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G20の「アイデア・バンク」がサウジサミットに向けて最終報告書を発表

G20の「アイデアバンク」と呼ばれるT20は、アブドラ国王石油調査研究センターとファイサル国王イスラム研究センターの指揮の下、リヤドでのサミットに召集された。写真/Jitendra Roychoudhury/T20事務局
G20の「アイデアバンク」と呼ばれるT20は、アブドラ国王石油調査研究センターとファイサル国王イスラム研究センターの指揮の下、リヤドでのサミットに召集された。写真/Jitendra Roychoudhury/T20事務局
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02 Nov 2020 09:11:06 GMT9
02 Nov 2020 09:11:06 GMT9
  • サウジ主催のフォーラムでは、ヘルスケアと気候変動に焦点を当てた世界の主要な問題について話し合う

ラワン・ラドワン

ジッダ:サウジアラビアが主催するG20サミットでは、サウジアラビアが主導する11のシンクタンク20(T20)タスクフォースが策定した32の主要な政策提言が、世界の首脳に提示される。

提言は、サウジT20サミットの最終日にコミュニケの一環として発表された。

コミュニケは、コロナウイルスのパンデミックによる影響で、リヤドでバーチャル形式で開催されるG20サミットにて、検討すべき革新的な政策を詳述する。

G20の「アイデア・バンク」と呼ばれるT20は、アブドラ国王石油調査研究センター(KAPSARC)とファイサル国王イスラム研究センター(KFCRIS)の2つの主要組織の指導の下、リヤドでのサミットのために召集された。

最初の10タスクフォースは、今年初めにG20に重要な研究を収集・提供するために設置されたが、パンデミックの出現により、ウイルスの影響を研究するための追加のグループが新たに設置された。

新たな政策提言は、繁栄、持続可能性、包摂性のある未来を目指すT20サウジアラビアのビジョンを推進する上で重要だ。

「我々は、昨年日本で約束を交わしたプロセスの継続性を確かなものとした上で、繁栄、持続可能性、包摂性を更に付け加えた」とT20議長のファハド・アル・トゥルキ博士はアラブ・ニュースに語った。「T20はG20加盟国だけではなく、非加盟国の声でもある」

「多くの非加盟国が直面している課題に取り組むという意味で、私たちの包摂的なアプローチは重要であった。それらの課題を議題に上げて、研究に基づいた政策提言をして、適切なアプローチを打ち出すための議論に参加させることが大切であった。適切な解決策を見つけるためには、問題の定義を厳密に行うことが最も重要な要素であるが、すべての国がその解決策を明確かつ簡潔に表現することができるわけではない。T20は、このような問題に対処し、行動を起こ  すための準備をするのに役立っている」と付け加えた。

年間を通しての議論は、パンデミックの出現を受けて急激に加速した。コミュニケは、世界のヘルスケア、多国間主義と経済発展、世界的な不平等、気候と環境、持続可能な資源などの問題について、緊急の行動を求めている。

コミュニケで強調された再発する2つのトピックは、パンデミックの影響を大きく受けた。ウィルスの発生は、世界経済においてヘルスケアが果たす役割を受け入れるためのもう一つの呼びかけとなった。

コミュニケはG20に対し、健康の重要性と、回復力の強化、備え、全ての人が享受できる医療保険の必要性を促している。

最終報告書はまた、各国のヘルスケアシステムを強化し、プライマリー・ヘルスケアを支援し、包括的な幼児教育、国民に対するケアと人間開発が国家戦略の重要な要素であることをG20に促す。また、世界保健機関(WHO)に対し、各国の健康対策とつながる国際的な健康規制をさらに発展させるよう促している。

もう一つの課題は、パンデミックの中で様々な活動団体によって広く議論されている、気候変動と循環型炭素経済(CCE)を促進することの重要性である。

KAPSARC研究員のヌラ・マンスーリ博士は、T20最大のタスクフォースである気候変動と環境に関するタスクフォース2の主任共同議長を務め、26カ国から165人の著者が執筆した24のポリシー・ブリーフを発表した。

「T20コミュニケは、持続可能性に向けて前進するために、あらゆる緩和技術の選択肢を受け入れて気候変動に立ち向かう、新たなコミットメントを求めている。広範な道すじと選択肢を取り込むことで、CCE は、世界が共有する希望を満たすよう邁進すると共に、資源の寄付や経済構造など、各国のさまざまな状況を考慮している」と博士はアラブニュースに語った。

このコミュニケはまた、G20 に対し、各国が炭素排出量の削減と新技術の導入に向けて、共に努力をするプラットフォームを提供するよう求めている。

カーボンニュートラルなエネルギー移行を実行するためのCCEアプローチを活かすことは、サウジアラビアを含むトップ産油国のエネルギー専門家と大臣によって強調される喫緊の課題である。

革新的な手段を用いてエネルギーと気候に関するゴールを目指すことで、新たな提言は炭素削減を促し、世界経済の成長を促進するのに役立つだろう。

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