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不寛容を許容することはできない

25 Mar 2019 10:03:11 GMT9

アラブ・ニュースは本日、憎悪の説教師たちをあばき出すという使命に着手する。これは彼らの名前を挙げたり、彼らに恥をかかせたりするだけでは終わらない。私たちの目標は過激派のイデオロギーの追跡と記録を行い、聖職者たちが自分の発言に責任を持つようにし、彼らの言葉が世界中の人々にどのように影響を与えているかを分析することである。 

憎悪の説教師たちはあまりにも長い間、罪なき人々を悪人、または犠牲者へと変えてきた。彼ら自身は銃を携えてなどいないかもしれないが、彼らの言葉は彼らの地位と影響力により、銃弾や爆弾に匹敵するほど強力なものになる。おそらくは銃弾や爆弾より強力だろう。使用済みの銃弾は無害であり、爆発した後の爆弾は最早危険ではない。しかし言葉は、それを発した者よりも長く生きる力を持つ。例えば、今は亡きオサマ・ビン・ラディンによる説教や演説は、世界中の過激派により共有され、教えられ、そして崇拝されているのである。 

本コラムで以前にも述べたように、恐怖には色はなく、信仰はなく、独自の政治的イデオロギーもない。そのため私たちはどの宗教、国籍、ジェンダーまたは政治的信念も例外としない。私たちはイスラム教、ユダヤ教、キリスト教、その他あらゆる宗教、そしてサウジを含むあらゆる国籍の憎悪の説教師をあばき出すつもりだ。

私たちは毎週、特定の説教師に焦点を当て、彼らの信念について説明し、彼らの指示を解明し、そして最も重要なこととして、彼らが自分たちの発言について責任を持つようにする。私たちは何の意見も発することはない。なぜなら必要がないからだ。彼らのような憎悪を駆り立てる人間は、自分たちの動画や音声ファイル、または出版した本や記事によって恥をさらすことになる。 

私たちがプラットフォームの提供を事実上、自分たちがまさに沈黙させたいと思っている説教師に対しても行うのかどうかについて、質問する人も勿論いるだろう。その答えは「いいえ」である。彼らのような人々、そして彼らに追従する人々は、自分たちの毒を撒き散らすために私たちや、他のあらゆる伝統的な報道機関を必要としない。白人至上主義者であるブレントン・タラントがニュージランドのクライストチャーチにある2つのモスクを襲撃した際、その様子をフェイスブックでライブ配信したことで示したように、テロリストはソーシャルメディアのおかげで既にプラットフォームを確保しているのである。

 私たちはイスラム教、ユダヤ教、キリスト教、その他あらゆる宗教、そしてサウジを含むあらゆる国籍の憎悪の説教師をあばき出すつもりだ。

しかしながら、そのような出来事について背景を説明し、分析を行うための信頼できるプロのジャーナリストは必要である。私たちは本日、タラントがどのように影響され、急進的になったのか、かつては恥ずかしがり屋でおどおどした少年が、エスノナショナリズム、具体的にはフランスの極右思想家であり、「大いなる置換え」の著者であるルノー・カミュのイデオロギーによって方向づけられていく過程はどのようなものだったのかを探るためのシリーズを開始する。 

カミュの著作は白人でカトリック教徒のフランス人、そして白人のキリスト教徒のヨーロッパ人全般が、アラブ人やアフリカ人のような非ヨーロッパ人によってシステム的に置換えられているのだと論じている。 

彼は反移民論者のフランス人作家、ジャン・ラスパイユやイギリスの国家主義者の政治家であるイノック・パウエルは「預言者」であると主張している。ラスパイユの小説である「聖人のキャンプ」は、白人の西洋文明の破滅と崩壊は第三世界からの大量の移民によるものと描写しており、人種差別的かつ外国人嫌悪であると非難されている。

パウエルもまた、移民を悪者扱いしている。 

1968年に彼がバーミンガムで行った、悪名高い「血の川」というスピーチにおいて、彼は選挙区民が彼に対して発言したことを引用して、「この国では15年か20年のうちに、黒人が白人を支配する立場につくだろう」と述べたのである。

あなたはイスラム教やアラブの思想家たち、および過激派の聖職者たちによる、同じような憎悪に満ちた弁舌を耳にし、読むことになるだろう。私たちはこれから何週にもわたり、そういったものをあばき出し、自分たちが関与する限り、不寛容を許容することはできないことが明らかになるよう努める。 

ご期待下さい…

・ファイサル・J・アッバースはアラブ・ニュースの編集長 である。

ツイッター:@FaisalJAbbas

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