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トルコの鳥愛好家、地震の後も鳥の世話をすると誓う

地震の前に働いていたアンタキヤのレストランの屋上で、鳥に餌を撒くムラト・グゼル氏。(AFP)
地震の前に働いていたアンタキヤのレストランの屋上で、鳥に餌を撒くムラト・グゼル氏。(AFP)
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19 Feb 2023 09:02:02 GMT9
19 Feb 2023 09:02:02 GMT9
  • 金網と木材でできた鳩小屋で、2羽の大きな白と茶色の鳥が巣を作り、棚には20羽以上が餌を待ちわびてとまっている

ムラト・グゼル氏は、トルコ南部の都市を破壊した地震の前に働いていたアンタキヤのレストランの屋上で、夕暮れ時になると鳥に餌を撒く。

40歳のグゼル氏が声をかけると、鳩を中心とした鳥の群れが、みすぼらしくて汚い鳥も、きれいで丸々とした鳥も、餌をついばんでいく。

「私たちは、子どもの世話と同じように鳥の世話をしていますし、これからも続けていきます」と彼は言う。

彼は先週のマグニチュード7.8の地震の後、110羽を故郷の村に連れ帰り、今は40羽をアンタキヤの旧市街の屋上で飼っている。

グゼル氏は鳥たちのために、地震で割れたジャムの瓶で埋め尽くされ瓦礫が散乱している食料庫の中を歩き、狭い階段を上って、トルコの昔ながらの集合住宅の屋上へとたどり着く。

金網と木材でできた鳩小屋で、2羽の大きな白と茶色の鳥が巣を作り、棚には20羽以上が餌を待ちわびてとまっている。

トルコ南東部とシリア北部で4万3千人以上の死者を出した地震の前、グゼル氏はアンタキヤの朝食レストランで料理人を務めており、その築300年の建物の中庭でオリーブやチーズを提供していた。

彼はアンタキヤで地震に巻き込まれ、「家には5人いましたが、5人とも無事でした」と述べた。

グゼル氏には9歳、15歳、17歳の3人の子どもがおり、末っ子のエレンさんは、父親の影響で鳥に興味が興味がある。

「私たちは毎朝、鳥たちのところに来て、餌をやったり毛づくろいをしたり病気の世話をしたりしています」とグゼル氏は言う。

鉄骨で補強され、外観上の損傷だけで済んだこの建物は、アンタキヤの歴史地区の中心にあり、破壊された住宅や企業に囲まれている。

グゼル氏は「ホワイトローズ」と名付けた雪色の鳩を優しく抱きかかえ、鳥が生きていくには健康な翼がいかに重要であるかを説明する。

近くでは、廃墟を掘る掘削機やショベルカーの音がする。

グゼル氏の父親も鳥愛好家だったが、グゼル氏が生まれてからはその趣味をやめてしまった。

トルコ南東部、特にクルド人社会では、鳩飼いが人気のある趣味で、鳩の糞はよくスイカの肥料に使われる。

グゼル氏と彼の兄弟は、グゼル氏がわずか15歳の時にお互いに鳥を贈り合い、それ以来コレクションを増やしてきた。「私たちの動物への愛は特別で、人間と同じくらい、いや、多分それ以上に動物が好きなのです」と彼は言う。

地震の後、いつも来ていた鳥が3、4羽いなくなったが、代わりに50羽の鳥がやってきた。恐らく飼い主が亡くなったのだろうと彼は推測している。

グゼル氏は当初、おもに伝書鳩に興味があったが、今ではさまざまな種類の鳩の世話をするようになった。「人間のように、とてもハンサムなのもいれば、とてもブサイクなのもいます」

塩コショウのようなあごひげを生やし、カイロとジャンパーを着用しているグゼル氏は、鳥と一緒に座っているとストレスが軽減されると語った。

AFP

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