
第94回米アカデミー賞で、邦画13年ぶりとなる国際長編映画賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督らが5日、東京都内で記者会見した。黄金のオスカー像を手に現れた濱口監督は「今作がこれだけ多くの国の人に受け入れられたことに驚いている」と改めて実感を語った。
かねて「夢の世界」と話していた舞台で、名だたる世界の映画人と交流し、「『なぜここにいるんだろう』というのが正直なところ」と振り返った。その上で「それだけ素晴らしいこと。今回の受賞が、今まで体験したことのない世界に自分を導いてくれるものではあるんだろうという気がする」と述べた。
映画作りについては「毎回手探り。一歩一歩、歩んだ先に、今回みたいに思いも寄らない結果に結び付くのかもしれない」とも。ハリウッドから映画製作の依頼を受けたらどうするか問われ、「脚本を読み、足をしっかりと地面に付けてやっていけるような題材があれば挑戦してみたい」と慎重ながら意欲を示した。
主演の西島秀俊さんも「授賞式は映画を作り愛する人の集まりで、お互いにたたえ合う場。非常に居心地が良かった」としみじみ振り返っていた。
時事通信