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鷹ブリーダーオークション、トップクラスがサウジ砂漠へ結集

FBファルコン飼育場のオーナーであるサンドラ・ベーム氏は、子供のときからこの雄大な鳥の世話をしている。父が鷹匠だった。(AN写真:アブドゥルアジズ・アル・ノマン)
FBファルコン飼育場のオーナーであるサンドラ・ベーム氏は、子供のときからこの雄大な鳥の世話をしている。父が鷹匠だった。(AN写真:アブドゥルアジズ・アル・ノマン)
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16 Aug 2021 08:08:25 GMT9
16 Aug 2021 08:08:25 GMT9
  • 12羽の鷹を率いて参加したフランスの女性鷹匠は、スピードと美しさでそれらを選定したと語る

ヘブシ・アル・シャマリ

リヤド:サウジアラビアの国際鷹ブリーダー競売会(IFBA)に、最高の飼育場で飼育された世界最高クラスの鷹が集まり、フランスの非常に有名な女性鷹匠も参加した。

サウジ・鷹クラブ(SFC)が主催した初めてのIFBAに、14カ国200羽以上の鷹が集結し、入札者、ブリーダー、鷹匠に披露された。欧州からはドイツ、フランス、スペイン、英国の鷹匠7人が参加した。

フランス・ストラスブール近郊にあるFBファルコン飼育場のオーナーであるサンドラ・ベーム氏は、子供のときからこの雄大な鳥の世話をしている。父が鷹匠だった。そのおかげでコツを覚え、やがて事業を拡大していくことに関心を覚えるようになった。現在は130羽の鷹を飼育しており、主な品種はベーム氏お気に入りのシロハヤブサと、ピルグリム(シャーヒーン)である。

「父は若い時分から鷹に情熱を抱いていました。最初は鷹匠でしたが、1995年に鷹とシロハヤブサのブリーディングを行うようになりました。父は2005年にこの情熱の対象にすべての時間を捧げることを決心し、会社を設立しました。私は毎日手伝いをしました。  現在はSBファルコンと呼ばれるこの家業を、2020年に継ぎました」

ベーム氏は、「飼育場は田園地帯の静かなエリアにあるため理想的で、鷹の自然生息地にできるだけ近い環境になっています。施設の質は高く、屋外飼育ケージもあるため、鷹の快適度も増します。巨大な訓練ケージもあります。敷地面積は1000平方メートルあり、鷹は筋肉をつけたり、安全に狩りを学んだりできます」と、アラブニュースに語った。

「鷹の世話は3人で行っていて、しかも私たちは子だくさんです。子供たちも時間のある時はいつでも喜んで手伝ってくれます」。サンドラの説明によると、屋外ケージでは鷹は、空がよく見えるといった、周囲の環境に対して自然な感覚を身に着けることができ、好ましいという。それでも、保護レベルの向上を目指して、ケージの周囲には高い壁を巡らしている。天候の急激な変化などの、鷹を傷つける恐れのある事態に備えてのものだ。

「私個人は、鷹が周囲の状況、自然環境や自然そのものに近い環境に身を置くことが重要だと考えています。自分の上空で他の鳥が空高く舞い上がるのを、自然と目にしたりすることになります」ということだった。そして、「平均気温が高い中東のような過酷な環境では、鷹の飼育は難しいと思う」と述べた。

ベーム氏は固有の品種である12羽の鷹を率いてIFBAに参加したベーム氏だが、競売にかけるのはそのうちの4羽だけだ。この12羽の選定はスピードと美しさを基準に行い、渡り鳥になる鷹を好んで選んだそうだ。

ベーム氏は、餌やりなどの鷹の世話や施設の維持管理はどれもたいへんな時間がかかることを力説した。「この仕事は週7日労働になります。しかし、情熱があるから、時間のことなど忘れて、楽しくやっています」

「安全な仕事ではありませんし、事故や病気もよくあります。そういうものです。ですが、鷹が賞を獲るといつも幸せな思いになります」と述べた。そして、鷹のブリーダーにとっての最高の見返りは、鷹が自由に空を舞うのを目にし、顧客が満足している様子を見ることだと付け加えた。

ベーム氏はこれまでに他の鷹で国際鷹狩り競技会に参加し、さまざまな大会で優勝してきた。そのため、フランス・鷹のオーナーとして、狩猟用でもレース用でも鷹の値段は血統、大きさ、重量、品質によって異なることを承知している。

フランスのSBファルコン飼育場のシロハヤブサの入札は、15,000サウジアラビア・リヤル(4,000ドル)の付け値で始まり、24,000リヤル(6,400ドル)で落札された。

「リヤドは砂漠の真ん中に位置し、フランスの土地柄とは異なります。鷹飼育場の国際オークション会場として、ここはたいへん美しく、豪華です。素晴らしいオークションルームや巨大スクリーンも備わっています。すべてのものが入念にしつらえられているのは明らかです」

イベントの際に、ベーム氏はSFCの最も重要なプログラムである「ハダド」の紹介を受けた。これは鷹を元の生息地に戻して、保護するというものだ。昨年12月に第1段階が実施されたこのプログラムの対象には、野生のセーカーハヤブサやハヤブサなどの種が含まれる。

ベーム氏は、「鷹を自然生息地に戻すのは重要なことだと信じています。素晴らしい取り組みだと思います」と述べた。

このプログラムは、環境安全スペシャルフォース、野生生物発展ナショナルセンター、その他の組織と協力して実施される。

「ハダド・プログラムの代表者の方とお話ができて光栄です。鷹を自然生息地に戻すのは重要なことだと信じています」

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