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手書きは人格の鏡である、とサウジアラビアの筆跡学の専門家は語る

サマン・アスラム
サマン・アスラム
筆跡学は、サマン・アスラム氏が周りの人々を手助けすることを可能にしただけでなく、彼女自身を改善するのにも役立った。(付属)
筆跡学は、サマン・アスラム氏が周りの人々を手助けすることを可能にしただけでなく、彼女自身を改善するのにも役立った。(付属)
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26 Nov 2020 08:11:03 GMT9
26 Nov 2020 08:11:03 GMT9
  • 筆跡学は、サウジアラビアの若者たちからますます注目を集めている分野である。

Ameera Abid

ジェッダ:その人の芸術やボディーランゲージの分析から、とりわけ筆跡の分析にいたるまで、自己評価は、サウジアラビアの若者の間で注目を集めている分野のひとつとなっている。

筆跡は学業において重要な役割を果たすが、筆跡学と呼ばれる科学を通じて、人の性格、習慣、病状を知ることもできる。

筆跡学は、手書きの中で見つけられるパターンの分析であり、人の心理状態を特定することが可能だ。

アラブニュースは、リヤドに住むパキスタン人筆跡学者のサマン・アスラム氏を取材した。彼女は、筆跡学は若者の間で注目を集めていると述べ、彼女に無料で手書きを見てもらうことのできるInstagramページを開設した。

彼女は、人生において行ったものの中で最も挑戦的なことが筆跡学であると語った。「私はさまざまな仕事をしてきましたが、筆跡学者の仕事が最もやりがいがあり、素晴らしい仕事なのです」

彼女は人の筆跡を「脳の書き込み」と定義した。それは、脳が手を操り、パターンを作り上げるためである。「筆跡は私たちの鏡であり、私たちの意識、前意識、そして潜在意識を投影します。人の体の健康さえも表すのです」

アスラム氏によれば、見た目は欺くことができるが、筆跡は決して嘘をつかず、書き手がどのように考え、感じ、行動するかを明らかにするという。「筆跡は、書き手を介さずとも、直接そして即座に明らかにします。それは行動の背後にある動機を表し、自身も意識していないかもしれない、書き手の癖を説明するのです」

彼女はまた、この分野において多くの人が持っているだろう誤解を解いた。占いや精神的な研究と混同されがちではあるが、筆跡学では未来を予測できない。

アスラム氏の筆跡学への関心は、アラビア文字を学んだ経験に端を発している。アラビア語の筆跡学者のチームが、彼女の性格の特徴をいくつか教えてくれた。そのことがきっかけでこの分野への関心を向けたのだという。彼女は後に英語の筆跡を学んだ。

筆跡学は、アスラム氏が彼女の周りの人々を手助けすることを可能にしただけでなく、彼女自身の性格と人間関係を改善するのに役立った。

「私は毎日、新しい技術を学び、それを身に着けています。自分の兄弟や受け持つ学生の性格を理解することから、上司が私に何を期待しているのかを知ること、友人が適切な人生のパートナーを見つけるのを支援すること、そして彼らのキャリアと健康について人々に助言することまで」と彼女はアラブニュースに語った。

彼女はまた、良い観察眼を持っており、自身が経験していることを表現できない人たちを見つけることができる。今では難しい性格の人たちとうまくやっていくことができるという。

筆跡学は分析にとどまらない。「筆跡セラピー(graphotherapy)」と呼ばれるプロセスを通じて、ネガティブな特性を改善し、ポジティブな特性に改革する方法がある、と彼女は付け加えた。

この治療法は、筆跡を変えることによって人の性格を変えることをベースとしている。筆跡セラピストは、その人にカスタマイズされた治療法を立て、ネガティブな習慣を再構築するための新しい筆跡パターンを提案する。これは、内科の病気や人間関係、キャリア、自己啓発、精神的ストレス、トラウマ、そして自殺念慮を軽減するのに役立つ可能性がある。

「筆跡セラピーを行うと、弱点を克服し、強みに変えることができます」と彼女は言った。

筆跡学は、精神的メンタルヘルスだけでなく、身体的問題の発見にも役立つとアスラム氏は述べた。筆跡学のこの分野は、書字病理学と呼ばれ、潜在的か顕在的か、永続的か一時的かどうかにかかわらず、心理的および身体的障害によって筆跡に生じる変化を研究する。

「明らかに、腫瘍、ホルモンの不均衡、婦人科の問題、関節痛、脱水症などの健康上の問題の症状が体にでる6か月前に、多くの健康問題が私たちの脳に記録されているのです」と彼女は語った。

筆跡学者としての彼女のキャリアの中で、アスラム氏は多くの経験を積んだが、特に覚えていることがあるという。 「そのような経験のひとつは、患者の腰痛を治したことでした。もうひとつの出来事は、患者が自分の夫の筆跡分析を行ったときに、彼が二重人格障害に苦しんでいることが判明したことでした。彼の人格の1人は友好的で、もう1人は敵対的でした」

アスラム氏は、ワークショップ、短期コースの実施、および筆跡学と筆跡セラピーを組み込んだオンラインアカデミーの立ち上げを通じて意識を高めたいと考えている。

彼女はまた、意欲的な筆跡学者が彼らのキャリアに励むことを奨励した。「筆跡学には大きな責任が伴います。あなたの言葉が誰かのこころに刻みこまれるため、誠実に行うようにしてください。親切丁寧に!自分の人生のすべてをこの学問に捧げることとなるでしょう。献身と誠実さをもって行うようにしてください」

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