尊敬してきた。ユダヤ人とアラブ人の結婚禁止、パレスチナ人の大量追放というカハネの暴力的な反アラブ思想は、イスラエルからは議会への出入りを禁止され、米国からは党がテロ集団に指定されるほど反感を買っていた。カハネは、32年前にニューヨークでアラブ系の襲撃者に暗殺された。

ネタニヤフ派で2番目、国全体でも3番目の勢力として台頭する超国家主義政党「ユダヤの力」を率いるベン-グヴィルは、エルサレムでの追悼式典におけるスピーチでカハネを賞賛した。

「私が思うに、カハネの最大の特徴は愛であった。妥協することなく、脇目もふらず、イスラエルを愛したのだ」と彼は述べた。

一方で、ベン-グヴィルは政界入りして以降、より穏健派としての姿勢をアピールしており、10日には「今日、私がラビ・カハネでないことは周知の事実だ」とも述べている。しかし、イスラエルの批評家たちは、彼がカハネの追悼式典にいること自体が穏健派の姿勢を覆すものだとして、彼の転向の真摯さに疑問を投げかけている。

べン-グヴィルはもはや、自宅にバールーフ・ゴールドシュテインの肖像画を飾ることはない。バールーフ・ゴールドシュテインは、1993年にヘブロンの「族長たちの墓」でひざまずいて祈りを捧げていたパレスチナ人29人を射殺し、100人以上を負傷させたアメリカ系イスラエル人である。近年彼は、支持者たちに「アラブ人に死を」ではなく「テロリストに死を」と唱えるよう促している。

しかし、追悼式典の聴衆にはそれが通じなかった。ベン-グヴィルが「全アラブ人の追放を支持するものではない」と話すと、聴衆からはブーイングが沸き起こった。

彼は「ユダヤ人とアラブ人でビーチを分ける法律を制定することはない」と言う。「ただし、イスラエルのユダヤ人国家としての性格を守るため、そして入植地とそのユダヤ人としてのアイデンティティのため、テロリストの国外追放に向け、あらゆる行動をとることは確かだ」

ベン-グヴィルは、公の場ではカハネの最も過激な思想から注意深く距離を置いているが、アラブ系議員の国外追放、有罪判決を受けたテロリストへの死刑宣告、パレスチナ過激派と戦うイスラエル治安部隊への免責拡大などを要求している。

また、同党は占領下のヨルダン川西岸地区におけるパレスチナ人自治の廃止を望んでいる。先週の選挙で彼らが勝利したことで、自分たちの国家プロジェクトが打撃を受けたと捉えるパレスチナ人の間で不安が募っている。イスラエルは、1967年の中東戦争で、東エルサレム、ガザ地区とともにヨルダン川西岸を占領した。パレスチナ人は、彼らの独立国家のため、その領土を求めている。

イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領は今週、党首と協議を行い、数日中にネタニヤフ首相に連立の権限を与える見込みである。ネタニヤフ首相は、超正統派政党や超国家主義政党との連立により、イスラエル史上、最も右寄りな政権の舵取りをすることになる。

AP

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