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サウジアラビアの強力な経済成長

研究者らは、サウジアラビアの経済の多様化により外部的な需要ショックに対する耐性が高まり、高度な職業を生み出すことになると予測している。
研究者らは、サウジアラビアの経済の多様化により外部的な需要ショックに対する耐性が高まり、高度な職業を生み出すことになると予測している。
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25 Apr 2021 05:04:15 GMT9
25 Apr 2021 05:04:15 GMT9
  • 2030年までに、あらゆる経済セクターのGDPに対する貢献度が大幅に増すとの予測

ヘブシ・アル・シャマリ

リヤド: サウジアラビアの経済は今後10年間で大幅に成長し、全セクターの経済規模が拡大すると経済学者が予測している。

サウジアラビアの金融・保険・不動産・ビジネス部門は毎年9%ずつ拡大しており、今後経済活動全体に占める相対的なシェアは12.7%に達すると見込まれる。

アブドラ国王石油調査研究センター (KAPSARC)が発行した論文「Economic Diversification Under Saudi Vision 2030: Sectoral Changes Aiming at Sustainable Growth」では、サウジアラビアのビジョン2030プログラムに基づく国内経済のマクロ経済的および構造的な変革について述べられている。

KASPARCのエネルギーおよびマクロ経済プログラムに所属する研究者デビッド・ハヴラント氏とアブドゥラ・ダラダリ氏は、サウジアラビアの経済を多様化させることにより外部の需要ショックに対する耐性が高まり、より高度な技術を要する雇用の創出や、知識集約型経済の確立が進むだろうと分析する。

ハヴラント氏は、今回の研究によりサウジアラビアの国内総生産(GDP)に占める卸売・小売業、レストラン、ホテル部門の相対的なシェアは、2030年までに16%に達する見込みであり、次いで運輸・倉庫・通信分野が続くだろうという。

「多様化の中心となる部門の急速な拡大と比較すると、石油・ガス部門の継続的な成長は、やや穏やかになると予想されます」とハヴラント氏は述べた。

一方でサービス部門は年平均10%程度の成長が見込まれており、2030年にはサービス部門の相対的なGDPシェアは40%近くにまで上昇すると予測される。

ダラダリ氏は、「製造業とサービス業は持続的な経済成長の強力な柱となり、多様化のプロセスをリードしていくことになるでしょう」と述べた。

また、「経済区分上で最初は小規模だったセクターが、大規模セクターと比較して、そのシェアを拡大しつつあることが最も大きな変化です。各経済セクターの規模がより均等になり、より多様な経済が実現するでしょう」とも述べた。

経済がより高度で多様化したものに変化するに従い、高度な知識や技術、イノベーション創出、研究開発を担う民間部門が主導権を握るようになると研究者らは説明する。

家計収入と個人消費はこのような変化の恩恵を受け、2030年には個人消費が支出全体の40%以上を占めると予想される。

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