リヤド:サウジアラビアを離れる準備を進める岩井文男駐サウジアラビア大使は、同国の友人たちから「アブ・コウジ」の愛称で親しまれている。同大使は、任期中に目にした同国の劇的な変貌について振り返った。
「サウジアラビアは第二の故郷のような感じです」
「この国と国民に対する私の思いは、本当に特別なものです」と岩井氏は語った。
野心的なビジョン2030の枠組みの下、同氏は、サウジアラビア王国が文化遺産の保存と進歩を融合させ、かつてないほどの速さで発展していることを目の当たりにした。
「ビジョン2030は単なる変化ではなく、サウジアラビアがどうあるべきかを完全に再考するものです」と彼は述べ、このイニシアティブが王国の経済を再構築し、その影響力を拡大したことを強調した。
サウジアラビアが地域のハブとして台頭し、投資を誘致し、グローバルなパートナーシップを確立するにつれ、大使は世界舞台における王国の役割が拡大していることを指摘した。
リヤドの活気あふれる街並みから、アル・ウラーの畏敬の念を起こさせるような風景、そびえ立つアシール山脈まで、岩井氏は、伝統を尊重しながら変化を受け入れる国の美しさと精神を直接目にしてきた。
「それぞれの場所が、たくましさと誇りの物語を伝えています」と岩井氏は述べ、王国の多様な地域が伝統と進歩の調和を反映していることを指摘した。
岩井大使は、サウジアラビアに滞在した期間中に出会った人々の厚いもてなしに深い感謝の念を抱いている。「この国の温かさは比類ない」と大使は語り、サウジアラビアの人々が外交官としてだけでなく、彼らのコミュニティの一員として自分を迎えてくれたことを思い出す。
サウジアラビアの友人たちから授けられた「アブ・コウジ」という称号自体が、形式的な外交を超えた個人的なつながりと愛情を象徴している。
「そこには誠実さがあり、オープンで寛大な伝統が息づいており、非常に感動的です。世界中にこのような真の温かさは滅多にないです」と彼は述べた。
大使はまた、サウジアラビアと日本の関係を深める取り組みである『アラブニュース』日本語版を称賛した。
同誌が相互理解を促進する上で重要な役割を果たしていることを認め、日本の読者がサウジアラビアの変革の広さと深さを理解できるようにしていると述べた。
「アラブニュース・ジャパンは、母国の人々がこの国の成長と野望の旅を目撃することを可能にしてくれました。」と彼は述べた。「それは、両国の文化の架け橋となり、両国の友好を深めるのに役立っています」
サウジアラビアでの年月を振り返り、彼はビジョン2030の下でのテクノロジー、インフラ、経済の多様化の急速な進歩に感嘆の意を表した。
新たに開発されたホテルやインフラプロジェクトから、新しいデジタルビザサービスの利便性まで、同大使は、国際的なビジネスや観光客を惹きつけるために王国が成し遂げた進歩を指摘した。
「これらの発展は、サウジアラビアが世界を迎え入れる準備ができていることを示しています」
大使は、経験と技術的専門知識を持つ日本が、これらの分野においてサウジアラビアと協力する上で、非常に有利な立場にあることを強調した。
しかし、目に見える変化以上に、大使にとって最も印象に残ったのは、人々や彼らが共有する伝統に対する誇りであった。サウジアラビアの都市のエネルギーから歴史的遺跡の静寂の美しさまで、大使は、王国を旅した経験が個人的なレベルで変化をもたらしたと述べた。
「それは風景や都市だけではありません。人々、彼らの温かさ、彼らの伝統、これらがサウジアラビアの真の宝なのです」と大使は語った。
岩井大使は、特にエネルギー、技術、文化交流といった分野において、日本の専門知識がビジョン2030の目標と一致していることから、今後の協力関係の強化に楽観的な見通しを示した。
大使は感謝と希望の念を抱いて離任するが、サウジアラビアと日本の友好関係は今後も深まっていくと確信している。
次の任務について、大使は、日本が中東地域との関係を深める新たな機会を提供してくれるであろうエジプトへの赴任に胸を躍らせていると語った。
「どの国にも独自のストーリーと道があります。私は、サウジアラビアで大切にしてきたパートナーシップの精神を次の任地でも継続できる機会に感謝している」と大使は述べた。
「サウジアラビアは、私が目撃した信じられないほどの変貌、そして何よりも、家族のように私を迎えてくれた人々の友情と温かさのため、私の心の中で常に特別な場所を占めています」と付け加えた。