• ハネウェル・スマート・ビルディング・アワードは、KAPSARC（カプサルク） をサウジアラビアで「最もスマートな建物」と称した。

Aseel Bashraheel 

ジッダ：サウジアラビアの首都にある有名なランドマークがそのユニークで革新的な建築デザインにより、権威ある賞を受賞した。

ZHA= ザハ・ハディド・アーキテクツが設計したKAPSARC= アブドラ国王石油調査研究センターが、ACI= 米国コンクリート学会が優れたコンクリート建築に対して授与している賞を受賞した。

KAPSARCの六角形多面体のハニカム構造の建物は、未来的な感覚を備えると同時に有機生命体にも似ている。

KAPSARCのキャンパス内を歩くと、建物の外側部分と天井の六角形セルの開口部が厳しい太陽光からの防御となるだけでなく、柔らかな陰影を作り出していることがわかる。

また、異なる機能を持つ5つの棟、「エネルギー・コンピューター・センター」「エネルギー・ナレッジ・センター」「会議センター + 展示ホール」「図書館」「礼拝施設」は巨大な六角形のハニカム構造設計でつながっている。

キャンパスの5つの要素を1つに統合しつつ、根本に確かな技術を据え、環境に十分に配慮した設計となっているのだ。

この結晶体は素材の30パーセントはリサイクル素材が用いられ、南側からの太陽の熱を防ぐ角度を持ち、北側と西側に向かって開かれていて、置かれた環境に反応する成長中の生きた細胞のように機能する。また、「ウインド・キャッチャー（採風装置）」として知られる多面体セルを活用して、北側からの風をオープンスペースに取り入れている。サウジアラビアの建築家、Mukhtar Al-Shoaibi氏はこの建物は非常に複雑に組み合わされたスチールで建てられていると指摘している。

Al-Shoaibi氏はアラブニュースの取材に対し「この仕事を請け負った業者は結合部を据え、シートを張る経験を相当積むことになったでしょう。今、その建物はサウジアラビアのすばらしいモニュメントとなっています」と語った。

さらに「ZHAのプロジェクトは常に、前例のない伝統にとらわれないもので、ユニークでクリエイティブです」という考えを示した。

また、ザハ・ハディドの仕事をサウジアラビアで人気のアニメ「グレンダイザー」にたとえ、その数多くの建築は、ザハ・ハディドが「型破りな方法で」コンクリートを活用する宇宙空間のテーマを思い起こさせるとも指摘した。

特にKAPSARCについては、その設計は入り組んだ鉄で組まれた蜘蛛の巣に似ていると述べた。

「サウジアラビアにとって今回の受賞は本当に喜ばしいことです。リヤドはアブドラ国王金融地区やZHAが手がけた地下鉄駅など、世に知られるべき多くの建築物のある美しい都市です」

しかし、Al-Shoaibi氏が何よりも楽しみにしているのは、創造性に満ちた有望な、これからのサウジの才能ある人材だという。

サウジアラビアの建築家たちは、アーガー・ハーン建築賞を含むいくつかの建築分野の賞を受賞しているとAl-Shoaibi氏は指摘する。

そして「サウジアラビアがそれらの賞を受賞したことを誇りに思います。サウジではさらに多くの大規模なプロジェクトも予定されており、その完成を待ち望んでいます」と期待を見せた。

ハネウェル・スマート・ビルディング・アワードは、KAPSARC をサウジアラビアで「最もスマートな建物」と称した。

持続可能性を促進する非営利団体として、KAPSARC は効率的なエネルギー・ソリューションを探り、エネルギー分野の課題や環境問題を解決するために、そのリソースを活用している。

今回受賞したACIの賞は、創造性の高い一流のプロジェクトに対して贈られるもので、革新性とテクノロジーを備えた優れたコンクリート建築を称える国際的な賞として設けられている。