• イスラエル側は、犯罪者の住居を破壊することには懲罰と今後の犯罪の抑止の両面の効果があるとしている

ラマッラー：6月8日早く、イスラエル軍が占領下にあるヨルダン川西岸地区のパレスチナの都市ラマッラー内部であまり例のない急襲作戦を行った。軍によれば、テロ実行犯の住居を破壊するための作戦だという。

目撃者がロイターに語ったところでは、軍用車列が大挙してパレスチナ自治政府がある都市ラマッラー中心部に押し寄せ、これに呼応して数百人のパレスチナ人が集まった。

目撃者によると、パレスチナ人の若者の中にはイスラエル兵に向けて石を投げる者もいたが、イスラエル軍は群衆に実弾、スタングレネード（閃光発音筒）、催涙ガスを発射した。火が放たれたゴミ箱が路上に置かれて交通を遮り、救急車のサイレンが鳴り響いた。

パレスチナ保健省によると、少なくとも6人が病院に搬送されて治療を受けた。うち3人は銃撃による負傷者である。

イスラエル軍は、部隊がラマッラーで「昨年11月にエルサレムで爆弾による攻撃を行ったテロリストの住居を破壊するために」活動中だと発表した。

この事件では、2回の爆発でイスラエル系カナダ人の10代の若者を含む2人が犠牲となり、少なくとも14人が負傷した。警察は、市の出口に近い入植地に通じる交差点のバス停に仕掛けられた簡易爆弾が爆発したと発表した。

「パレスチナ闘士の住居の破壊は、占領当局のパレスチナ人に対する集団的懲罰に該当する行為で、戦争犯罪です」とパレスチナ自治政府のマフムード・アッバース大統領が率いるファタハのアブデル・ファッターハ・ドーラ氏は述べた。

イスラエル側は、犯罪者の住居を破壊することには懲罰と今後の犯罪の抑止の両面の効果があるとしている。

その数時間前、ハディ・アムル米国パレスチナ担当特使はパレスチナ自治政府の高官、フセイン・アル・シェイク氏と会談した。

昨年以降、ヨルダン川西岸地区（パレスチナが求める独立国家の版図の一部）では暴力行為が増加している。イスラエルは都市部でのパレスチナ人による攻撃が続く中、軍による急襲を強化している。

パレスチナ保健省によると、今年1月以降、少なくとも158人のパレスチナ人がイスラエルにより殺害された。イスラエル外務省の発表では、同じ期間にパレスチナ人による攻撃で20人のイスラエル人と2人の外国人が死亡した。

ロイター