今年、サウジアラビアはMENA地域初のG20を主催し、女性のエンパワーメントを議長国としての中心に据えている。このコミットメントを念頭に、私たちチームは、G20での議論を通じて女性のエンパワーメントが全体的に考慮されるように努めている。

女性に権限を与え、機会へのアクセスを提供することが、持続可能な発展の重要な推進力であることを私たちは理解している。男女格差は世界経済に年間GDPの約15％の損失を与えていると推定されている。 MENA地域、そして世界的にも、女性が潜在能力を最大限に発揮するには、障壁がある。女性の労働力はMENA全体のわずか21パーセントである。過去10年間に労働参加の男女格差が半分に縮小されていた場合、この地域のGDP成長率は2倍になった可能性がある。未開発地域の可能性は顕著である。

女性に権限を与えることで、社会に力を与える。教師として、またリヤドのキングサウード大学の学部長として、私は女性の可能性を目の当たりにしてきた。私は、女性が機会にアクセスできたとき、自分自身、家族、そして社会全体のために何が成し遂げられるかを見てきた。私たちは、共に、障壁を破り、すべての女性が暮らし、働き、活躍できる状況を作り出すよう努力しなければならない。

女性のエンパワーメントは、私たち全てに関係するグローバルな課題である。経済的な国際協力の主要なフォーラムとして、G20は女性のエンパワーメントを促進するための顕著な措置を講じている。 G20の指導者たちは、2014年にブリスベンで、2025年までに労働市場への参加における男女格差を25％削減することを約束した。そして、2020年には、この目標の中間点においての進捗を調査する。2018年、G20は議題全体でジェンダー主流化戦略に焦点を当てた。そして2019年、G20はEMPOWERアライアンスを立上げ、民間部門の指導的立場への女性の進出を促進しようと努めた。サウジアラビアは、2020年にこの取り組みを進展させたことを誇りにしている。

女性に権限を与え、機会へのアクセスを提供することが、持続可能な発展の重要な推進力であることを私たちは理解している。女性に権限を与えることで、社会に力を与える。

Hala Altuwaijri

今年、「すべての人々のための21世紀の機会の実現」をテーマに、サウジアラビアG20議長国は3つの包括的な目標に焦点を当てる。人々に権限を与え、地球を守り、新しいフロンティアを形成する。 G20諸国は、労働参加、金融包摂、機会へのアクセスなど、女性の活躍を可能にする重要な実現要素に特に注意を向ける。たとえば、世界の9億8,000万人の女性は、基本的な銀行サービスを利用できない。

女性のエンパワーメントは私たちの共同責任である。サウジアラビアの「シェルパ」であるFahad Almubarakは次のように述べている。「G20は、現在および新たな問題を克服し、グローバルな課題に共に取り組み、世界をすべての人々にとってより良い場所にするために、世界に対して責任を負っています」。今年、G20は、女性のエンパワーメントを促進し続け、社会全体が、現在および将来の成長と革新の利益を共有できることを確かにするために団結して取り組む。

サウジアラビアでは、まだやるべきことがたくさんあるが、私たちは進歩している。ビジョン2030において、サウジアラビア社会のあらゆる分野への女性の参画を増やすために、急速な改革が実施されている。今年、世界銀行「女性・ビジネス・法律」2020年報告書は、サウジアラビアが最大の改善を遂げた国であることを強調している。

リヤドは、2020年11月にG20首脳会議を開催するだけでなく、2020年のアラブ女性の首都としても宣言された。私たちは新しい時代に乗りだし、アラブ女性の声が世界的舞台で重要な位置を占めるようになる。これは本当に歴史的な瞬間であり、刺激的な機会である。サウジアラビア、MENA地域、そして世界では、すべての人々にとってより明るい未来を築くために、女性へのエンパワーメントがこれまでと同様に重要である。

Hala Maziad Altuwaijri博士は、サウジアラビア家族問題評議会の事務局長であり、G20リヤドの女性のエンパワーメントチームの責任者である。