Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • ビジネス
  • 自動車のスマートフォンへの変身を支援する大手テック企業

自動車のスマートフォンへの変身を支援する大手テック企業

テスラの上海工場は月曜、最初の自動車を顧客に納品した。(AP)
テスラの上海工場は月曜、最初の自動車を顧客に納品した。(AP)
Short Url:
18 Jan 2020 09:01:18 GMT9
18 Jan 2020 09:01:18 GMT9

ラスベガス:テック企業はスマートフォンやテレビを、継続的に収益を生み出す泉へと変えた。大手テック企業は今、自動車メーカーと協力して車で同じことをしたいと考えている。

自動運転車の広範囲な展開はまだ何年か先のこととなるが、2つの業界は「空を越えて」届けられるサービスや機能を提供する自動車のアイデアの下に集結した。それらが利用するのは、スマートフォンと同じ無線データネットワークである。

ストリーミング動画や車両性能アップグレード、ダッシュボード コマースなど、それらのサービスは自動車メーカーの差し迫ったニーズに応える可能性がある。ディーラーで自動車が売れなくなってからずいぶん経ち、メーカーは自らの作るハードウェアから収益を絞り出す方法を学ばなければならなくなっている。テック企業は自動車と、人々が自動車の中で費やす時間を、成長のための新たな未開拓分野と考えている。

自動車メーカーもテック企業も、今週ここで開かれた大規模なCESテクノロジーショーを利用して、コネクティッド(ネットに接続された)収益マシンという自動車のコンセプトを実現する決意を示した。クラウドコンピューティングの大手アマゾンとマイクロソフトがその最前線に立ち、コネクティッドカーとやり取りされる大量のデータを扱うチャンスを追い求めていた。

「それは間違いなく巨大です」と、ゼネラルモーターズのマーク・ルース社長は12月、自動車販売後にストリーミング配信サービスと無線アップグレードを提供することにより収益を生み出すチャンスについて語った。それらのサービスはGMの新たな大容量オンボード電子システムによって促進される。

自動車販売が鈍化し、利幅を脅かすより厳しい二酸化炭素排出基準に従うためのコストが上がる中で、新たな収益源を求める世界の自動車メーカーが方向を転換しようとしている。フォードモーターやGMなどの伝統的な自動車メーカーの2019年の株価は、より幅広い市場を対象とする株価指数を大幅に下回った。対照的なのがテスラで、その時価総額は水曜に初めてフォードとGMを合わせた時価総額を上回った。

テスラは無線アップグレードに課金するモデルを先駆けて開発し、現在は顧客に対して全自動運転オプションの利用に6,000ドルの料金を求めている。

他の自動車メーカーは、車をアップグレード可能な、収益を生み出すガジェットに変えることを熱心に試したがっている。

中国の自動車メーカーであるバイトンの新型M-Byteセダンは、ダッシュボードとして使われる48インチ画面の他、ステアリングディスプレイや助手席用デジタルタブレットを特徴とする。駐車時には車がオフィスとなり、テレビ会議を行ったり、映画を見たりすることができる。

BMWはCESでの展示で、リクライニング可能なラウンジチェアや、内蔵された拡張現実機能で目の前の道路に注記情報を表示できるフロントガラスなど、未来のインテリアのコンセプトを示した。BMWの幹部であるクラウス・フレーリヒはロイターに対し、この自動車メーカーは現在、米運輸省高速道路交通安全局にシートの承認を求めているが、生産が始まる時期についてはまだ何とも言えないと語った。

テック企業やサプライヤーたちは自動車メーカーを支援して、無線アップグレードを困難または不可能にしている最新の自動車の複雑に絡まったコンピューターチップの問題を解決することで、自動車をサブスクリプションが予めセットになったマシンへと変える変革を加速させたいと考えている。

つぎはぎだらけの現在の自動車製造は、「コスト効率が悪く、全てが常に問題なく機能するように(自動車を)開発して発売するのが難しい」と、自動車部品メーカーのアプティブで最高技術責任者を務めるグレン・デヴォスは言う。アプティブのソリューションは、コンピューター化された機能の大部分を一元管理する新たなスマートビークル設計である。

サムスン電子の事業部門の1つであるハーマンも、自動車とのデータのやり取りを制御する同様のデジタルプラットフォームを推進している。最高責任者のディネシュ・パリワルは、中央集約化されたシステムは多数ではなく1つの経路しか持たず、ハッカーから自動車を守る役に立つだろうと述べる。

テスラを含む自動車メーカーが無線アップグレードのために利用する技術のいくつかを供給するハーマンは、サイバーセキュリティ機能が内蔵された、自動車のブレイン(脳)となる新たなコンピューターを販売する計画を立てている。ただし自動車購入者がその機能を利用するためには、お金を払わなければならない場合もある。

自動車のインターネットとの接続を可能にするセルラーモデムチップをすでに提供しているクアルコムは、自動車が車内エンターテイメントを扱い、自動運転を支援することも可能な、より包括的なコンピューターシステムを紹介した。そのシステムが可能にすることの中には、すでに車に内蔵されているより高性能なサウンドシステムのロックを解除するなどの機能アップグレードを、自動車メーカーやそのパートナーがより簡単に提供できるようになることが含まれる。

NXPセミコンダクターズは、自動車とクラウドの間のゲートウェイとして働き、自動車メーカーがセンサーやデジタルコクピットの作り出す大量のデータに対処するのを支援するチップに取り組んでいる。

それらのデータは保存・管理する必要があり、それがアマゾン ウェブ サービス(AWS)などのクラウドコンピューティング プロバイダーが参入する分野である。AWSはCESでブラックベリーと提携し、コネクティッドカーのための新たなソフトウェアプラットホームを開発することを発表した。

ロイター

特に人気
オススメ

return to top

<