• タブークには、多くの考古学的遺跡のひとつである大昔のタブーク城、ハイジャズ駅の古い駅舎、街の最古の泉であるアインスカルなど、見所がたくさんある

ラワン・ラドワン

ジッダ：海岸から見える深い紺色の海から、周辺の渓谷や、オレンジ農園まで、タブークの街にはすべてが揃っている。

外国への渡航が制限され、多くの国民がサウジ全国の新たな地域や都市を訪れるようになったため、タブークはこのところ観光客で賑わっている。

家族やグループでタブークの魅力を探索するには、自分たちで訪れることもできるし、「サウジ観光案内協会」に登録されたウェブサイト『サウジ・ウィンター・シーズン』からグループツアーに参加することもできる。

タブークには主要な遺跡があり、サウジアラビアで最も重要な観光地のひとつだ。この街を車で訪れるのであれば、街に入るまでの間に、西側に紅海が見え隠れする美しい山々の中を通り抜けていくことになる。

ジッダの民間企業に勤めるマナル・アル・ハルシさんは、夫や家族と最近この街を旅行し、変化に富むその風景や美しさに心を打たれた。

「街は本当に快適でした。外食をしたければ様々なレストランがあるし、ピクニックをしたいなら地元の新鮮な農産物が豊富で、リラックスして屋外を散策したいのなら素晴らしいビーチがあります」と彼女はアラブニュースに語った。「この地域を訪れたのは今回が初めてですが、人々は温かく迎え入れてくれるし、またすぐにでも訪れたいと思います」

彼女が魅了されたのは、この街の自然が変化に富んでいるだけでなく、手つかずで残されていることだ。

タブークは「北への玄関口」であり、そこにある遺跡はそこに存在した歴代の文明を反映していると言われている。また、広大なバラ農園から世界中にバラが輸出されていることから、「タブーク・アル・ワルド（バラのタブーク）」とも呼ばれている。

「私たちはバラ農園だけでなく、オレンジ果樹園も訪れ、キンカンがあることも知りました。それらはとてもおいしかったのですが、ここサウジアラビアで栽培されているのは初めてみました。ここへ来るまでの間にも多くの農場があり、土地がいかに肥沃であるかがわかります」と彼女は述べた。

タブークには、多くの考古学的遺跡のひとつである大昔のタブーク城、ハイジャズ駅の古い駅舎、街の最古の泉アインスカルなど、見所がたくさんある

観光業者のパッケージツアーには、タブーク山地の最も美しい癒しの名所が含まれていることが多い。そのひとつが街から数時間の距離にある標高314メートルのタイーブ・アシムで、アカバ湾を見渡すことができる。たくさん椰子の木、葦、美しい湧き水などがあることで知られ、非常に美しい自然保護区のような場所だ。

そびえ立つ赤い砂岩の断崖や切り立つ峡谷に挟まれたワディ・アル・ディザの谷は、透明な清流とヤシの木が豊富なことで知られている。街から約2時間の場所にあり、あらゆる種類の汚染から隔離されたこの地域は、峡谷でハイキングやキャンプをするのに理想的で、最高の天空の景色を眺めることもでき、星の観察が好きな人には夢の場所だ。