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ロックダウン中のサウジアラビア、家族は「情緒不安定」との闘いに本腰

コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止のための外出禁止令発令後のリヤドの人通りのない道の様子。サウジアラビアは感染拡大を防ぐために厳しい措置を取っている。(ロイター)
コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止のための外出禁止令発令後のリヤドの人通りのない道の様子。サウジアラビアは感染拡大を防ぐために厳しい措置を取っている。(ロイター)
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08 Apr 2020 12:04:06 GMT9
08 Apr 2020 12:04:06 GMT9

Lojein Ben Gassem

リヤド:家にいて家族と長時間過ごすことを、学校や仕事や外の世界に邪魔されずに、共に充実した時間や楽しい時間を過ごし、互いに一緒にいることを楽しむ機会だと考える人もいるかもしれない。しかし、そのような筋書きが家庭に緊張をもたらすこともある。

新型コロナウイルスの感染拡大抑制のため、サウジ政府は人々に不要不急の外出をせずに家にとどまることを推奨している。

家族と一緒に身を潜めるという考えに魅力を感じる人もいるかもしれないが、自主隔離によって家庭問題が増加する可能性があると考えたり、それどころか互いにコミュニケーションを取り、以前は無視されたり埋もれたりしていた課題や問題と向き合う機会が得られると考えている人もいる。

「孤立して家にいることで、私たちが以前恐れていたあらゆる問題、特に人生の管理のまずさと向き合うことになったと思います」とフリーランスで5児の母であるMalak Al-Harbiさんはアラブニュースに語った。

「もし自分の優先順位や感情、自分自身、パートナーや両親、子供との関係をうまく保つのに問題があり、その原因が人生の流れの速さや、意図的に、あるいは意図せずに、それから逃れようとしていたことにあるなら、家にいて何もすることがない今、これらの問題がのしかかってくるので、それらを解決しなければなりません」

Al-Harbiさんは、自分の時間や趣味を管理し、自分で自分を忙しくすることに慣れていると話した。彼女は家にいることにも慣れていたので、自主隔離は彼女にとってそれほど劇的な変化ではなかった。

隔離や自主隔離を分かっていないので、子供同士のけんかが起こりやすくなる。

Shatha Hussei(ソーシャルカウンセラー)

「今問題なのは、四六時中外出することに慣れた家族が家にいることです。夫と10代の息子2人は、家にいることに耐えられません」

彼女は、子供たちは常に楽しみ、活動に満ちた時間を過ごさなければならないが、扱いやすいと話した。彼女は、彼らはまだ若いので、家にいることに容易に慣れ、楽しむ方法を見つけることができると思っていた。

Al-Harbiさんは、大人たちは刑務所に入れられているような感じがして、不安を募らせたと話した。「感情を表に出さない人もいるので、怒りや緊張、ストレスで爆発してしまいます」

けんかの原因は誰で何なのか

ソーシャルカウンセラーのShatha Hussein氏によると、子供たちは隔離や自主隔離を分かっていないので、彼らの間でけんかが起こりやすい。「こうした問題や議論は、家族の性格に基づいて起こります」と彼女はアラブニュースに語った。「彼らは普段、家にいるのが好きですか。それとも、慣れたら外出するのが好きですか」

第二の原因は、パンデミックの危機と日々のニュースだった。第三は、親の緊張で、それは「ウイルスのように広がる」ため、子供の緊張を高めた。

スクールプランニング・マネジメントのコーチであるRana Taha氏は、母親が不安やストレスを感じているなら、家族全員もそうなるだろうが、母親が落ち着いていれば、全員がリラックスできるだろうと話した。

「主な問題は、家にいる父親が、母親や主婦が長い間責任を負ってきた家の管理に介入し、前から管理していた女性がこの介入に不満を持ち、それが問題を引き起こすことです」とTaha氏は話した。

「一方、子供たちは常に退屈していて、電子機器やSNSを使って自由な時間を過ごしたいと思っています。多くの親はそれを許したくありませんが。子供たちが楽しんでいた趣味でさえ、今では押し付けられ、楽しめなくなっています」

これらの問題を回避する方法

Hussein氏は、家庭内に平和と積極性を広めて争いを避けることは親の責任であり、夫婦間のいざこざは、子供から「遠く離れた」所で起こるべきだと話した。

彼女の補足説明によると、相手の感情を理解する能力のため、母親の方が負担が大きい。そして、人々が、この状況は一時的な措置だと考えれば、問題が回避されたり、緩和されたりする可能性がある。一つの解決策は、家族全員が毎日プロジェクトに参加し、家の中の全員が集まり、それに取り掛かれるようにすることだ。

「例えば、ある日バーベキューパーティーを開いたり、モノポリーやパズルのようなボードゲームをするための特別な日を設けたりします」とHussein氏は述べた。

Taha氏は、他の家族がしないならば、母親がこれらのプロジェクトを始めるべきだと述べた。「彼らはより簡単な方法を選びたがります。部屋に籠もって電子機器を使うといった方法です」。彼女は人々に「ラフターヨガ」をやってみることを提案した。

「正常でないのは、母親が彼らの周りで何も起きていないかのように振る舞うことです。彼らは、何が起きているのかを理解し、それを認め、解決策を探さなければなりません」とAl-Harbiさんは話した。

離婚率は上がるのか

「それどころか、世界全体がこのウイルスに対して団結できれば、家族も団結するはずです」とHussein氏は述べた。

Taha氏は、このパンデミックが家族の仲をより緊密にし、絆を強めるだろうと考えた。「最近気付いたのですが、夫と上の息子たちとの間に会話があるのです。ニュースのような、同じような意見を共有しながら話す共通の話題があるので、以前より良くなりました」

「このパンデミックと家での隔離が終われば、誰もが新しい個性を持つようになると思います」とAl-Harbiさんは語った。

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