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パレスチナ人のいらだちがガザの停戦を脅かす

イスラエルとガザとの国境近くの、ガザ地区南部ラファの東で17日、抗議活動の一部としてイスラエル側に飛ばす物を準備しているパレスチナ人の男性。(AFP)
イスラエルとガザとの国境近くの、ガザ地区南部ラファの東で17日、抗議活動の一部としてイスラエル側に飛ばす物を準備しているパレスチナ人の男性。(AFP)
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20 Jan 2020 06:01:53 GMT9
20 Jan 2020 06:01:53 GMT9

Hazem Balousha

【ガザ】イスラエルとの暫定条約により得られたものが少ないことに不満を示した一部のパレスチナ人が、ガザ地区からイスラエルの領土へ風船爆弾を発射したことで、戦争が再開する可能性がある。

今回の攻撃についてパレスチナ各派からは公式な発表はないが、リターンマーチ委員会のメンバーであるTalal Abu Zarifa氏はそれが「単独行為」だったと述べた。

イスラエルによるガザ地区封鎖を緩めて、国境地帯でのデモを鎮める代わりに譲歩を引き出そうとエジプトが仲介し、ハマスとイスラエルの間に短期の協定を結んだ。

この協定には、ガザの海での漁業水域拡大、ガザ地区からの商品輸出量増加の許可、イスラエルが禁止してきたいくつかの原料の輸入許可が含まれていた。メディアの報道によると、長期の協定を結ぶため、ハマスとイスラエル間による追加の会談がカイロで最近開かれたが失敗に終わったとのことだ。

この会談は、12月に終了した協定の期間を6カ月間延長するためのものだったと、ハマスの指導者であるBassem Naim氏は述べた。

「長期の協定に向けた話し合いというのはメディアのゴシップに過ぎません。話し合いは、以前の合意を6ヶ月間延長することを中心に据えたものでした。これまでの合意事項についてイスラエルが履行したことには進展が見られません」とNaim氏は述べた。

さらに、「イスラエルは、合意をより良いものにすることなく期間を延長することの言い訳として、常に選挙を行っています」と言い添えた。

2018年10月の合意では2つの段階について交渉がまとまった。1つ目はガザ地区に特定施設を設置することで、2つ目は捕虜交換取引を伴うであろう長期休戦の後のイスラエル政府設立後に始めることだった。

政治学のMokhamar Abu Saada教授は、ガザ地区との国境地帯での緊張状態は、合意の履行がなかなか進まないことが原因だと思っている。

「以前のイスラエルでの選挙期間中に、ハマスと各派がイスラエルの施設をさらに手に入れようと緊張感を高めたことに、気が付きました。選挙期間中はイスラエルからの反応が限定されるだろうことを見越しての、イスラエル政府への圧力の形でした」とAbu Saada氏はアラブニュースに語った。

「ネタニヤフ首相は現時点では、イスラエルの選挙があるため、ハマスとの間で長期の協定を成立させることはできません。なぜなら、彼が望んでいるのはガザ地区を緊張感なく平静に保つことですが、それだけの能力を持ち合わせていないからです」と言い添えた。

マスコミは、ハマスとエジプトの間での緊迫状態が、最近のガザ地区での緊張状態の高まりを招いたと報じている。ハマスの最高指導者であるイスマイル・ハニヤ氏のメディアアドバイザーを務めるTaher Al-Nounou氏は、これを否定した。

彼は記者声明で「エジプトは地理的な位置によりパレスチナ問題に関して中心的な役割を担っているため、ハニヤ氏はこの協定と(エジプトとの)関係強化をことのほか重視しています」と述べた。

エジプトは昨年末、ハニヤ氏に対して2017年にハマスの最高指導者になってから初めて訪問を認めた。

匿名を希望したハマスの指導者はハニヤ氏がカセム・ソレイマニ氏の葬儀に参加するためテヘランを訪れたことにより、エジプトとハマスとの関係に緊張感が走ったと述べた。

「ハマスはエジプトに対し、ハニヤ氏はテヘランを訪問しないと約束していましたが、ソレイマニ氏の暗殺を受けて訪問する必要性に迫られ、その結果としてエジプトの怒りを買い、緊張感が増しました」と彼は述べた。

葬儀にハニヤ氏が参加したことを受け、イランと特にソレイマニ氏を巡るハマスの立ち位置について、パレスチナの団体で議論が巻き起こった。

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