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木に留められた行方不明の子どもの写真が地震の被災者捜索の悲痛を物語る

15日、シリアのジャブラで友人と話す72歳のガッサン・リハウィ氏(左下)。彼の家族が地震で壊れた家の中に立っている。(ロイター)
15日、シリアのジャブラで友人と話す72歳のガッサン・リハウィ氏(左下)。彼の家族が地震で壊れた家の中に立っている。(ロイター)
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16 Feb 2023 04:02:29 GMT9
16 Feb 2023 04:02:29 GMT9
  • 戦争が長期に及び、強制移住が続いたシリアに、震災で家族ががれきの下敷きになって孤児になった子どもたちが大勢いる。

ダマスカス/アンカラ:地震の被害を受けたトルコの都市カフラマンマラスで、木に近くのアパートに住んでいた子どもたちの写真が留められている。2人の消息は不明だ。

1枚は、ターコイズの肘掛け椅子に座ったオレンジ色のベビー服姿の赤ちゃんが微笑んでいる写真で、もう1枚はもう少し年長の少年がプールに手をかけて得意げにカメラを見つめている写真だ。

「この子たちの親は亡くなりました」と、被災者のバイラム・ナカール氏は言った。ナカール氏はマスクをした地元の男性たちと共に、ショベルがその木の後ろに重なる粉々のコンクリートとねじれた金属棒の巨大な山を片付けるのを待っていた。

少年たちの両親の遺体はまだがれきの下だという。「父親はアティラ・サリイルディスです。遺体はまだ見つかっていません。ショベルカーががれきを取り除いた後で見つかるとよいのですが」

がれきの下に10人の遺体があるはずだとナカール氏は言ったが、写真の子どもたちもそこにいるかは分からないという。

先週の地震によるトルコとシリアの死者数は合わせて41,000人を超え、凍てつくような冬の気温の中で何百万人もの人々が住居を失い、人道支援を必要としている。

震源地に近いカフラマンマラスのドローン映像には地震の爪痕が映し出されている。建物は平らにつぶれ、人々は街のスタジアムに設置されたテントへの避難を余儀なくされた。

その緊急の避難所では、フィールドに点在するテントと競技用トラックの間で子どもたちが遊び、食料を求める長い行列ができている。

「家に帰りたいです。あまりに悲惨な地震で、みんな途方もない苦痛を味わっています。生き延びた被災者はまだ怯えていますが、負けません」。現在テントで暮らしている地元の男性、アリ・セビク氏は言った。

別のテントでは、28歳のハティツェ・カヴァクダリ氏がグレーのテディベアをしっかりつかんでいた。

「どんな思いをしてきたか言葉では言い表せません。とても恐ろしかったですし、今でもその苦しみは消えません」とカヴァクダリ氏は言った。「私は地震のときに意識を失い、まだ完全に回復していません。家族のことも、どうやって家から出たのかも思い出せないでいます」

一方、地震に見舞われたシリア北西部の病院では、8歳のハナアさんが、近親者の中で生き残ったのが自分一人であることを知らないまま、家族の消息を尋ね続けている。

ハナアさんの父親、母親、4歳の妹は地震の犠牲になった。

戦争が長期に及び、強制移住が続いたシリアに、震災で家族ががれきの下敷きになって孤児になった子どもたちが大勢いる。

シリア北西部のイドリブ県にあるマーラト・ミスリン病院で、ハナアさんの叔父アブドラ・シェリフ氏は「あの子は父親、母親、妹のことを聞き続けています」と言った。

「私たちはまだ本当のことを話せないでいます」

ハナアさんは国境の町ハリムで倒壊した住宅のがれきの下に33時間閉じ込められ、救出後、約25キロメートル離れたこの病院に運ばれた。

バッセル・シュタイフ医師によると、搬送時は「重体」だったという。「がれきの下で食べ物も水もなく、天候も寒冷だったため、重度の脱水症状をきたしていました」

現在ハナアさんの容体は安定し、顔に傷を負っているにもかかわらず時折笑みも見せる。

だが、その左腕は地震で押しつぶされギプスをはめた状態で、シュタイフ医師はその治療にチームで全力を尽くしていると述べた。

「集中治療室から出て容体は安定しています。しかし、腕を切断しなければならないかもしれません」

バレンタインデーの風船でいっぱいの病室で、ハナアさんのそばには叔父が付き添っている。だが、家族の死を知れば症状が悪化するのではないかと彼は恐れている。

この地で少女を養育できるのは、祖父母と叔父だけだ。反体制派が支配する人口約400万人の街で、その多くは戦争で荒廃したシリアの他の地域から避難してきた人々である。

国連の児童機関ユニセフの広報官ジェームズ・エルダー氏によると、先週の地震でシリアだけで250万人、合わせて700万人以上の子どもたちが影響を受けた。

シリアの子どもたちは10年以上前に勃発した戦争のためにずっと悲劇の中にいる。そこに今回の震災は追い打ちをかけたとエルダー氏は述べた。

12歳未満の子どもは全員「紛争、暴力、強制移住しか知りません。中には6回、7回も移住させられている子どももいます」という。

「この子どもたちにとっては(中略)トラウマにトラウマが重なったようなものです」

ノルウェー難民評議会のサマ・ハディッド氏も、子どもたちは「ショックの大きさによる重大な心理的リスク」を負っていると警告した。

3歳のアルスラーン君は、35棟以上の建物が倒壊したハリムで住居がつぶれ、家族の中で一人生き残った。

叔父のエザット・ハムディ氏は、救助隊が3日間掘り続け、アルスラーン君の父親、母親、兄弟の遺体を見つけたのだと言った。

「父親の遺体は男の子を抱いていました」と30歳のハムディ氏は言い、母親の遺体はその2メートル先で見つかったと付け加えた。

以来、アルスラーン君は集中治療室でハムディ氏に見守られながら過ごしている。

サルマダの小児病院のオマール・アル・アリ医師は、「アルスラーン君の下半身はつぶれてしまっています」と言った。内臓も損傷を受けているという。

シリアの反体制派の地域で活動しているホワイト・ヘルメットのメンバー、オバダ・ジクラ氏は、地震から最初の数時間が最もつらかったと語った。

「子どもたちの叫び声とうめき声だけが響いていました」とジクラ氏は言い、救助隊が子どもの生存を確認するたびに喜びがあふれたことも付け加えた。「息がある子どもたちだけでなく、亡くなった子どもも大勢引っ張り出しました」

AFP/ロイター

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