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ディルイーヤの再開発は第一次サウード王国の比類なき繁栄を彷彿とさせる

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22 Feb 2023 03:02:21 GMT9

“ネジナジ”とは、何かを動かすことやひっくり返すことを意味するアラビア語である。意見について使われる場合には、確固とした粘り強さで説得に導くことを意味する。

サウジアラビアの歴史学者オスマン・ビン・ビシュルは、ディルイーヤの社会的側面を形容する際にその言葉を使った。ディルイーヤの泥の宮殿や、ヤシその他の木々が茂るワディ・ハニファを見渡すことのできるジャバル・アル・クラインの上に立った時、まるで絵のように美しい景色が眼の前に広がっているを見て、彼は感嘆したのだった。 

彼はこのように書いている。「私たちはイマーム・サウード・ビン・アブドルアジーズ時代のディルイーヤを見た。人々はたくさんの財産、黄金、銀の飾りのついた武器、サラブレッド種の馬、オマーンのラクダ、豪華な衣服、そうしたあらゆる贅沢に恵まれていた」

第一次サウード王国の時代を生きた彼は、18世紀のディルイーヤでは多くの取引がなされ、また季節品の市場での購買力が高かったことを強調した。彼はこう書いている。「生命力溢れる光景。ぶんぶん飛び回る蜂のようなネジナジの音、人々の売り買いする叫び声、そして川(ワディ・ハニファのこと)の東側と西側に列をなす店」

来たるディルイーヤ・ゲート・プロジェクトで歴史は繰り返すのか?過去の栄光を取り戻せるか?

バドラン・アル・ホナイヘン博士

イブン・ビシュルはディルイーヤにおける購買力の影響を強調した。第一次サウード王国時代には、市場での性差別はなく、男性も女性も同じように、指導者らの直接の監督のもと物を売り買いしていた、と彼は述べる。歴史上の首都であるディルイーヤでの生活の質によって、ディルイーヤ全体およびその近隣の家や店は需要が供給を上回り、その価格は大きな経済的影響を受けた。 

18世紀には、売りに出される家や店の数はとても少なかった。当時は珍しかった売出中の家を見つけてしまったら、それは直ちに7000リヤル相当のすさまじい額の負債を受けることを意味していた。店については、一つの店から得られる月々の賃貸料はおよそ45フランス・リヤルほど、これは23グラムの銀で作られたオーストリア通貨で、 現在の40サウジアラビア・リヤルに相当する。

高級衣服を扱うキャラバンは隣接する様々な文明からやってきて、ディルイーヤに着くと、その売上率は跳ね上がった。ディルイーヤで家を拡張しようとするとヤシやその他の種類の木が必要で、ヤシの木一本あたり45リヤルで買わなければならなかった。

ディルイーヤでは建築業の需要がとても高く、木材と木工工事にかかる費用は法外だった。家の多くは”マカシーア”、”マクスーラ”の複数形、として知られる宮殿ないし建造物で、定義上は、泥の邸宅より大きい建造物、という意味である。

イブン・ビシュルは次に、”ネジナジ”の経済的側面について議論する。それは人々の市場および周囲の地域への流入に反映され、そこで聞こえてくる住民および彼らが繰り返す会話の音は「高い山から流れ下ってゆく急流」に似ていたという。

18世紀におけるディルイーヤの購買力はどれほどのものだったのか?来たるディルイーヤ・プロジェクトで歴史は繰り返すのか?アラビア半島の住民は、外部の様々な種類の人々と同様、そこで初めて出会った人々であり、その人種の多様性は、ディルイーヤがアトゥライフの城々からの管理によってアラビア半島の各所にもたらした安全と統一を考えれば、驚くに値しない。

第一次サウード王国を自らの目で見た、サウジアラビアの信頼に足るソースであるイブン・バシュルは、ディルイーヤの購買力に関する記述の中で、ナジド地域に特有の人々の団結に広く反映されている、ディルイーヤの経済、社会、そして文化に関する過去について語っている。

これらの諸相は、ディルイーヤ・プロジェクトに追加された新しい要素ではなく、疑いの余地のない事実である。したがって、このプロジェクトは、売上、購買力、反映、そして生活の質で並ぶもののなかった時代の現実へと私たちを連れ戻すことを約束するものである。私たちはきっと、この”ネジナジ”と呼ばれる水準に戻ることであろうし、事実リヤドの人口は2030年までに1500万人を超える見込みだ。

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