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死者を出した無人機攻撃に対し、米がシリアで報復空爆

トルコ国境に近いシリアのハサカ県を巡回する米兵(2023年2月18日)。(Delil Souleiman / AFP)
トルコ国境に近いシリアのハサカ県を巡回する米兵(2023年2月18日)。(Delil Souleiman / AFP)
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24 Mar 2023 12:03:36 GMT9
24 Mar 2023 12:03:36 GMT9
  • 標的はイラン革命防衛隊の関連グループ

ワシントン:米国防省は、軍が23日夜にイラン寄りの組織に複数の空爆を行ったと発表した。これらの組織は、無人機による攻撃で米軍の契約業者1人を死亡、1人を負傷させ、5人の米兵を負傷させたとされる。

23日午後1時38分(グリニッジ標準時10時38分)頃、シリア北東部のハサカ付近にある、米を主体とした連合軍の基地が攻撃されたが、その報復として空爆が実施された。

米の情報コミュニティは無人機をイラン製と判断した、と軍は述べている。
ロイド・オースティン国防長官は、イラン革命防衛隊(IRGC)の関連組織が標的だったと述べている。

長官は「空爆は本日の攻撃を受けて、また、IRGC関連組織によるシリアでの連合軍への最近の攻撃への対応として実施された」との声明を出した。

同日の夜には、イラクと国境を接する戦略上重要な県であり、油田を擁するデリゾールでの爆発の映像とされるものがSNS上に出回った。

この地域はイラン寄りの武装組織とシリア軍が支配している。イランの供給路を狙ったとされる空爆がここ数か月続いており、イスラエルの関与が指摘されている。

アリー・ハメネイ最高指導者直属の軍事組織である革命防衛隊は、中東全域で爆弾を搭載した無人機を飛ばし、攻撃を仕掛けているとされる。最近、ロシアは侵攻の中でウクライナ全土においてイラン製無人機を使用している。イランはこれらの攻撃への関与を否定しているが、西側の国々や専門家は、無人機の部品とイラン政府とのつながりを見出している。

一連の攻撃や米国の対応は、緊張緩和を目指す地域の最近の努力を無にする可能性がある。サウジアラビアとイランは、お互いに大使館を再度設置する方向で動いている。

サウジはシリアの大使館の再開計画があることも認めている。シリアのバッシャール・アサド大統領は多くの国と問題を抱えているが、国内で長く続く内戦においてイランの支援を受けている。

今のところ、シリア国営のシリア・アラブ通信(SANA)からは攻撃を受けたとの報道はない。国連に派遣されているシリア代表団にコメントを求めたが、回答はなかった。

空爆は聖なるイスラムの断食期間であるラマダンの最中に実施されたが、イラン側は今のところ反応を示していない。国連に派遣されているイラン代表団にコメントを求めたが、回答はなかった。

カタールの国営通信社は、自国の外相と米国のジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)との電話会談について報じた。イラン政府の核開発を巡る緊張が高まる中、カタール政府はイランと米国との仲介役を買って出ている。

時を同じくして、カタール外相はイランのホセイン・アブドラヒアン外相とも会談した。

オースティン長官は、ジョー・バイデン大統領の指示で報復攻撃を許可したと述べている。

「バイデン大統領も名言していることだが、わが国は国民を守るために必要なあらゆる手段を取り、常にわれわれが選んだ場所と時間に対応する。いかなる組織も、わが軍を攻撃して罰を免れることはできない」

国防省は、負傷した隊員のうち2人がその場で手当を受け、他の3人と負傷した契約業者はイラクの医療施設に送られたと述べている。

ロイター/AP

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