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ジャフラ ガス田がやって来る

ガワール油田にあるサウジアラムコのハラズ ガスプラントはジャフラ ガス田の北東に位置する。(写真:サウジアラムコ)
ガワール油田にあるサウジアラムコのハラズ ガスプラントはジャフラ ガス田の北東に位置する。(写真:サウジアラムコ)
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23 Feb 2020 01:02:48 GMT9

サウジアラビアは東部州に巨大なジャフラ ガス田を開発することで、そのエネルギーミックスに別の次元を加えようとしている。サウジアラビアが1,100億ドルを投じて開発しているこのガス田は湿性ガスの生産を徐々に増加させ、全面的に完成すれば2036年までに生産量が2兆2,000億平方フィートに達すると期待されている。

このニュースはムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が議長を務める炭化水素上級委員会の会合開催中に入ってきた。王国最大の非従来型・非随伴型ガス田であるジャフラは年間国内総生産(GDP)に対して200億ドルの寄与となる他、86億ドルの年間純利益と数千人分の直接・間接的な雇用機会を生み出す。

湿性ガスの塩基組成は乾性天然ガスと同じだが、さらに別の成分も持つ。湿性ガスにはメタンと、エタンやブタンなどその他の液化天然ガスが約85%含まれている。それらの追加的な液状成分がガスを湿性にしているのだ。地域によってはしばしば乾性ガスよりも湿性ガスの方がたくさん発生する。それらは全てシェールの化学成分となり、そこからガスが抽出される。

このガス田は1日に約130,000バレルのエタンを生産する能力があり、現在の生産量の約40%分にもなる。また、石油化学産業に必要なガス液およびガス凝縮液の生産能力も1日に約500,000バレルあり、現在の生産量の約34%を占める。

そのおかげで、王国は世界で最も重要な石油生産国であるのに加え、最も重要なガス生産国の1つにもなる。サウジの再生可能エネルギー開発計画に加えてこのジャフラの開発が、国内のエネルギー消費のベストミックスを実現し、環境保護とその持続可能性における王国の実績を支援する。

皇太子は王国のビジョン2030改革プランに沿って、このガス田で生産するガスを工業・電気・塩水脱塩・鉱業などの国内産業分野へ優先的に配分するための明確な指示を出している。

この素晴らしい発表は世界のエネルギー市場全般、中でもとりわけ石油・ガス部門における王国の指導的立場と強い影響力をさらに強化することになる。

また、気候変動や持続可能で環境に優しいエネルギー源を重視する全ての新エネルギー計画とも一致するものとなる。

バジルM.K. アル・ガライニはBMGフィナンシャルグループの会長兼CEO。

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