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先駆的な女性たちが、テック業界の未来を担う

2018年8月1日、サウジアラビアのジェッダで開催されたハッカソンに参加したサウジアラビア人女性などの参加者。(AFP)
2018年8月1日、サウジアラビアのジェッダで開催されたハッカソンに参加したサウジアラビア人女性などの参加者。(AFP)
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08 Mar 2022 08:03:03 GMT9
08 Mar 2022 08:03:03 GMT9

テック業界は伝統的に男性優位の業界だ。この原因は、この業界が常に男性によってリードされてきたからであって、有能な女性が不足している訳ではないことは間違いない。

女性として私たちが認めざるを得ないのは、若い頃に親や先生の影響を受けてテックやITの道に進むということは非常に稀だということだ。つまり、大人になり、社会というものに触れる機会が増えるにつれて、形成期においてこの業界に触れる機会が少なかったために、しばしばこの業界で予期せぬ事態に遭遇するということがよくある。

個人的な見解だが、「男の世界」で女性であることが苦になったことは一度もない。とはいえ、私が接する主要な意思決定者の大半が男性であることは、周知の事実だ。しかし、クリエイティブでエモーショナルな見地から言うと、女性がこの業界に多くのものをもたらしていることは否定できないと思っている。

女性は生まれながらに繊細であり、相手のニーズをよりよく認識する傾向がある。私がよく考えるのは、例えば男性のエンジニアで構成されるチームでは、どんな仕事であれ「接着剤」の役割を果たす女性がいれば必ず役に立つということだ。

カスペルスキー社(Kaspersky)のレポートによると、企業のITやテック部門で上級職として働く女性の数は過去2年間で増加している。

今必要なのは、この変化のペースを加速させ、地域のテック系企業がジェンダー・ダイバーシティを優先事項として掲げることだ。中東でこのようなことが起きているというのは良いニュースだ。

しかし、今日の女性は、1年前よりも重い負担を背負っている。多くの人が、パンデミックによって予想以上に増加した家事や育児に対する責任とキャリアとのバランスを取るのに苦労していた。このような差し迫った状況の中、テック業界にいる女性たちはこれまで以上に助けを求めている。

450人以上のテック系社員(うち66%は女性)を調査した「TrustRadius 2021 Women in Tech Report」によると、テック業界にいる女性が挙げた主な懸念は、自分の価値を示すために男性以上に努力する必要があるということだった。また、2021年にはIT業界の女性の39%が、男女差別が進歩の妨げになると感じていることもわかった。

私たちは前に進みながら、大きな成果を上げている。例えば、アラブ首長国連邦(UAE)では23,000人のビジネスウーマンが500億ディルハム(136億ドル)を超える規模のプロジェクトを運営している。

サウジアラビアでは、IT分野への女性の参画率が 2017年の11%から2021年には24%に上昇し、シリコンバレーよりも8%高くなっている。

これは、ほんの数年前までは不可能と思われていたことであり、私自身、この業界に身を置きながら、このようなことが起こるのを目にしてとても誇りに思う。

サウジアラビアの大学では、科学、テクノロジー、工学、数学の科目を履修する女性が驚くほど多くなっている。この増加は、サウジアラビア中の女性がさまざまなキャリアパスを模索するのを後押ししてくれる。

G20女性エンパワーメントチームの代表であるハラ・アルトゥワイジュリ博士は、サウジアラビアには3つの中心的な焦点(人間のエンパワーメント、地球の持続可能性、新たな地平を切り開くこと)があるが、その中でも女性のエンパワーメントは核となるものだと述べた。

「最近、女性をトレーニングするために支出する金額が急増した結果、サウジアラビアの女性は現在、デジタル起業家の40%を占めています」とトゥワイジュリ博士は述べた。この増加は、サウジアラビアの凄まじい成長レベルを示している。

サウジアラビアは、労働市場への女性の参加を増やすことを目指しており、サウジアラビア通信・情報技術省は、この分野における女性の役割を強化する方法について戦略を立てている。

同省は、通信・IT分野における女性の地位向上に向けた統合プログラムを開発している。

サウジアラビアのテック業界をリードする女性、ディーマハ氏はすでに、同省が支援する取り組みの構築に足を踏み入れている。『Women Spark』の取り組みは、無数の若い女性がテック業界で成功するために必要なスキルを身につけることを支援してきた。このような取り組みが始まれば、女性がより早く成功する可能性は高くなる。

IT分野の女性の卒業生には、計り知れない才能がある。昨年は、サウジアラビアのIT分野の卒業生の64パーセントが女性だった。

サウジアラビアは若い女性にテクノロジーを学ぶことを奨励しているが、彼女たちが継続してこの分野でキャリアを積んでいくかが主な問題になっている。多くの女性がこの分野を学んでいるが、卒業するとその分野から遠ざかってしまう。

STEM(科学、テクノロジー、工学、数学)に携わる女性がいないことは、多くの国で最も懸念されていることだ。国連によると、アラブ諸国では、STEMの卒業生のうち34~57%が女性だ。

サウジアラビアでは、コンピュータサイエンスのコースに在籍する学生の59パーセントが女性だが、イギリスとアメリカではそれぞれ16パーセントと14パーセントとなっている。しかし、多くの女性がSTEMコースに在籍しているにもかかわらず、中東は他の地域よりはるかに良い結果を出している。

2017年には、中東におけるサイバーセキュリティ人材のうち、わずか11パーセントが女性だった。現在、この数字は約20パーセントに増加していると、近日開催される「Gulf(アラビア湾岸諸国)情報セキュリティExpo・会議」の複数の登壇者が述べている。

IT業界における女性というテーマへの関心が高まる中、私は最近、希望と笑顔を与えてくれるいくつかの統計情報を見つけた。

ソーシャルメディア上で行われたサウジアラビア教育省の調査によると、サウジアラビアの少女の80パーセントがSTEMの勉強に興味を持ち、サウジアラビアの理系卒業生の60パーセントが女性で、アラブ諸国におけるスタートアップの3分の1は女性が社長か、または創業者ということだ。

中東で、これまで男性主導だった業界に女性の人材が増えていくのは、本当に喜ばしいことだ。今後数年間、これが私たちをどこへ導いてくれるのか、楽しみだ。私は、女性がもたらしてくれるものはたくさんあると信じているし、この分野の未来の女性リーダーに会えるのを楽しみにしている。

  • シハム・ベーラチェド氏は、エマキナ・カタール(Emakina Qatar)のマネージング・ディレクターである
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