
岸田文雄首相が9月上旬の韓国訪問を検討していることが分かった。政府関係者が20日、明らかにした。尹錫悦大統領と会談し、日韓関係の改善基調を維持する重要性を確認。韓国国内で反発がある「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)の世界文化遺産登録についても、日本政府の取り組みを伝えて理解を求めるとみられる。
首相の訪韓はソウルでの日中韓首脳会談に出席した5月以来。韓国政府が昨年3月に元徴用工問題の解決策を示したことを契機に、日韓関係は急速に改善した。首相には、退陣前に改めて韓国を訪れることで、新政権下でも関係改善の流れを保つ必要性を訴える狙いもある。
会談では、国交正常化60周年を迎える来年に向けた協力拡大について意見交換する。北朝鮮の核・ミサイル開発を踏まえ、米国を含めた3カ国の安全保障連携を深める姿勢も重ねて示す。
佐渡金山を巡っては、7月の登録決定時に韓国政府が同意した。韓国では、朝鮮半島出身者の「強制労働」の現場だったとして、野党が尹政権を批判している。
時事通信