• 国会での就任式に続き、アンカラの大統領宮殿で豪華な式典が行われる

アンカラ：経済的苦境が悪化するトルコで歴史的な決選投票に勝利し、過去20年間におよぶ統治をさらに5年間延長させたレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は3日、国家元首として就任宣誓を行う。

国会での就任式に続き、首都アンカラの大統領宮殿で豪華な式典が行われ、世界の指導者数十人が出席する。

トルコの変革的だが国民を二分する指導者であるエルドアン大統領は、5月28日に行われた決選投票で強力な野党連合に勝利した。経済危機や、5万人以上の死者を出した2月の大地震の後に受けた厳しい批判にもかかわらずである。

公式結果によると、エルドアン大統領の得票率は52.18%、世俗主義者の対立候補ケマル・クルチダルオール氏の得票率は47.82%だった。

トルコ史上最長期間指導者を務めているエルドアン大統領は、経済が減速し欧米との外交的緊張が高まる中、3期目に入っても喫緊かつ大きな課題に直面する。

BCAリサーチの地政学チーフストラテジストであるマット・ガートケン氏は、「地政学的な観点から言えば、独自の外交政策を追求するというトルコの姿勢は今回の選挙によって強化されるだろう」と指摘する。

「この政策の目的は、東側の強権諸国から最大限の経済的・戦略的利益を引き出しつつ、西側の民主諸国との関係が永久的に決裂するのを防ぐことだ」

「エルドアン大統領が新たな任期を得た今、その枠組みの中で西側との緊張が再び高まる可能性がある」

エルドアン大統領にとっては経済危機への対処が最初の優先事項になるだろう。トルコのインフレ率は43.70%に達しているが、その一因は同大統領が成長を刺激するために利下げを行うという非正統的な経済政策を取ったことだ。

エルドアン大統領は3日遅くに新内閣の顔ぶれを発表することになっている。メディアでは、国際的な名声と安定感があるメフメト・シムシェク元財務相が入閣する可能性があると予想されている。

かつてメリルリンチでエコノミストを務めたシムシェク氏は、エルドアン大統領の非正統的な経済政策に反対していることで知られる。

同氏は2009年から2015年まで財務相、その後2018年まで経済担当副首相を務めたが、同年に起こった一連のリラ暴落の前に退任した。

イスタンブールのカディル・ハス大学のアルプ・エリンク・イェルダン教授（経済学）は、「エルドアン政権は正統的な安定化政策を取るように思われる」と言う。

「現在、メフメト・シムシェク氏とそのチームに関するニュースは市場から熱狂的に歓迎されている」

トルコの新しい国会議員らは2日、5月14日の選挙以降初めて開催された国会で就任宣誓を開始した。エルドアン大統領も出席した。

同大統領の陣営は600議席の国会で過半数を確保している。

エルドアン大統領に敗れた野党連合トップのクルチダルオール氏が今後も共和人民党（CHP）党首に留まるかどうかは定かではない。

AFP