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デーツ、ラマダン中のサウジアラビアの必需品

アル=アーサからマディーナ、アル=ハルジからハータット・バニ・タミムまで、様々なデーツフェスティバルが存在するが、最も有名なのはブライダのもので、ここでは各地からやってきた商人たちが展示商品の品定めをする。(SPA)
アル=アーサからマディーナ、アル=ハルジからハータット・バニ・タミムまで、様々なデーツフェスティバルが存在するが、最も有名なのはブライダのもので、ここでは各地からやってきた商人たちが展示商品の品定めをする。(SPA)
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12 Apr 2021 08:04:00 GMT9
12 Apr 2021 08:04:00 GMT9
  • 専門家は王国における貿易商品としてのデーツの未来は非常に有望だと考える

ヘブシ・アル=シャマリ

リヤド:サウジアラビアでは家庭の必需品であるデーツは種類が豊富で、ラマダン期間中に特に注目を集める。

イスラム教の聖なる月、ラマダンを迎えると、家庭では断食明けに欠かせないデーツを買い求める。デーツはイスラム教徒の食生活に欠かせないものだが、サウジアラビアは好みのデーツを調達するのには理想的な場所だ。

マジド・アル=ハミス農業コンサルティング事務所の所長であるマジド・アル=ハミス氏は、一般的に最も人気のあるデーツはスッカリとクライスであり、ラマダン期間中に消費者に最も好まれるのはスッカリ、アル=ファラ、アル=ハラス、アル=マクノーズ、アル=ホダリ、アル=サガイだと述べている。

彼の説明によると、良質なデーツの平均価格は1キロあたり10~20リヤル(2.6~5ドル)だが、一般的にラマダン前にはコストが上がり、聖月中はさらに上がるという。質の低いデーツは安く、質の高いデーツは高い。

アル=ハミス氏は、サウジアラビアには様々な層の消費者向けに多様なデーツを生産する能力があるため、王国における貿易商品としてのデーツの未来は非常に有望であると考えている。彼によれば、サウジアラビアは世界第2位のデーツ生産国とのことだ。

詳しく読む:日本でも人気上昇中のサウジ産デーツ

しかし、デーツはまだ適切に販売されておらず、中には品質の良いデーツを陳列し、その下に食べられないデーツや1年以上経過したデーツを隠している不正な業者もいると彼は言う。

同氏は、国立パーム&デーツセンターや輸出管理局を通じて、輸出業務や物流サービスを支援・促進し、王国内のマーケティング担当者と海外のバイヤーを結びつける活動を行っていると述べた。

「ラマダンの時期になると、一部のイスラム諸国ではデーツが大量に消費されますが、残念ながら、他のデーツ生産国からこれらの国に輸出されるデーツは、王国のものよりもはるかに品質が劣っています」と彼は語る。また彼は、王国の内外でデーツを販売する上で重要な役割を果たすのは地域のデーツフェスティバルだとも述べている。

毎年、様々な地域で数多くのフェスティバルが催されている。アル=アーサからマディーナ、アル=ハルジからハータット・バニ・タミムまで、様々なデーツフェスティバルが存在するが、最も有名なのはブライダのもので、ここでは各地からやってきた商人たちが展示商品の品定めをする。

「ブライダとウナイザのデーツ取引所は、電子マーケティング(販売するデーツの品質や種類に関する情報を提供し、王国内外でのマーケティングを促進するプラットフォーム)を通じて、デーツ生産部門の活性化に貢献するでしょう」とアル=ハミス氏は述べた。

デーツは優れた健康食品であり、何百年も前には王国のほとんどの家庭で牛乳とともに主食となっていた。農業コンサルタントであるアル=ハミス氏は、もはやデーツだけが販売目的の製品ではないと理解している。他にも糖蜜などが作られているが、これは食品の調理に様々な形で使われている。例えば、糖蜜を使ってデーツ風味のアイスクリームを作ることができる。

「大量のデーツの恩恵を受け、糖蜜を作ることができます。糖蜜は栄養価が高く、多くの製品に簡単に取り入れることができます。今日では、デーツを使ったトルティーヤやフレーバーがあります。デーツを使って砂糖やお茶の甘味料を作ることもできます」と彼は語った。

彼はデーツを使って様々な製品を生産し、消費者に届けることができるようになれば、投資や生産を通じて国内外でこのデリバティブの未来を活用できるようになると考えている。

「例えば、ネスレはデーツに投資し、コーンフレークなどのデーツを使った製品を製造しています。また、アル=アハサには、子供たちが大好きなカリカリのデーツを製造する工場があります」

ドッカン・アルアジュワ・ホールディング・カンパニーのCEO兼取締役のアブダルハニ・アル=アンサリ氏は次のように述べている。「デーツほど強い果物はなく、想像を超えるほど多くの健康によいミネラルが豊富に含まれています」

デーツが直面している大きな課題は、主に輸出と産業の変革であると彼は考えている。「後者については、消費者が砂糖ではなく糖蜜、ナツメヤシの蜂蜜、ナツメヤシの砂糖、ナツメヤシのジャムなどの健康によいものを食べるよう変化するように、多大な努力をする必要があります」と彼はアラブニュースに語った。

「世界中の人々がサウジのデーツを求めているのに、私たちが届けていないせいで、そうした人たちは手に入れることができません。そのため、一部の国や品質の低い企業が市場で大きなシェアを獲得し、支配してしまっているのです」と彼は述べる。

この問題を解決するためには多くの取り組みが必要となるが、その中でも最も重要なのが戦略プランの策定だと彼は言う。

マディーナ商工会議所の元理事は、今日のサウジのデーツ企業は世界に働きかけ、デーツを輸出するためのパートナーシップを築くべきであり、在外サウジ公館はこれを支援すべきだと強調した。

マディーナには、デーツの取引所や品質を検査する研究所など、デーツの総合的な中心地を設立することも非常に重要だ。

彼は「デーツに含まれるすべてのものを活用しなければなりません。スキンケア用途でも大きな需要があるので、種や核まで投資することができます。これは、ヤシの木自体がもともと宝の山であり、今日まで何も発見されていない重要な産業だということです」と述べ、チュニジア、アルジェリア、UAEの経験を研究するよう呼びかけた。

農場主のタミ・ハワス氏によると、彼はヘイルとブライダの間にあるアルコハイフィアという村の近くに小さな農場を持っており、そこにあるすべてのヤシの木にファンカというデーツの実がなっているとのことだ。しかし、ファンカよりも完熟したデーツを好む人も多い。

タミ氏は冬になると、その収穫物を市場や、地域の商人やファンカを好む消費者が訪れる「アル=ファンカ・デーツ・フェスティバル」を通じて販売しているが、人々はスッカリを好むことが多かったという。

他の消費者は、半熟で黄色いヘタが特徴のアル=マナセフを購入する傾向があり、また、バルヒのような乾燥したデーツを好む人もいると彼は述べた。

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