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ラガルドはもっともなことを言っている…しかしヒズボラは耳を傾けて いるか?

11 Feb 2019 08:02:31 GMT9

今年の国際的な会議のシーズンは、干上がってしまった感がある。アルゼンチンでのG20会合ではほとんどの世界のリーダーはうまく折り合いを付けられず、また今年のダボス会議は閑散としたものだった。米国政府が閉鎖されたためトランプ大統領は欠席、ブレグジットのためテレザ・メイは英国に残り、マクロン大統領はパリでイエローベストの対応に追われた。プーチン大統領はロシアに、エルドアン大統領はトルコにとどまり、パキスタンのイムラン・カーン首相はキャンセル、招待されたほとんどのアラブ諸国のリーダーも同様である。

もちろんこうしたフォーラムは通常は世界情勢を反映したものとなり、現在の情勢はこれ以上悲惨なものはないといった状況にある。戦争、貧困、失業、病気に加え、リーダーシップが欠如し、狭量な心を持った政治が急増している。なかでもトランプ大統領の一般教書演説に応えてナンシー・ペロシ下院議長が送った皮肉な拍手よりも良い例は他にはないだろう。こうした子供じみた行為は、大衆に訴え、票を獲得し、即座に喜びを与えるかもしれない...しかし、満足は長くは続かない。

ブレグジットを例にとろう。2016年の国民投票で「離脱」に投票した人の中には、サッカーのフーリガンのように勝利を祝った人いたが、英国は今、かつてないレベルで不確実性に直面している。経済はほぼ停滞し、大企業や金融機関は移転を検討している(預金、税金そして職を道連れにして)。またインデペンデント紙によると上昇している数少ない指標の1つは、抗うつ薬の処方箋の数だという。

これが、ドバイの世界政府サミットでの日曜日の最も重要なセッションの1つが「ウェルビーイング:GDPを越えて」教訓:政策決定にウェルビーイングを組み込むための実際的な取り組みが必要、であった理由だ。

ハリーリーは例を引き合いに出す。ヒズボラの大臣を含む内閣を率いる際、同氏はヒズボラと協力するだけでなく、2005年に父親のラフィクを暗殺したとして非難されている同党に信頼を寄せているという。

国際通貨基金のクリスティーン・ラガルド専務理事による貢献も洞察力に富んでおり、グローバルな意思決定者による「共通の利益のための政治的決定」と同氏が説明するものなしには、何が私たちに降りかかってくるかわからないと警告した。

それぞれの地域の地政学的な緊張以外にも、世界経済を暗くする4つの雲についてラガルドは言及した。貿易摩擦、金融引き締め、ブレグジットの不確実性、中国の予想外の減速である。「多くの雲が存在しており、落雷が1つあれば嵐を引き起こすだろう」と同氏は警告している。

ラガルドに引き続き、レバノンのサアド・ハリーリー首相が登壇した。ハリーリーは国内的な課題への対応に追われてきた。それは主として、イランの支援を受けたヒズボラが自らの利益(それは必ずしもレバノン全体のものとは一致しない)を確保しようとして9か月間にわたり彼が政府を組織するのを妨げてきたことだ。

それにもかかわらずハリーリーはかなりの自信を表明した。今やレバノンのすべての政党が、これが経済を救う最後のチャンスであると認識していると同氏は信じている。それはある意味では、ラガルドのテーマであった「共通の利益のための政治的決定」をレバノンが行ったということをほのめかすものであった。

ハリーリーは例を引き合いに出す。ヒズボラの大臣を含む内閣を率いる際、同氏はヒズボラと協力するだけでなく、2005年に父親のラフィクを暗殺したとして非難されている同党に信頼を寄せているという。

ハリーリーはまた、レバノンの農業や観光などの分野を再活性化するための多くの改革を行うことを約束した。これはもちろん素晴らしいニュースではあるが、疑問が残る。ヒズボラは最終的にハリーリーの言うことに耳を傾けるだろうか、またラガルドの言葉を理解するだろうか?

  • Faisal J. AbbasはArab Newsの編集長

Twitter: @FaisalJAbbas

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