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革命の目的をイランに見直させるべき

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20 Feb 2020 09:02:35 GMT9

イランは40年前、ひとつの計画を唱えた。テロ革命の輸出だ。おかげで今では、テロを支援し資金を供給する国家として世界に冠たる地位を得た。爾来、地域および世界全体の安全安定に仇なす存在ともなっているのだ。

イランによるテロ行為は日ごと増大している。イランのためとしてアラブ国家の4つの首都を掌握するなど、地域でもろもろの悪事を働くテロリスト民兵をみずからの便益のために武装させたりなどしているのだからなおさらだ。この地域におけるイランによる戦争やテロはこうした民兵が首魁となっている。米国は近ごろこのことを理解し、イランの国外作戦を統括していたガーセム・ソレイマニ司令官を標的とし、退場させた。この地域でイラン政府が実行しているテロ行為、そしてそれが米国や世界の利益にとって脅威であることの答えが、米国によるこの快挙であることは疑いない。世界から毀誉褒貶の反応があったのはもっともなことだ。このことから、イランによるテロを誰が支持し誰が反対しているのかは白日の下にさらされている。

ソレイマニ氏が死んだことでイラン政府およびその配下の各地民兵にも何らかの反応はあることだろう。同氏の弔い合戦としてテロ作戦の実行もありうる。

イランにはみずからと直接イデオロギーの相通じる民兵組織が各地にある。例えばそれはヒズボラやフーシ派、イラクの民兵組織、また現在シリアを埋めつくす勢力もそうだ。また直接ではないがつながる組織もあり、アルカイダや「イスラム国」は地域や米国への敵意では共通し、イランと多くの目標を共有している。したがって、イランは直接的に自分たちのためになるテロ行為をまずは実行し、ソレイマニ氏の担っていた仕事については調整のうえ実行させるだろう。この地域でソレイマニ氏の代わりが務まる者といえばヒズボラ指導者のハッサン・ナスラッラー師だ。

経済制裁や核合意の破棄、弾道ミサイル実験などといった懸案処理にあたって、イスラム指導者らが一息つき、隊列を整えなおすうえで、ナスラッラー師はイラン政府としてはもってこいの人物だ。イランの脅威はこの地域全体をさまざまな姿で覆っている。イランは、その政権とテロの野望がくじかれぬかぎり、さらなる戦火の拡大といっそうの核兵器拡散を期している。

イランの脅威に取り組み、イラン政府にみずからの行動を千慮させその強気をくじくには、3つの方法がある。

ハムダーン・アッ=シェフリー博士

イランの脅威を阻止できるかは、地域で影響力をもつ諸国、それから米国のような世界の主要国の出方次第となる。この点、トランプ政権の船出以降、われわれは米政府の支持を痛感している。同政権はイランによるテロに真摯に立ち向かっている。それはひとりソレイマニ氏の排除だけにとどまらず、イラン革命防衛隊やヒズボラといったテロ民兵組織を「テロ組織」と指定したことにもあらわれている。

イランの脅威に対処しこれを取り除くうえで3つの重要な方法がある。ひとつはイラン国内からするものだ。これには、武力で国民を支配下に置いてきた不義の政権を排斥することを日々望み、2009年以来デモ活動の停止を拒みつづけているイラン国民の支持を取り付けることが必要だ。もし市民の力でイラン国内の均衡が破られれば、イラン憲法を改正し革命の輸出やテロ行為の支持を中止させることもできるのだからこれは甚大な重要性をもつ。さらには新たな核合意を締結し、弾道兵器の脅威を取り除き、共通の利益・安全・平和に資する原則の上に立って世界諸国との関係を正常化させる、といったことにもつながりうる。

第2の方法は、イランの覇権拡大政策を打破し、イランの息のかかった民兵組織が力を得ているイラクやレバノンやシリアやイエメンといった国々すべてから親イラン勢力を追い出してしまうことだ。ソレイマニ氏を亡き者にしたことはそれ自体無視できぬことだが、であってもなお、各地でイラン代理勢力は影響力を及ぼしているし任務を遂行しているのであるからまだまだ第一歩なのだ。危険はなおそこにありつづけている。

最後に、イランの軍事組織は無力化する必要があるし、イラン政府には金融規制を課す必要があるし、テロ民兵組織の関係者には法の裁きを受けさせる必要がある。ここまですれば、イラン政府も千回くらいは自省しその固陋ぶりも緩むこともあろう。イスラム指導者らもおのれの政策を見つめなおし、革命の輸出などどだい無理なのだと考える端緒となるかもしれない。

そもそも、イランが革命の輸出などと考えたために、この地域のさまざまな問題の多くが生まれた。平和と安全に関心あるあらゆる国々は、イラン革命を葬り去るべきだ。

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