
東京:カザフスタン・アルマトイ出身の27歳の力士、金峰山が、イスラム教徒として初の大相撲優勝を惜しくも逃した。
東京で開催された大相撲初場所で、金峰山(本名イェルシン・バルタグル)は、12勝2敗の成績で千秋楽まで優勝争いをリードしていた。最後の本戦で日本人力士の王鵬に敗れ、ともえ戦の末、モンゴル出身力士の豊昇龍が優勝した。
夕刊フジは、金峰山はイスラム教徒初の大相撲優勝を逃したものの、その健闘が評価され、2度目の敢闘賞を受賞したと報じた。昨年末には幕下で十両優勝をしている。
日本大学を卒業した金峰山は、2021年11月の九州場所で三段目でデビューを果たした。身長195センチ、体重178キロ。
四股名は木瀬親方の出身地である熊本の山の名前に由来する。
伝説の剣豪・宮本武蔵が『五輪書』を書くために行ったとされる山で、「僕にとっては大切な山なんです」と木瀬親方。「(金峰山は)先輩に敬意を払い、ある意味では日本人よりも日本人らしい振る舞いをする。」と述べた。
宗教上の禁止事項により、金峰山は酒を飲まず、豚肉も食べない。そのため、部屋で食べるちゃんこ鍋は、金峰山のために別に用意される。
大相撲は国籍や宗教を問わないが、取組前に力士が足を踏み鳴らしたり、手を叩いたり、土俵に塩を撒くなど、その儀式や伝統は日本固有の神道と密接に結びついている。
大相撲のトップクラスに到達した最初のイスラム教徒は、2012年から2018年にかけて「大砂嵐」の名で活躍したエジプトのアブデルラフマン・アラエルディン・モハメド・アフメド・シャランである。