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より多くのサウジ女性がサイバーセキュリティを専門にすることを望んでいると専門家が語る

サウジアラビアの女子学生や女性の専門家のサイバーセキュリティ能力を向上させるために、政府部門と民間部門の組織は現状から進んで、サイバーセキュリティの実践的トレーニング課程を定めるする必要があります。(AFP)
サウジアラビアの女子学生や女性の専門家のサイバーセキュリティ能力を向上させるために、政府部門と民間部門の組織は現状から進んで、サイバーセキュリティの実践的トレーニング課程を定めるする必要があります。(AFP)
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27 Oct 2020 06:10:48 GMT9
27 Oct 2020 06:10:48 GMT9
  • サイバーセキュリティの熟練労働力が世界的に不足しており、新たな課題として浮上している。この課題を克服するために、共同責任を担う者として、すべての人が役割を果たさなければならない。

ディマ・アルクデア 

ジッダ:サイバーセキュリティ分野がサウジアラビア王国で最も求められる部門になったため、より多くのサウジアラビア人女性がこの分野を専門にすることを望んでいる、と専門家が語る。

ファーマーズ・インシュランス社のクラウドセキュリティエンジニアであるダライ・アルハルティは、6月中旬から9月中旬まで3カ月にわたって開かれた全員女性のサイバーセキュリティブートキャンプを企画した。

彼女は4月19日にツイッターで行った発表で、サイバーセキュリティを学ぶことに関心のある女性にブートキャンプ参加への応募を呼びかけた。登録期限までに3,000人以上の女性が応募した。

「学びたいというこの熱意と、多くの女性がこのブートキャンプへの参加に関心を抱いていることを目の当たりにしてとても嬉しく思いましたし、勇気づけられました。そこで、できるだけ多くの応募者を受け入れることにしました」と、アルハルティはアラブ・ニュースに語った。

受講者の大半はサウジアラビアに住んでいるが、アルハルティ自身は米国居住の博士号取得候補者だ。アルハルティはサイバーセキュリティのすべての分野・領域を受講者に教授した。これにはリナックスコマンド、Pythonのプログラミング、クラウドセキュリティ、ネットワークセキュリティ、インシデント対応、デジタルフォレンジック、SIEM、エシカルハッキング-侵入テスト、暗号法、CompTIA Security+が含まれる。

「私はこれを理論的な知識が20%、実践的な訓練が80%となるように設計しました。実践的訓練はAWS、Snort、Wireshark、PyCharm、Kleopatra、OpenSSL、MySQL、DVWA、BurpSuite、HTML、Splunk、Autopsy、John the Ripperといったいくつかのサイバーセキュリティツールやプラットフォーム上で、またKali Linux、Tiny Core、Ubuntu、Metasploitable2、Windows 10、Windows Server 2016、Ravenなどの仮想マシン上で行いました」

アルハルティはサイバーセキュリティについての受講者の知識と経験を向上させるだけでなく、履歴書に記載できる内容を増やし、面接スキルを磨くことを通じて、受講者を雇用者の求めに合致させていく点を重視した。

アルハルティはアルイフバリヤのテレビインタビューで、女性サイバーセキュリティ専門家の不足はサウジアラビア王国に限られないと述べている。これは世界的な課題であり、この分野には男女間格差の問題が存在している。「2019年末に世界全体のサイバーセキュリティ労働者に占める女性の比率は20%でした」

サウジアラビア人女性の能力を高めること、とりわけサイバーセキュリティ分野の女性を増やして女性比率を50%にまで引き上げることに「たいへんな情熱」を抱いている、とアルハルティは述べた。

「このブートキャンプは、その目標の実現に向けてのステップの1つです。ブートキャンプの受講生がそこで得た知識を共有して、この分野の他の女性を助けるであろうことを、完全に確信しています」

2019年末に世界全体のサイバーセキュリティ労働者に占める女性の比率は20%でした。

ダライ・アルハルティ

ブートキャンプは実質的にClasseraプラットフォーム上で開催され、サイバーセキュリティの学習とその分野での仕事に関心を抱く女性を専門家が無料で助け、能力向上を図った。

キングサウード大学サイバーセキュリティ学教授にして、ワシントンにあるサイバー研究グローバル財団(Global Foundation for Cyber Studies and Research )の創設者兼CEOであるムハンマド・コーラム・カーンは、サウジアラビア人女性はいくつかの分野や職業で高い水準の成功を収めていると述べた。

「サウジアラビア人女性はより高レベルの調査・研究に対する情熱や熱意の点で、サウジアラビア人男性を上回ってもいます」と、カーンはアラブ・ニュースに語った。「近年、情報通信技術の世界にサウジアラビア人女性が押し寄せています。特にサイバーセキュリティ分野に格別の関心を抱いています。この関心は、国家サイバーセキュリティ庁が最近始めた、女性がサイバーセキュリティの職に就くのを支援・奨励する取り組みによって、弾みがついています」

カーンによると、国内の大学のサウジアラビア人女子学生は、サイバーセキュリティの研究やプロジェクトを行い、専門資格を取得し、また「キャプチャー・ザ・フラッグ」ハッキング競技会で上位になっている。

「また、トップクラスの国際学術誌や国際学会で高いインパクトのある研究論文を数多く発表しており、実に賞賛すべきことです。こうしたことのいっさいはサイバーセキュリティ分野での素晴らしい可能性、専門家気質、才能を表しており、究極的にサウジアラビア王国のサイバー資産を敵から守るのに資するでしょう」

この業界での女性比率の低さや女性を十分に活用していない状況を改めるために、大学や研究機関は女子学生や女性の専門家をサイバーセキュリティ分野に引き寄せるプログラムを開始する必要がある、と同教授は付け加えた。

「サイバーセキュリティの熟練労働力が世界的に不足しており、新たな課題として浮上しています。この課題を克服するために、共同責任を担う者として、すべての人が役割を果たさなければなりません。サウジアラビアの女子学生や女性の専門家のサイバーセキュリティ能力を向上させるために、政府部門と民間部門の組織は現状から進んで、サイバーセキュリティの実践的トレーニング課程を定め、サイバーセキュリティのインキュベーターとアクセラレーターを創始し、指導・カウンセリングプログラムを開始する必要があります」

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