リヤド・ベン・ガッセムとヌール・ヌガリ、リヤド

11月12日にサウジアラビアの首都リヤドで開催された、ミスク・グローバルフォーラム・年次総会初日のパネルディスカッションで、進化の止まない職場環境と若い世代が直面する課題が話題の中心となった。

各地域を代表するインフルエンサーで若者を鼓舞する役割を担った女性たちは以下の通り。サウジアラビア観光・国家遺産委員会の戦略担当副会長を務めるハイファ・M・アルサウード王女、シンガポール情報通信省及び文化・コミュニティー・青年省のシム・アン上級大臣、クウェートのナショナル・クリエイティブ・インダストリーズグループのシェイク・アルサバ議長兼CEO、アラブ首長国連邦（UAE）の青少年対策省大臣及び連邦青年局・議長を務めるシャンマ・アルマズル氏。

Arab Newsのファイサル・J・ アッバス編集長が司会を担当した。

ハイファ王女は自身のキャリアジャーニーを通じて学んだことを振り返った。HSBC銀行に勤めて間もない周りから若干変人扱いされていると感じていた時期から、発展途中のサウジアラビアの観光部門で現在担う重責に至るまでだ。ハイファ王女は、ほとんどの労働者と同様、自力で出世するしかなかったと語った。

「女性として、非常に困難でした」と語った。「今日の女性は、自分たちが従業員として働いてどれだけチャンスがあるのかを認識していません。政府は若い人たちの味方です」

「私からの皆さんへのアドバイスは、機会を求め、心を広く持ち、様々な業界で働くということです。女性に対する障壁はもう存在しません」

王女は自分が恵まれていると感じたと述べた。家族には女性が大勢いて、良き手本となってくれたからだ。それでも、銀行に勤め始めた頃は、自分が今の地位に登り詰めるとは想像すらしていなかったと付け加えた。

シンガポールのシム・アン上級大臣は、東南アジアが新興企業の活躍という点では、世界で最も急成長している地域だと語った。「我々は、東南アジアが今後に秘める可能性に対し大いに期待しています」と述べた。「35歳未満の若者が3億1,800万人います」

世界経済フォーラムの調査によると、東南アジアの若者は技術革新が雇用市場に与える影響について楽観的に捉えているようだ。「若者の多くは起業家精神も強く、25%が自分で事業を始めたいと考えています」とシム・アン上級大臣は述べた。「技術革新により東南アジア諸国の若者は、将来より多くのチャンスが得られるのです」

UAEのアルマズル大臣は、キャリアでの成功とは人生を充実させるための支えとならなければ駄目で、仕事をするうえで人間ならでは可能な部分に注目する必要があるとの信念を述べた。「仕事を人間的なものにする重要性を最も分かりやすく説明すると、労働者に人間性を捨てて働くよう求めるのは、呼吸なしで読書させるようなものです」と大臣は語った。「私たちは人間であり、サイボーグではありません」

クウェートのアルサバCEOは、人間らしさの1つである限界に挑む能力を活用することが重要だと述べた。グローバル化が進み、技術革新が猛スピードで進む現代において、「時代を先取りするよう自らを叱咤激励する必要があります。思い切って、快適な現状から飛び出すのです」と述べた。

セッションを終了するにあたり、アッバス編集長はパネリストたちに、新卒者が身につけるべきと思うスキルを選ぶよう求めた。

ハイファ王女は現代世界で重要なスキルが「順応性」だと述べたが、シム・アン上級大臣は「積極的に他人の意見に耳を傾けること」を選んだ。アルマズル大臣は「自信過剰を広い心で捉える」必要性を強調し、アルサバCEOは「好奇心と失敗から立ち直る力」を選んだ。