Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter

科学者が、シリアの瓦礫を新しいコンクリートの建物に使用しても安全であることを証明

ケナン・チヴィさんとその家族は、2023年2月6日にトルコ南東部を襲ったマグニチュード7.8の地震の後、「私たちは戻ってくる」と書かれた破損した家の前に集った(3月28日、ハタイで)。 (AFP)
ケナン・チヴィさんとその家族は、2023年2月6日にトルコ南東部を襲ったマグニチュード7.8の地震の後、「私たちは戻ってくる」と書かれた破損した家の前に集った(3月28日、ハタイで)。 (AFP)
Short Url:
01 Apr 2023 01:04:31 GMT9
01 Apr 2023 01:04:31 GMT9
  • 英国、シリア、トルコの研究者が、国の再建にかかる費用を削減する、より環境に優しい方法を発見
  • シリアでは少なくとも13万棟の建物が紛争や 地震によって破壊されたと考えられている

アラブニュース

ロンドン:英国、シリア、トルコの科学者は、シリアの内戦で破壊された建物からリサイクルされたコンクリートの瓦礫が、新しいコンクリート建築に安全に使用できることを証明した。

これは、トルコと共に2月に大地震に襲われた同国は、推定4,000万トンのコンクリートの破片を、環境に優しく、費用対効果の高い方法で復興に役立てることができることを意味する。

科学者は、古いコンクリートを新しいコンクリートの骨材(岩石の小片)ミックスの半分まで取り込んでも、それが著しく弱まることはないことを証明した。

シリア北部の10カ所から集められた瓦礫を粉砕し、不純物をチェックしたものが、強度や腐食性ガスと水に対する耐性をテストする骨材ミックスに使用された。

すべてのテストに合格したことから、科学者らは、同じ基準を世界の他の地域のコンクリートの瓦礫に適用できると考えている。

アレッポのシャム大学のコンクリートの専門家であるアブドゥルカデル・ラシュワニ教授は、内戦中にトルコのガジアンテプへの避難を余儀なくされた。同氏は研究を行うために毎日シリアに戻っていた。

アレッポの建物の40%が過去10年間に破壊されたと考えられている。

「多くの人々が私たちの助けを必要としていたので、私たちはそこに行き、すべての悪い結果については忘れていた」と同氏は語った。「私たちは今、いくつかの地方議会に出かけ、将来のために何らかの計画を立てる手助けを始めるようになった。私たちは少なくとも、この地域をより安全にし、人々に希望を与えることができる。」

シリア全土で合わせて約13万棟の建物が破壊されたと考えられており、そのうちの70%は鉄筋コンクリートで作られている。建物だけでなく、今回の発見は、破損した道路など他のインフラの取り換えや補修にも利用できる可能性がある。

英国シェフィールド大学のセオドア・ハネイン博士は、このプロジェクトは「素晴らしい」ものであり、「状況を改善する」可能性があると述べている。

「悲しいことに、戦争によって多くの建物が破壊されてきたが、今度は、壊滅的な地震によって、国の北部地域ではさらに多くの建物が被害を受けたり破壊さてしまった。」

「人々は、破壊された場所を再建したいと望むだろう。(リサイクルは)原材料を運び込むのにかかる輸送を大幅に削減することができるが、通常はそこに最もコストがかかり、骨材が不足してくる。(シリアの)人々は今、基本的に何一つ持っていない。」

この研究は、『Journal of Materials in Civil Engineering』誌に発表された。

topics
特に人気
オススメ

return to top