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テロに人種、宗教、性別が関係ないことを証明したクライストチャーチ虐殺事件

15 Mar 2019 10:03:04 GMT9

テロリストがクライストチャーチで2か所のモスクを襲い50人を殺害し、世界に衝撃と怒りを与えたのは、ジャシンダ・アーダーン首相の言葉通り、はまさに「ニュージーランドの歴史に残る暗い日」となった。 

クライストチャーチ虐殺事件虐殺事件から、私たちは悲しくも多くのことに気付かされた。まず、平和な国として知られるニュージーランドですら、テロという暗い道を選ぶ気の狂った邪悪な人間の行為から免れる国はないということだ。 

次に、テロに人種、性別、宗教は関係ないということ。言い換えれば、ニュージーランドのモスク襲撃で逮捕された、非イスラム教徒のオーストラリア人も、オサマ・ビンラディンと同じテロリストなのだ。また、1995年に様々な宗教や背景を持つ168人の死者と700人近くの負傷者を出したオクラホマ爆破事件を起こしたアメリカ人のティモシー・マクベイとも同じテロリストだ。 

第3に、クライストチャーチで起こったことは、宗教、人種、信条の名の下で人を殺すことは、普遍的に許されず、非難すべきであるということが、それを疑っていた人々にも証明した。近年を通し、テロの加害者がイスラム教徒ではなかった場合、または被害者がイスラム教徒だった場合、政治家や欧米系メディアが事件をテロ行為と分類しないことについて専門家らは批判している。だが、アーダーン首相が迅速にクライストチャーチ事件を非難したことはニュージーランド国民や世界中の人々を安心させた。

フランシスコ教皇、ドナルド・トランプ米大統領、テレサ・メイ米首相など多くが同様の反応を示したのは非常に前向きなことだ。サウジアラビアをはじめとするイスラム諸国も当然ながら、素早く非難の姿勢を示した。 

もちろん、イスラム教徒の移民受け入れが原因だという内容をツイートしたフレイザー・アニング豪上院議員のような悪辣な人間は常にいる。だが彼の意見はスコット・モリソン豪首相やサジード・ジャヴィド英内務相などの大物らからすぐに批判された。

最後に、そして残念なことにこれが最も注意すべき点であるが、私たちはもはやソーシャルメディアがもたらす明確に実在する危険を否定することはできない。イスラム教徒や移民を罵倒する内容の声明を公表したと警察が確認した男によって、このような恐ろしい事件の一部がソーシャルメディア上で実況中継されたという事実だけでも、非常に憂慮すべきことだ。 

当然、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディア・サイトは迅速に対応した。多数のユーザーを抱えながらすべての投稿を監視するのは非常に困難であるという彼らの議論ももっともだ。だが被害はすでに発生しており、日々それは続いている。 

そろそろ銃規制のような姿勢をソーシャルメディアの規制にも適用するべきだろう。つまり、クライストチャーチ事件加害者のような過激派は、自身の憎しみを語ったり犯行を記録したりできるプラットフォームを与えられるべきではない。これは身元調査によって実現でき、また子どもを狙う犯罪者が犯行に技術を利用するのを防ぐことも可能になる。 

この提案が解決策となるかは不明だが、ソーシャルメディアの規制が必要な時がきたというのが現実だ。

Faisal J. AbbasはArab Newsの編集長。Twitter: @FaisalJAbbas

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