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ドルと石油が大荒れの市場を支配

COVID-19が大流行する中、ほとんど人気のないマンハッタンのタイムズスクエアを通り抜ける街路清掃人。2020年4月7日、米国ニューヨーク市。(ロイター)
COVID-19が大流行する中、ほとんど人気のないマンハッタンのタイムズスクエアを通り抜ける街路清掃人。2020年4月7日、米国ニューヨーク市。(ロイター)
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08 May 2020 11:05:04 GMT9
08 May 2020 11:05:04 GMT9

サウジ・リヤルのドルに対するペグはこれまで長い間、戦略的な選択として30年以上にわたり王国の経済成長に貢献してきた。

事実、大海原のように広がって世界を動かし続けている日々の石油取引を扱うことができる通貨は他に存在しない。

石油はドルで取引されるため、この通貨と商品は逆相関関係になる傾向がある。つまり、普通は反対方向に動くということだ。

私たちが現在経験している状況も含む過去の景気後退局面において、ドルは他の主要通貨に対し上昇した。

事実、COVID-19危機が始まった後、米国ドル指数は史上最高値近くまで上昇した。

この指数は世界の上位6通貨のバスケットと比較したドルの価値を評価している。

原油価格の評価に寄与する主な要因は、需給バランスと投機マネーの動きである。

ファイサル・フェイク

2016年末には米国金利が上昇し、この通貨を14年ぶりの最高値レベルまで押し上げる助けとなった。期待されていたのは、堅調なドルが石油価格を押し下げるだろうということだったかもしれない。しかしそれに反して、価格は安定していた。市場がOPEC+の減産開始により注目したためだ。

それは、1986年のシナリオとは反対だった。当時の石油価格はドルが再び上昇したことで、1バレルあたり10ドルまで押し下げられた。

1985年11月には1バレル31.72ドルだった価格は1986年3月に1バレル10.42ドルまで暴落した。これは、2020年4月20日に起きた最近の価格崩壊以前における、史上最安値水準の1つだった。

原油価格の評価に寄与する主な要因は、需給バランスと投機マネーの動きである。

また、ドル下落の背後にある主な原動力が米国の巨大な貿易赤字であることも明白だ。

米国の赤字が増えるにつれ、米国企業の借入金も増加してきた。

過去であれば、政策対応は金利を引き上げてより多くの資本を米国への投資と米国債に引き入れることだったかもしれない。

しかし、現在の米国経済はコロナウイルスの拡散と数百万人の失業者でひずみを抱えており、政策課題は大きい。そしてこのことが、商品と通貨の両方にとって興味深い時代を生み出している。

  • ファイサル・フェイクはエネルギーおよび石油マーケティングアドバイザーである。以前はOPECとサウジアラムコに勤めていた。Twitter:@faisalfaeq
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