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これまでの成果を、そしてこの先の可能性を見つめよう

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08 Mar 2020 05:03:59 GMT9
08 Mar 2020 05:03:59 GMT9

よく言われているように、あるストーリーが気に入らないのなら、より良いストーリーを語ればいい。

他地域の読者の中には、中東諸国の女性を抑圧されているものと表現する、メディアの語り口に慣れている人たちもいる。私は、UAE(アラブ首長国連邦)外務・国際協力省で戦略的コミュニケーションを受け持つディレクターとして、それを変えようと決意している。

私たちはより良いストーリーをより頻繁に、国際舞台で語るべきだ。国としての成果を明らかにし、そして女性の権利の分野で私たちの進展を加速させてくれる、パートナーを特定する必要がある。

この国際女性デーに私たちは、熟考の機会を与えられている。今日は、国家としてどれほどの道のりを歩んできたのかに想いを馳せ、そしてまた国連の言葉で言うなら、「それぞれの国や地域の歴史の中で並外れた貢献を果たしてきた、一般の女性たちによる勇気と決意ある行動を称える」日なのだ。

これに私は、類まれな女性たちへの、そして世界をより良く、より公平で、より安全な場所へするべく女性たちを励まし、力を与えてきた全ての人への、称賛を加えたいと思う。

間違いなく、UAEはジェンダー平等と女性のエンパワーメントにおいて世界をリードしている。働くエミラティ女性としての私の実績の多くが可能になったのは、UAEの経済的、政治的、社会的成功の中で女性が果たす極めて重要な役割を、政府が認めているためだ。

UAEはジェンダー平等と女性のエンパワーメントにおいて世界をリードしている。働くエミラティ女性としての私の実績の多くが可能になったのは、UAEの経済的、政治的、社会的成功の中で女性が果たす極めて重要な役割を、政府が認めているためだ。

ヘンド・アル=オタイバ

1971年の建国以来、エミラティ女性はUAEの急速な発展の中で、平等なパートナーとして認識されてきた。公的機関では、連邦国民評議会の50%、内閣の3分の1が女性だ。これは米国や英国よりも高い割合となる。そしてUAE政府の全ての役職に女性の役割を増やす任務を負う、ジェンダー・バランス・カウンシルが設置されている。

現在23,000人の働くエミラティ女性が、500億ディルハム(136億米ドル)を上回るプロジェクトを実施している。そして商工会議所役員の19パーセントが女性であるという点では、UAEは米国と肩を並べている。

UAEでは、女性が公職の66パーセントを占める。これは世界でも最高の比率の1つだ。そしてそれには、意思決定を担う最高幹部職の30パーセントが含まれる。教育と衛生の分野では、そのような職の75%を女性が占めている。

私が働く外務・国際協力省は嬉しいことに、外交業務での女性のエンパワーメントで国際リーダーボードのトップ付近にいる。2019年10月時点で、省内職員の49.5%が女性、そして3分の1近い外交官が女性だった。これは、ニューヨーク、オランダ、フィンランド、デンマーク、ドイツの国連ミッションなど、主要大使館の大使を含む。

大学出身者の3分の2近くは女性である(私たちの継続発展には極めて重要なことに、コンピューター科学の学生77%とエンジニアの学生44%を含む。これらは、西ヨーロッパや米国の数値の倍以上だ)。

この投資は、7月に発射が決まっているUAEの宇宙探査機、ホープ火星ミッションなどのベンチャーを通して成果を現しつつある。過去においては男性が多数を占めていた分野で、このミッションではチームメンバーの3分の1が女性であることを、私は誇らしく思う。ミッションの科学チームにおいては、その比率は80パーセントに上る。

建国の父であるシャィフ・ザイード・ビン=スルターン・アール=ナヒヤーンは、ジェンダー平等の重要性を、それが世界中で広まる何十年も前に認識していた。「社会の半分は女性である。発展を求めるどのような国も、彼女らを貧困や無学の中へ置き去りにすべきではない。」とシャィフ・ザイードは語った。

当時、富も発展も成しえていなかった国でこの言葉は発せられた。だが今、私は地球で最も豊かで教養があり、平和な国の1つで目覚めている。その国は国際女性デーを祝うだけでなく、女性の発展を記念するための独自の日を設けている。8月28日のエミラティ女性デーだ。

UAEは国として、ほんのわずかの間に女性のエンパワーメントを大きく進展させた。それを可能にした良好な協力関係を、私たちはさらに支持して未来に臨もうとしている。例えば、地域的にも世界的にも、女性のエンパワーメントにおける国連の役割をUAEが支援していることは言及の価値があるだろう。昨年ニューヨークで行われた国連総会で、UAEは国連女性機関(UN Women)をサポートするため今後3年間に1500万米ドルを貢献すると発表した。

また2021年までに、UAEはあらゆる対外援助で、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを重要な要素として取り入れる。これが政策となったことも強調できるだろう。

世界中で、女性のエンパワーメントにとって2020年が転換の年となることは疑いようがない。女性の無限の可能性を尊重する国で、私は暮らしている。そのことが誇らしい一方で、真のジェンダー平等に向けての継続的な前進で何を達成できるのか、そのいく末が楽しみだ。

ヘンド・アル=オタイバ氏は、UAE外務・国際協力省の戦略的コミュニケーション担当ディレクターである。

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