Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • ナイフで3人を刺殺した10代のパレスチナ人少年、イスラエル軍に射殺される

ナイフで3人を刺殺した10代のパレスチナ人少年、イスラエル軍に射殺される

パレスチナ人がイスラエル人2人を殺害した現場を調査するイスラエルの科学捜査班。ヨルダン川西岸地区のアリエル工業団地。(AFP)
パレスチナ人がイスラエル人2人を殺害した現場を調査するイスラエルの科学捜査班。ヨルダン川西岸地区のアリエル工業団地。(AFP)
Short Url:
16 Nov 2022 04:11:37 GMT9
16 Nov 2022 04:11:37 GMT9
  • イスラエル情報筋によると、モハメド・ソウフ容疑者(19)は勤務地のアリエル入植地近くの工業団地とその近くのガソリンスタンドで複数の民間人を刺した
  • 事件の後、サルフィット市の北西の町ハリスにある同容疑者の自宅に武装部隊が強制捜査に入った。同容疑者に手を貸した疑いのある第二の人物の捜索が進行中だとしている

モハメッド・ナジブ

ラマッラー:15日にヨルダン川西岸地区でイスラエル人3人を刺殺した10代のパレスチナ人少年がイスラエル軍に射殺された。イスラエルの救護団体「マーゲン・ダビド公社」によると、同容疑者は他にイスラエル人3人に重傷を負わせた。

アリエル入植地の近くで発生した今回の襲撃事件を起こしたのは、サルフィット市の北西の町ハリスに住むモハメド・ソウフ容疑者(19)。事件の後、イスラエルの武装部隊が同容疑者の自宅に強制捜査に入った。同容疑者に手を貸した疑いのある第二の人物の捜索が進行中だとしている。

イスラエル情報筋によると、ソウフ容疑者はアリエル工業団地にあるテクノロジー企業インテルでの勤務許可を持っていた。同容疑者はこの工業団地の入り口で複数の民間人を刺した後、その近くのガソリンスタンドでも複数人を刺した。自動車で逃げようとしたが、高速道路で他の車に衝突した。襲撃は約20分間続いた。

先週には、ヨルダン川西岸地区の都市ナブルスで15歳のパレスチナ人少年がイスラエル兵らとの銃撃戦で死亡した一方、ジェニン近郊ではパレスチナ人男性がイスラエル軍に射殺された。

今年はパレスチナ人とイスラエル人の両方にとって、暴力事件による死者が2015年以来で最も多い年となっている。パレスチナ保健省によると、今年になってからパレスチナ人146人がイスラエル軍に殺害されている一方、イスラエル側でも民間人や治安部隊員24人が死亡している。

15日の襲撃に関しては今のところどのパレスチナ派閥も犯行声明を出していないが、一部の組織は事件を歓迎した。

ハマスのハゼム・カセム報道官は次のように述べた「ヨルダン川西岸地区で反抗的な若者がまた襲撃を行った。地区北部で奇襲攻撃を行い占領者を再び驚かせたのだ」

「今回の襲撃で、アル・アクサモスクを守るために、また占領者の犯罪に対抗するために、革命的な若者が祝福された反乱を続けていることが確認された。我が民族の目標が実現するまで革命の行進は続くのだ」

政党「パレスチナ・ナショナル・イニシアティブ」のムスタファ・バルグーティ事務局長はアラブニュースに対し、今回の襲撃は「イスラエルによる攻撃的な政策やパレスチナ人に対して犯してきた犯罪の直接の結果」であると語った。また、今年になってイスラエル軍に殺害されたパレスチナ人146人の中には45人の子供が含まれていたことを指摘した。

「これは、過激な人種差別主義者が選ばれたイスラエルの選挙結果に対する反応だ」と同事務局長は言った。「(イスラエルによる)弾圧や虐待はパレスチナ人の抵抗を止められないことを示している」

「イスラエルによるパレスチナ領土の占領を終わらせること以外に平和と平穏への道はない」

イスラエルのヤイール・ラピード首相は次のように述べた。「我々はIDF(イスラエル国防軍)、シンベット(国内治安機関)、治安部隊の全力を挙げて、容赦なくテロと闘っている」

「最近には広範なインフラや組織の解体に成功したが、この戦争は日々新たに遂行しなければならない。治安部隊はイスラエル市民を守るために24時間体制で活動し、あらゆる場所であらゆる時間にテロリストのインフラを攻撃している」

15日の襲撃の前日、パレスチナ自治政府は、ラマッラーの西の町ベイトゥニアで16歳の少女フラー・アル・マサルメさんがイスラエル兵らに射殺されたと発表した。彼女は兄弟と共に自動車で移動していた。その兄弟はその後治安部隊に逮捕された。EUとイギリスの当局はこの少女の死について直ちに調査を行うことを要求し、殺害に関与した者に責任を負わせるよう求めた。

IDFはヨルダン川西岸地区で、今年になってから数百人のパレスチナ人を拘束し、数十人を負傷させ、いくつかの家屋を破壊している。

一方、パレスチナ外務省は、パレスチナ系米国人でアルジャジーラ記者のシリーン・アブアクラ氏がイスラエルによる急襲作戦を取材中に殺害された5月11日の事件についての調査を開始するという米司法省の決定を歓迎した。パレスチナ自治政府は、イスラエル軍が故意に同氏を銃撃したと非難している。

同省は、「この決定は、遅れてなされたものではあるが、イスラエルによる真剣な調査が行われない中での米国の信念を反映したものである」としたうえで、イスラエルの姿勢は「犯罪者・殺人者をかばおうとする試み以外の何者でもない」と批判した。

15日には別の事件も発生した。ナブルスの南の村ブリン近郊で、イスラエル人入植者らがパレスチナ人の自動車を襲撃し石で損傷を与えたのだ。

15日のナイフ襲撃事件の後、この地域、特にサルフィット周辺で緊張が高まる中、入植者による襲撃がエスカレートするのではないかとパレスチナ人は心配している。

特に人気
オススメ

return to top