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シェールは未だ、OPECの生産高戦略に挑戦するのか?

27 Nov 2019 06:11:38 GMT9

米国のシェール生産者らは2年連続で支出を削減しており、それはシェールの中長期的回復力に疑問をもたらしている。彼らは、バレル当り50米ドルというWTIの主要損益分岐点維持に苦しんでいるのだ。

石油業界はかつて、これをはるかに下回る水準でのシェールの水圧粉砕に収益性があると信じていた。だが現在、WTIがバレル当り50米ドル以上だったとしても、セクター内での多数の倒産に関して石油の低価格が非難されている。

米国における最新の石油掘削装置数は、昨年同時期から215台減の671となっている。

ベーカー・ヒューズのつい最近の数値では、その最も著しい減少はバーミアン盆地で見られる。米国シェールオイルの生産高の伸びにおいて、最も重要な場所だ。停滞した資本市場や好戦的な投資家と企業らが苦戦する中で今、この成長が脅かされている。米国シェールオイル業界にとって最大のテーマとして残るのは、費用構造の改善だ。

米国シェールオイル成長度合いの主な計算がより困難になった理由の一つは、2018年に達成された急成長だ。現存する油井の減少率が上昇し、生産高の伸びは、より高いベース全体へが当てはめられることを意味した。

一部のシェール生産者は、2018年10月の価格上昇時に資本支出を引き上げた。だが急な回復は長く続かなかった。石油価格は2ヶ月後に再び落ち込み、今年現時点でのWTI平均はおよそ57米ドルだ。

そのような水準では、現段階で輸出能力の拡大を決定するのは困難と思われる。

実際に米国のシェール生産者らが来年、今年度と比較して13から15パーセント資本支出を減らすというのが本当であれば、セクターの展望は特に厳しいものとなる。

国際エネルギー機関(IEA)とOPECが2020年の米国石油生産高に100万BPD以上の成長を見込んでいるとしても、同業界の全盛期は、すっかり終わってしまった様子だ。

この数値は、米国エネルギー情報局(EIA)とも一致している。EIAは未だ、今年の原油生産が130万BPD上昇して平均で1,230万BPDへ、そして2020年にはさらに100万BPDとなることを予測している。

米国シェールオイルは過去、生産高の伸びに関して何度も期待を裏切ってきた。そのことが、懐疑派を混乱させている。

だが同業界の真の試練は、9月14日のサウジアラムコ攻撃の後に訪れた。供給の隙間を埋めるという役割を米国のシェールオイルが果たせるか、業界が見守った時だ。

世界最大の石油処理施設が攻撃された直後、原油供給には大幅な値上がりが生じた。特にアジアの精製業者からの需要は高騰した。

現物市場内の全ての在庫に高価格が付けられた中、米国のシェールオイル貨物は例外となり大幅な値引き価格のまま販売された。米国のシェールオイルに対する需要はほとんど変わることがなかったのだ。その出来事が、自らの行く末を物語っている。

ファイサル・フェイクは、エネルギーと石油のマーケティングアドバイザー。OPECとサウジアラムコ元職員。ツイッター:@faisalfaeq

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