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メッカの「磁気的魅力」がサウジアラビアのビジュアルアーティスト、アフメド・マータル氏の作品を触発

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06 Jul 2022 04:07:19 GMT9
06 Jul 2022 04:07:19 GMT9

ナダ・アルタルキ

リヤド:現代アーティストのアフメド・マータル氏は、初めてメッカを訪れたときにこの聖地に磁気的魅力を感じ、それが彼のクリエイティブな人生観の形成につながった。

多くのサウジアラビア人同様、メッカとの最初の交流は子どもの頃だったが、最も鮮明なメッカ訪問の記憶は、医科大学時代のものだった。

彼はアラブニュースに対し、建設のクレーンに囲まれたある旅で、自分の「想像力は現実よりも強い」と感じた、と話す。「私たちは時々、変化を夢見ることがあります。そして、想像の力がこの動き全てを生み出すからこそ、それが実現します」

初めて彼をメッカに連れて行くという両親の約束について、彼はこう話した。「両親は私に、カーバ神殿を前にすると、私は何か異質なものに直面することになり、磁石のような魅力を感じるだろう、と言いました」

その瞬間が彼の心に残り、彼はそれをもとに想像力を沸き立て作品を作り続けた。

マータル氏の代表作のひとつである『磁性』は、カーバ神殿のシンボルである磁気を帯びた直方体の周りを取り囲む何千もの鉄の粒子で構成された。直方体は粒子を引き付ける中心点となる。「私は作品のほとんどを、引き付ける力をベースに制作しています」と彼は付け加えた。

白いキャンバスに黒い要素を置き、すべてのスペックを同時に中央に引き寄せる、色合いのコントラストとシンプルさに、鑑賞者の目は引き寄せられる。展示物は4枚のガラススクリーンに囲まれており、部外者に邪魔されてはならない巡礼行為の神聖さと高潔さを意味している。

彼の作品はまた、反発という概念とも関わっている。

イギリスの作家、ティム・マッキントッシュ・スミス氏は、エッセイの中で次のように述べた。「カーバ神殿は磁石であり遠心分離機である。離れ、家に帰ることは、巡礼の最後の儀式である」

マータル氏はこう言った。「新型コロナの大流行の後、物事が再び活気を取り戻すことはとても大切なことだと思います。私は写真家、研究者として4〜5年以上巡礼に参加しましたが、本当に、すべての人々が1つの音として聞こえるときは、最も美しい場面の1つです。そして、それを感じるのです。本当に言葉では言い表せません」

メッカの街への入場や巡礼行為そのものは、イスラム教を信仰する人々にのみ許されるものだが、マータル氏はコミュニティと都市という文脈の中で、外部の人々の好奇心に応えている。

2017年から2018年にかけてニューヨークのブルックリン美術館で行われた展覧会『アフメド・マータル:メッカの旅』で、彼は近年の巡礼シーズンを特徴づけている労働環境や建設、都市再開発を中心とした一連のマルチメディアアート作品を発表した。

「時に、それは実際は記憶や、私たちの文化が精神性や想像力を教えるやり方についてです。なぜなら私たちは、歌や親密さ、家族において、とても精神的な文化、とても感情的な文化だからです。ですから、それは私たちの生活の一部であり、多くを生み出していると思います」と彼は付け加えた。

現地での記録的映像をまとめた作品『Leaves Fall in All Seasons』では、大都市の大規模拡張に貢献した労働者らに焦点をあてている。彼は、メッカという都市は、あらゆる背景を持つイスラム教徒の移民や巡礼者によって育まれ、築かれ、聖地に活気と複雑さをもたらしてきたと指摘する。

「誰もがこのイスラムの世界を夢見ています。一生に一度それを行うことが彼らの夢なのです」と彼は言った。

医師としての経歴を背景に、個人や地域社会の社会福祉に配慮する彼の姿勢は、メッカへの旅に出られない人々にとってそれがどのようなものであるかを観客に垣間見せる作品を通じて示されている。

「私の考えは、今の作品は今の時代を表しているということです。どの時代もその瞬間を表しています。例えば、1950年代、1960年代には偉大なアーティストがいました。彼らはその時代を象徴し、このような美しい歴史を築きました。私たちは今、自分たちの時代と歴史を築いているのです」と、マータル氏は付け加えた。

医師から転身したこのアーティストは、語られていない物語を記録する力を持ち、サウジアラビアのアートシーンを確立し、国内外に正統性を示す上で主導的な役割を担っている。

2016年、マータル氏は米国で個展を開催する初のサウジ人アーティストとして、ワシントンD.C.にあるスミソニアン博物館のアーサー・M・サックラー・ギャラリーで象徴的な都市を展示した。

多くのアーティストは作品を観客の解釈に委ねるが、マータル氏は、自分の作品の背後にあるリサーチと認識が、何らかの形で観客に届くことを望んでいると述べる。「私の作品には個人的な文脈があり、それは個人的なものです。それは私の人生です」と彼は言った。

このビジュアルアーティストがイスラムの集団的なアイデンティティを掘り下げれば掘り下げるほど、彼の作品は世界の観客にとってより魅力的なものとなってきた。

「私はグローバルに考え、ローカルに行動します。私たちは今、私たちの時間軸の中にいて、それは今のサウジアラビアを象徴しています」と彼は付け加えた。

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