• 革命防衛隊の予算は28％増加した
• 急激なインフレにより、現在、イラン国民の過半数が貧困ライン以下の生活をしている

アラブニュース

ロンドン：イラン政府はイラン革命防衛隊に数十億ドルをつぎ込む予定だ。抗議デモが起き、急激なインフレに見舞われ、経済が崩壊しつつある中、保安機構を強化しようとしている。

革命防衛隊には国家予算から、前年比28％増となる30億ドルが割り当てられた。「タイムズ」が報じた。しかし、実際の予算は170億ドルに上ると見積もっている専門家もいる。

全国的な抗議デモを武力で弾圧する役割を果たしている革命防衛隊は、違法な石油販売でも収入を得ており、レバノンのヒズボラやイエメンのフーシ派といった中東のテロ組織に資金を提供していることでも知られている。

イラン正規軍の予算は36％増の約12億2000万ドル、警察の予算は44％増の15億5000万ドルとなった。

情報省の予算は52％増の約5億ドル、刑務所の予算は55％増の2億3千万ドルとなった。

イラン人ジャーナリストのコロシュ・ジアバリ氏は、イラン国民は「予算の軍事化」を望んでいないと話した。

イラン統計センターによると、インフレ率は50％以上になっており、近年で最も高い水準にある。現在、イラン国民の過半数が貧困ライン以下の生活をしている。

イランの経済専門家、マルド・ソゴーム氏はタイムズにこう話した。「西側諸国が厳しい制裁を科したため、イラン政府は石油を値下げして売らざるを得なくなっている。中国は1バレル37ドル、現在の国際石油価格の半額ほどで買っており、イランが得る利益は1バレル当たり7ドルしかない」

イランは、カタールに次ぐ世界第2位のガス埋蔵量を有しているが、その莫大な富を最大限に活用する技術が不足している。真冬になると、イラン人は暖房を弱めろと言われる。

「ガスを採取するには、より大きなプラットフォームと巨大なポンプが必要だ」とソゴーム氏は話した。

「配電網も無駄を生んでいる。電力も含めて約40％のエネルギーが失われている」 

「家庭の暖房を確保するために工場の操業を停止しなければならなくなっている。先月、イラン政府は政府機関800カ所へのガス供給を削減し家庭にエネルギーを回した。大雪が降ったからだ」

「生産性を上げるために、イラン政府は約400億ドルの投資と欧米の技術を必要としている」

「こうした技術を持っているのは、トタルやエクソンといった欧米の企業だけだ。中国やロシアはこうした技術さえ持っていない。ロシアはこういうものをBPに頼っている。なので彼ら（イラン）はこのような外交政策を取り、欧米への敵意から抜け出せずにいる。カタールのように改善するための資金も技術もない」