アミン・アッバス

ドバイ：Kanjiは、美味しい日本食を人々の玄関先まで届けるために作られたドバイのクラウドキッチンだ。

Kanjiの担当者はアラブニュース・ジャパンの独占取材に対し、ドバイにクラウドキッチンをオープンするまでの経緯や課題について次のように語った。「Kanjiは2020年のコロナ禍の中で創業しました。当時、3Filsなどのドバイのレストランの大半は、ウイルスの拡大を避けるために店内サービスを制限していました。Kanjiは、3Filsの人気メニューを自宅にいるお客様に届けるために作られました」

Kanjiで日本食を試した人たちからの反応やフィードバックについて、この担当者は次のように語る。「（立ち上げ）以来、好意的な反応をいただいています。デリバリー体験については、『3Filsに行かずに3Filsに注文できる』といった声がありました。Kanjiでは、お届けする料理の味や鮮度に関して妥協することなく、3Filsと同じ品質の料理を提供できるよう努めています」

「また、Kanjiはカスタマーサービスにもとても力を入れています。どんな小さなものでも、全てのご意見が大切です。私どもKanjiの目標は、最高のデリバリーサービスを通して最高の料理をお届けすることです」

Kanjiの料理長であるクリストファー・ジョン・イボナ氏はアラブニュース・ジャパンに対し、6年前に3Filsでサーモンの握りを食べたのが日本食との初めての出会いだったと語る。「寿司はあまり好きではありませんでしたが、日本食は時々食べていました。日本食との出会いは何度かありましたが、一番最初で最高だったのは、3Filsでの初日に食べたシンプルなサーモンの握りでした」と同氏は言う。「たった4つの食材でこんな爆発的な味を体験できるなんて衝撃でした。サーモンの握りだけでなく、他のメニューでもです」

「それぞれ（の料理）は食材も味も違いますが、どれも申し分のないものです。幸運なことに、私は厨房の裏方として働いていたので、その魔法がどのように実現されているのかを目の当たりにすることができました。日本料理の技術は必須ではありませんが、インスピレーションを得るためにはそれらを理解しなければなりません。日本式の調理法を学ぶうえで肝心なのは食材の扱い方を知ることです」

日本料理の調理法について、イボナ氏はグリルに頼っていると語る。「結局、これは有史以来最もシンプルで独創的な調理法なのです」と彼は言う。「熱を加えると、料理の味が最大限に引き立てられるだけでなく、それがタンパク質であれ野菜であれ、味が強調され、料理に様々な食感が加わります。ただし、適切に調理すればです。使用する熱量に注意しなければなりません。アメリカンバーベキューは焼き過ぎる傾向がありますが、日本式の場合は火力を最小限に抑え、より正確に行います。私が好んで従っている哲学は『Less is more』です」

この担当者はKanjiの料理を食べてみたい人に、色々なものを少しずつ食べられる弁当ボックス、東京ボックス、埼玉ボックスを勧める。Kanjiは今後、UAE全国にサービスを拡大したいと考えている。