レベッカ・アン・プロクター
リヤド:3日間にわたって、世界中の科学者、作家、歴史家、教授、哲学者がリヤドのキング・ファハド国立図書館に集まり、今日の人類に影響を及ぼす主要な問題について議論された。
12月3日に閉幕した第2回の会議は、「知識と探求:宇宙、時間そして人類」をテーマに行われた。
米国、英国、UAE、メキシコ、イタリア、シンガポール、ドイツ、エジプトなど世界19カ国以上から合計71名の講演が行われ、会議は今日の世界に関連するアイデアやトピックを議論する多様性に富んだ議論の場となった。参加者は約2,700人にのぼった。
文学・出版・翻訳委員会のCEOであるモハメッド・ハサン・アルワン博士は、アラブニュースに対し、「このような会議の核心は、異文化間の対話にあります。世界中から一流の哲学者を招き、歓迎することは、一方通行ではありません。むしろ、国際的な専門家がサウジアラビアと地域の同僚と知的探求の精神で参加する双方向の対話であり、パートナーシップの精神で行われるため、その知的探求ははるかに深く、広範囲に及ぶものとなるのです」と語った。
今年の会議は、サウジアラビア王国で初めて開催された昨年のイベントの取り組みを引き継いでいる。「私たちの会議は、多くの点でより大きく、より野心的になっています」とアルワン氏は付け加えた。
この会議が設立されたのは、「私たちが哲学と、その世界との関連性を信じているからだ」と彼は語った。
このテーマは、現在進行中の宇宙開発をめぐる議論と密接に関連するものであった。
「この会議のテーマは、SFの言い回しを使うのならば、『これまでほとんどの会議が行ったことがない場所に大胆に足を踏み入れる』ということだ」と、アルワンは言う。「私たちは、挑戦的でありながら、哲学的思考が人類にとっていかに重要であるかを示すテーマを選びました。哲学的思考は、宇宙探査や人類の地球外活動の可能性に関連する全く新しい知的領域を切り開く力があるからです。」
宇宙探査の話題には、サウジアラビア自身の計画も反映されている。2022年9月、同国は新たな宇宙飛行士プログラムを開始すると発表した。サウジ通信社によると、2023年に予定されているその最初の飛行には、サウジアラビア人の女性宇宙飛行士が搭乗する。
今回2回目の参加となった米国ペンシルベニア州立大学哲学科のニコラス・デ・ウォーレン教授は、アラブニュースに対し、「印象的だったのは、学術会議では見られないような多様なたくさんの人々と話ができたこと。今年の参加者には投資銀行家や石油産業で働く人たちまでいました。多様な聴衆からの洗練された質問には、今回も感銘を受けました」と述べた。
デ・ウォーレン氏は、「今日の時空を探求する」と題したパネルの議長を務めた。彼の研究は、彼によれば「宇宙の探査だけでなく、他の生命体や異星文明と接触することが何を意味するのか想像する」SF文学の影響に着目している。いわゆるファーストコンタクト物語である。
このような考えは、人類という種が宇宙で唯一の存在なのかという根本的な哲学的問題を提起する。他の生命体はいるのだろうか?他の生命体がいるかどうか、どうやって知ることができるのだろうか?なぜ、他の生命体との接触がないのか?そして、もし本当にある日、他の知的生命体や文明が存在することが発見されたとしたら、それは何を意味するのだろうか。
デ・ウォーレン氏は、パネルディスカッションでこのような疑問について考察したが、さらに一歩踏み込んだ。彼の論文によれば、このような疑問は宇宙人ではなく、私たち自身に関わるものだという。
「それは、私たちの惑星の恐怖を、架空の宇宙人に投影して昇華させる方法と関係があるのだ」と彼は言う。「この観点からすると、1950年代から1960年代にかけて、SF文学や映画の主要なジャンルの一つが、火星人がやってくるというような侵略物語であったことは、決して偶然ではありません。これは、冷戦時代に見られたある種の昇華を反映しているのです。」
この会議は、現代の世界が抱える差し迫った問題を掘り下げ、異文化間の対話を促進するだけでなく、教育的な側面もあった。
パビリオンエリアでは「明日の哲学者」という子供向けのワークショップ、哲学的な対話を行う「哲学キャンプ」、「行間を読むコンペティション」という訓練を受けた大学生チームによるディベート大会が開催され、王国の教育現場、学校、コミュニティにおいて哲学の探求と思考を育成することの重要性が強調された。
また、「哲学者カフェでは、哲学的なトピックについて講演者と議論する場を設け、これまで以上に子どもや若者にも会議への参加を促す工夫を行いました」とアルワン氏は付け加えた。
今年の会議では、国際的な大学や国際哲学会連盟、サウジアラビア宇宙委員会、Baseera、サウジ哲学倫理学センター、メカル哲学クラブ、サウジ哲学会などの、哲学的思考の促進に取り組んでいるサウジの組織など、より多くの組織と提携した。
教育コンサルタントで、Baseera Educational Consultancyの創設者兼ゼネラルマネージャーであるDalia Toonsi氏は、「私たちは、哲学者が使うツールを抽出し、そのツールをカリキュラムに適用するよう先生方に呼びかけようとしています」という。Baseeraは、サウジアラビアの学校のカリキュラムに対話的・哲学的な教授法や学習法を導入するために教師を養成する機関であり、このイベントには2回目の参加となった。
「アラブ諸国では、一般的に哲学が面白い科目だとは思われていません」とToonsi氏は言う。Baseeraの研究は、学校における哲学的探究の重要性を強調している。
「哲学のツールには、批判的思考、前提の検証、演繹と還元、探究や、より子供たちに関連するケア的思考も含まれており、子供たちに、哲学的探究に関連する異なる意見に心を開く力を与えます」とToonsi氏は言う。