
アラブニュース
リヤド:サウジアラビアのエネルギー相が、世界トップのファンドマネージャー らを前にして「王国の石油政策は市場のバランスを保つ効力を発揮している」と述べた。
エネルギー相のアブドルアジーズ・ビン・サルマン王子は16日、 ロビン・フッド・インベスター・コンファレンス非公開会合でそう語った。会合には世界最大級のヘッジファンドのリーダーたちが出席していた。
「私は慎重すぎるとよく言われます。ですが、その効果は出ているようです」と王子は述べた。
王子はまた、石油探査への投資不足が原因で世界の石油価格が「スーパーサイクル」に入る可能性についても警鐘を鳴らした、とブルームバーグが報じている。
エネルギー相の言葉をよく知る人物によると、自分の仕事はそうしたサイクルを阻止することだとも述べたという。
エネルギー相は長い間、弱気な姿勢の危険性について投機筋に警鐘を鳴らしてきた。
「そうしたスーパーサイクルが起きないようにするのが私の仕事であり、また私以外の仕事でもあります」
パンデミックの影響によって、国内の石油企業や国際的な探査会社が現金を手元に置いたり、新たな供給過剰を避けたりするために操業を縮小しており、石油の探査・採掘活動が下火になっている。
パンデミックを受けて原油需要がしぼむ中、石油輸出国機構(OPEC)とその協力国で構成される「OPECプラス」は、世界の供給過剰を避けるために生産量を抑えている。
「OPECプラスのやり方は、地域のニーズという観点から完全に正しかったと考えています。財政赤字を適度にやわらげつつも、同時に、需要増に大きな向かい風とならないような生産量となりました」。クレディ・スイスの中東調査責任者ファハド・イクバル氏は17日、ブルームバーグTVでそう語った。
「石油の短期的な見通しについては非常に楽観しています。この夏を過ぎれば勢いが収まるのは間違いありません。来年、供給がさらに増え始めれば石油の展望はもっと厳しくなるでしょう」