• 巡礼者は金曜の日の出とともに、1,400年以上前に預言者ムハンマドが最後の説教を行ったアラファトへ向かう

モハメド・アル・キナニ

ミナ：ハッジの巡礼が山場に近付く中、木曜に100万人近いイスラム教徒がメッカのグランドモスクからミナの広大なキャンプ地に向かった。

巡礼者らはミナまでの7キロを徒歩かバスで移動し、空調の効いた白いテントで一夜を過ごした。

「素晴らしい気分です。全ては神に近付くためなのです」と語ったチュニジアから来たカーレド・ビン・ジョマーさん（44）は、傘と礼拝用マットを持って徒歩で移動した。

信者たちは金曜のハッジにおける最重要儀式にそなえている。預言者ムハンマドが最後の説教を行ったアラファト山に登るのだ。

巡礼者はこの山で数時間にわたって祈りを捧げ、コーランを詠唱し、付近で眠る。

土曜には、小石を集め、象徴的な「悪魔への投石」を行う。

全ての信徒がワクチン接種を完了しており、PCR検査で陰性が確認されているものの、保健責任者たちは万全を期している。

ミナでは、巡礼者にマスクと消毒剤が入った小さなバッグが配られ、キャンプの入り口には救急車が停まっていた。

42°Cに達する夏の暑さも課題となっている。「あらゆる予防措置を講じてきました。ここには必要な場合に備えて医者も待機しています」とキャンプの管理人であるアフマド・アル・ジナニ氏は述べた。

テスト・クリケットのスター選手でイングランドのボウラー（投手）であるアディル・ラシードさんも巡礼を行っている。「私の信仰と私自身にとって、とても大事なことです」と彼は語った。「若くて丈夫で健康なうちに行わなくてはならないと思っていたのです」

元女優兼モデルのインド人サナ・カーンさん（33）も巡礼者の1人だ。彼女はイスラム教に人生を捧げるため、2020年に芸能活動を引退した。

カーンさんは木曜に、イスラム教学者である夫のアナス・サイヤドさんとともにミナにいた。

「人生で最も美しい旅を経験するのが待ち遠しいです」と彼女は語った。「自分の気持ちを表現する言葉が見つかりません。全能なるアッラーが私たちのハッジを受け入れて、お助けくださいますように」

昨年にサウジアラビア当局が男性保護者の同伴義務を廃止し、今回初めて海外から来た多くの女性が付き添いなしでハッジに参加している。

巡礼を行うことで「自信がつき．．．それは私を鼓舞し、強くしてくれました」と語ったのは3人の子どもの母であるエジプトから来たスハイル・モハメドさん。彼女は女性たちに、「来てみて、怖がらないで」と助言した。

エジプトから来たファテン・アブデル・モネイムさん（65）は次のように述べた。「できる人は、チャンスを逃さないでほしい。これは言い表せないような精神的な旅です。神の家にいて、それ以上何を望むことがあるでしょう」