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サウジ外相、カショギ氏殺害をめぐる皇太子とバイデン大統領の議論を説明

ジェッダ安全保障・開発サミット終了後に記者会見で発言する、サウジアラビアの外務大臣ファイサル・ビン・ファルハーン王子。(AP)
ジェッダ安全保障・開発サミット終了後に記者会見で発言する、サウジアラビアの外務大臣ファイサル・ビン・ファルハーン王子。(AP)
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18 Jul 2022 12:07:09 GMT9
18 Jul 2022 12:07:09 GMT9
  • 外務大臣のファイサル・ビン・ファルハーン王子は、ジェッダサミット終了後にアラブニュースの質問に答えた

ヌール・ヌガリ

ジェッダ:サウジアラビアの外務大臣であるファイサル・ビン・ファルハーン王子によると、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下はジョー・バイデン米大統領に対し、相互尊重と互いの中心的価値観の理解が必要だと強調した。

ファイサル外相は、ジェッダで行われた記者会見において、バイデン大統領と皇太子の会話についてのアラブニュースの質問に答えた。

バイデン大統領は、サウジアラビアのジャーナリストで作家のジャマル・カショギ氏の殺害について、嫌悪感を抱くと述べた。

同外相によると、皇太子は、カショギ氏殺害についてのバイデン大統領のコメントに対し、「この犯罪は残念で忌まわしいものだが、サウジアラビアは真剣に受け止めたうえで、責任ある国としての立場にふさわしい行動を取った」と非常に明快に答えた。

皇太子はバイデン大統領に対し「このような過ちは米国を含むどの国でも起こる」と伝えたという。

皇太子は、米国自身も過ちを犯し、「関わった者の責任を追求し過ちに対処するために必要な行動を取った。サウジアラビアは責任ある国として振る舞い必要な行動を取った」と指摘したとのことだ。

皇太子は、イラクのアブグレイブ刑務所での米国による行き過ぎた行為と人権侵害や、2021年にアフガニスタンで一家を殺害したドローン攻撃に言及した。

皇太子は、米国は歴史的に自国の責任の所在を示してきたし、サウジアラビアも全く同じことを行ってきたと述べた。

ファイサル外相は、皇太子とバイデン大統領の間で実際に交わされた言葉を説明しながら、価値観に関する議論も交わされたと語った。

皇太子はバイデン大統領に対し、人権の尊重は「サウジアラビアにとってイスラム信仰とアラブの遺産に基づく中心的価値だ」と指摘した。

皇太子はバイデン大統領に対しこう言ったという。「対話を通して価値観を広めることが極めて重要だ。他国に自国の価値観を押し付けようとすることは効果的ではない。否定的な反応が返ってくるだろう。自国の価値観を推進する正しい方法は、まず自国がその価値観に従う姿勢を世界に対して示すことだ」

「それで、その価値観が有効で世界に受け入れられるものであれば、採用されるだろう。自国の価値観を力ずくで押し付けることはできない。そして、あなたが理解しなければないのは(皇太子はバイデン大統領に対し非常に明確に述べた)、結局は我々は我々自身の価値観を持っているということだ。その価値観は米国の価値観と100%一致することはない。我々は自分たちの伝統、価値観、信仰に非常に、非常に誇りを持っているからだ。全ての国は自国のシステムや価値観を守りたいと思うはずだ」

ファイサル外相は皇太子の次のような言葉を引用した。「我々は我が国とその価値観に物凄く誇りを持っている。米国が自国と全く同じ価値観を持った国だけと付き合いたいのであれば、そのような国のリストは非常に、非常に短いものになるだろう」

皇太子はバイデン大統領に対し、国際社会が直面している課題には協力が必要だと言ったという。「協力のための唯一の方法は互いを尊重することであり、国と国が互いの価値観や主権を尊重することもそれに含まれる」

また、ファイサル外相は説明の中で、サウジアラビアとイランの対話は前向きなものだったが結果はもたらさなかったと述べ、国交正常化のためにサウジアラビアがイランに「手を差し伸べている」ことを確認した。

同外相は、サウジアラビアはイエメンにおける包括的停戦の実現に真剣に取り組んでおり、イエメンの利益は平和と安定にあるということをフーシ派は理解しなければないと述べた。

また、イエメンの紛争が続いているのはイランの兵器が一因であると述べ、イランの核開発計画に対する唯一の解決策は対話と外交だと指摘した。

同外相は、イスラエルとの軍事的・技術的協力は提案も議論もされなかったと述べ、「アラブ版NATO」のようなものはないと付け加えた。

また、イスラエルとの「防衛同盟」の議論もなかったと繰り返した。

同外相は、サウジアラビアの領空を商用航空便に解放する決定に触れ、これに続く決定がなされることの前触れではないと強調した。

ファイサル外相は、ジェッダサミットではサウジアラビアの主要な戦略パートナーであり続ける米国との協力関係に焦点が当てられたと述べ、協力関係は古く今後も続くこと、また結ばれた合意は一夜にして実現したわけではないことを強調した。

サミットでは石油生産の問題は話し合われなかったという。OPECプラスは引き続き市場とその需要を見極めていくとのことだ。

同外相は、サウジアラビアの最大生産能力は1300万バレルだという皇太子の以前の発言を繰り返した。

ウクライナ侵攻による世界的な食料危機に関しては、アラブ諸国間で連携を強化して食料安全保障の確保に努めているところだという。

土曜日の午後のサミットの冒頭で、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下は、ジェッダサミットは世界が大きな課題に直面している最中に行われると述べ、世界経済がエネルギー価格の安定に結びついていることを強調した。

バイデン大統領は2日間のサウジアラビア訪問を終え、ジェッダを後にした。

 

 

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