イランはホルムズ海峡の主権を認めるよう求めている。戦争を終結させ、ドナルド・トランプ大統領に勝利をもたらす特効薬がないため、米国が窮地に追い込まれていることを知っているからだ。特にトランプ大統領が手を引いて停戦を延長した後、テヘランは自分たちが運転席に座っていると感じている。しかし、ホルムズ海峡の領有権主張に象徴されるこの力の誇示は逆効果であり、結局は自国を傷つけることになるため、イランは注意すべきである。
イランはホルムズ海峡を無期限に支配し、通過する船舶から通行料を徴収したいと考えている。専門家の中には、トルコがボスポラス海峡を通過する船舶に料金を課すのと同じ方法で、イランはお金を徴収できると主張する者もいる。しかし、ホルムズ海峡はイランとオマーンという2つの国を隔てている点が異なる。その意味では、フランスとイギリスの間にあるドーバー海峡に似ている。しかし、本題はこの主張の合法性ではなく、むしろアラブ湾岸近隣諸国を前にしたイランの力の誇示である。
イラン政府は、自らのためにも、その要求とシナリオを言い換えるべきだ。近隣諸国と良好な関係を築くことはイランの利益である。テヘランは、アラブ湾岸近隣諸国との友好関係を求めていると述べている。また、アメリカの存在を脅威とみなしているため、アメリカ軍の撤退も望んでいる。
最悪の政策とは、思い上がりによるものだ。現在のホルムズ海峡をめぐる領有権主張は、この部類に入る。
ダニア・コレイラット・ハティブ博士
アラブ湾岸諸国は、イランからの脅威を感じている限り、アメリカに退去を求めることはないだろう。この点で、イランは近隣諸国に対して謙虚さを示し、保証を与えることが得策である。イランの政治家たちによるこれまでの主張(テヘランがアラブの4つの首都を支配しているという自慢など)は、好戦的な隣国を封じ込めるためにはアメリカの支援が必要だというアラブ湾岸の認識を強めただけだ。最悪の政策とは、思い上がりによるものだ。現在のホルムズ海峡をめぐる領有権主張もこの部類に入る。
イランの主張は、アメリカの利益のために設定されたものでさえある。アラビア湾をイランから遠ざけ、ワシントンに接近させる。イランは覇権を狙っており、それを阻止できるのはアメリカのプレゼンスと武器だけだというアメリカのシナリオを強制することになる。
アメリカは当初、ずる賢くイランの主張を受け入れるふりをするかもしれない。イランはそのようなハッタリを信じないように注意すべきである。トランプが「私とアヤトラは」「共同で」ホルムズ海峡を支配する、などと言うとき、イラン人はこれがイランの民族的誇りを誇示する策略にすぎないことを理解すべきだ。アメリカは、アラブ湾岸諸国に圧力をかけるために、ホルムズ海峡をめぐるイランの主張を利用するだろう。アラブ湾岸諸国に対するアメリカのアプローチは次のようなものだろう:アラブ湾岸諸国がそれでいいなら、米国はイランの湾岸支配を我慢できる。ホルムズ海峡の領有権主張は、イランの覇権主義的野心に関しては氷山の一角にすぎない。
アラブ湾岸諸国がこれまで以上にアメリカに執着することは間違いない。イランは、アラブの近隣諸国に対しては、好戦的な革命家風の語り口は逆効果だということを、もう学んでいるはずだ。イランが近隣諸国を相手にするとき、より冷静で融和的な口調をとればとるほど、イランのメッセージはより効果的になる。
隣国と接するときに、より慎重で融和的な口調を採用すればするほど、そのメッセージングはより効果的なものとなる。
ダニア・コレイラット・ハティブ博士
米国はアラブ湾岸諸国がイランと対峙することを望んでいる。そうすれば、米国はイランとの戦いから撤退し、湾岸諸国の同盟国に武器を売ることができる。これまでのところ、湾岸諸国はこの弾丸をかわすことができている。とはいえ、イランに主権を譲るつもりはない。したがって、イランが自分たちに対して支配力を行使しようとしていると感じれば、中立の立場を変える可能性が高い。アメリカの圧力に屈し、イランに対して攻撃的な姿勢をとれば、アメリカは間違いなく立場を変えるだろう。
イランはシナリオを変更し、戦後の段階では、近隣諸国と方法と期限について合意した上で、復興支援のために通行料を徴収することを求めると言うべきである。また、戦争終結が最終的に決まれば、イスラム協力機構主催の会議を招集し、ホルムズ海峡の管理と地域の安全保障体制について話し合うと表明すべきである。また、新たな枠組みは、いかなる国家や民族もこのシステムを支配しないことを保証するものであることを強調すべきである。
ホルムズ海峡から徴収される通行料は、年間約100億ドルに相当する。アラブ湾岸諸国を動揺させるのはこの金額ではなく、むしろこの課税の重要性である。彼らにとって、これは受け入れがたい覇権行為なのだ。1979年のイラン革命以来、ルホラ・ホメイニ師がアラブの「アメリカの支援を受けた」支配者の打倒とイスラム革命の概念の輸出を呼びかけたのを皮切りに、テヘランの指導部は近隣諸国に対して好戦的な論調をとってきた。この好戦的な口調はアリ・ハメネイの時代も続いた。
イランは、近隣諸国がイランを脅威とみなす限り、良好な関係を築けないことを理解する必要がある。近隣諸国がイランを脅威とみなす限り、イランは自国の安全を守るためにヘゲモニーの助けを求めるだろう。イランが脅威とみなされなくなるための第一歩は、好戦的な言説と力の誇示をやめることである。